続・朝ドライフ

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2022年05月02日

「ちむどんどん」第16回:黒島、川口、上白石……誰が主役かわからなくなってきた第4週

「ちむどんどん」第16回:黒島、川口、上白石……誰が主役かわからなくなってきた第4週



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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。

沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。

本記事では、その第16回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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3人姉妹のなかで暢子が主役である理由

第4週「青春ナポリタン」(演出:松園武大)では、決まっていた就職先の横暴に怒った暢子(黒島結菜)が内定をきっぱり辞退して再び就職活動をはじめます。

料理コンテスト(ヤング大会)が行われることを知った暢子は参加を決めます。いよいよ暢子の料理人への道が拓けそう。
やりたいことがみつからない とぼんやりしている暢子に、走りのライバル・新城正男(秋元龍太朗)に「ブツブツ言ってないで体を動かす」と喝を入れられ、立ち上がりました。

主人公の面目躍如と思いきや、良子(川口春奈)と歌子(上白石萌歌)のドラマも盛り上がっていて、15分間でひとり5分計算です。さらに賢秀(竜星涼)のドラマも合わせたら、ひとり4分弱となってしまい、暢子=主人公がどうも目立たない。4人とも魅力的なのでそれはそれで楽しいのですが……。

良子はとてもポピュラーな恋愛部門。石川博夫(山田裕貴)からの手紙を家族に見られてあたふたしたのち、彼の勤務先の小学校を訊ねますが、石川にロックオンしている里美(松田るか)が先に来ていて……。この里美が露骨に良子をマウントしていて、厄介です。

歌子はこのドラマの清らかな歌を担っています。体も弱いし、気も弱く、ほんとうは歌いたいけれどはにかんで人前で歌えません。でも彼女を見込んだ下地先生(片桐はいり)に追いかけまわされます。
「マングース!」と騙される下地先生、この実にたわいない感じも楽しく見えてしまいます。

……とこんな感じで、ドラマの主人公が請負そうな役割を、良子と歌子が引き受けているため、どうしても視点が分散してしまうのですよね。でも、暢子が断然、主役である点を発見しました。

暢子はモテている

良子は石川、歌子は智(前田公輝)を思っていますがままなりません(石川は里美よりも良子のほうに好意的な気もしますが)。それに比べて暢子は智にも正男にもモテています。当人はまったく色恋に興味がない様子ですが、なぜか彼女の周辺の男の子たちは暢子を大事にします。子ども時代の和彦もそうでした。彼らはみんな、彼女を対等に見て彼女の存在をリスペクトして見えます。暢子のそういう人を引きつけるところが主人公らしさだと感じます。

さて、賢秀。ちまちましないでドカーンといきたいとそのタイミングを待っていると豪語する彼に、優子(仲間由紀恵)は「時代の変わり目だからねえ」と寛容です。確かに、アメリカから日本に返還されたら価値観ががらっと変わるでしょうから、本気出すのはそのあとでもいい気はします。ただ、「契約」の時代とか言うことにいやなフラグが立っている気しかしないですが……。

4兄妹の進路を見守っていきましょう。


(文:木俣冬)


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