「ナンバMG5」:剛(間宮祥太朗)の嘘が吟子(原菜乃華)にバレる!? “気合い”に泣いた第7話
間宮祥太朗が地上波ゴールデン・プライム帯ドラマ初主演を務める「ナンバMG5」が、4月13日より放送開始した。
本作は、小沢としおによる人気漫画『ナンバMG5』『ナンバデッドエンド』を実写化した“脱ヤンキー”物語で、本広克行監督がメガホンを取る。
本記事では、第7話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「ナンバMG5」第7話レビュー
美術部の部長に続いて、見事、生徒会長になった剛(間宮祥太朗)。彼だからこそ言える偽りのない「明日終わっても後悔のない毎日を過ごしたい」という言葉が全校生徒の心に刺さったようだ。ついでに特服として埼玉と茨城も制覇してしまった。剛は、どこへ行っても何をしていても一目置かれる存在だ。ちょっと表現は古いかもしれないけど、カリスマってこういうことだろう、なんて思う。
順調な学生生活を送っていた剛にピンチが訪れる。第5話での佐藤(小田将聖)との出会いをきっかけに勉強に目覚めた吟子(原菜乃華)が、剛のいる白百合高校に入学してきたのだ。
生徒会長として吟子を含む生徒の前で登壇するときは漫才風の“べしゃり”でごまかすなど、なんとかバレないように工夫をする剛。吟子も吟子で同姓同名と知り疑ってみては、美術部の部長と聞かされ、違うか~を繰り返す。
しかし、まさか周囲は剛が家族に嘘をついて白百合に通っているなんて微塵も思っていないわけで、生活指導の教師によってあっさり関係が明らかになってしまう。
自分のついた嘘で大事な家族を傷つけてしまうことは、剛にとっては身を裂くような痛みだったはずだし、尊敬している大好きな兄ちゃんが、2年間も家族を騙していたことを知ったときに吟子が受けた衝撃は計り知れない。2人の目に、戸惑い、痛み、怒り……様々な感情が浮かんでいた。
この一件をきっかけに、剛とまともに話すことができなくなってしまった吟子。そんな吟子に、伍代(神尾楓珠)は「ヤンキーの難破もアイツだし、生徒会長の難破もアイツ」と声を掛ける。
これは、剛を表現するのにぴったりな言葉だった。吟子はこの意味を実際に知っていくこととなる。
吟子の入学とともに新しく赴任してきた校長は、出世のためだけに進学率を上げようとする人物だった。そのため、毎月の学力テストで赤点の生徒が3割以上いた部活は活動休止にすると言い出した。部活に打ち込む学生からそれを奪おうなんて非道すぎる。
美術部をはじめ、野球部、新体操部……と、多くの部活が軒並み活動休止を余儀なくされそうな成績。そこで剛はみんなのために勉強を指導することに。諦めかける生徒たちを鼓舞する剛を、吟子は廊下から目撃する。
結局、みんなの頑張りもむなしく、いくつかの部活が活動休止を通達される。野球部の3年生にとっては最後の大会が迫っていることを校長に訴えても、甲子園を狙えるならともかく……と取り付く島もない。高校の部活って、そういうことじゃないんだけどな。
しかし、ここで声を上げるのが剛だ。校長が学力アップを目指しているのは「本当に僕たちのためですか?」と核心をつき、食い下がる。これを見抜かれてしまっては、ヤクザなオーラを発している校長とてぐうの音も出ない。「勝手にしなさい」と去って行った。剛が必死にみんなの大切な高校生活を守っているのを、吟子は目の当たりにする。
吟子が元・横浜魔苦須の弥生(鈴木ゆうか)とボーリングに行ったときに、さらなる事件が起きる。カツアゲされている人を助けたことで、2人はガラの悪い連中に拉致されてしまった。
しばらくすると、吟子たちが乗せられた車を外側から蹴る音がする。それだけで剛が来てくれたことを悟った吟子。子どもの頃に迷子になったときにも剛が助けにきてくれた回想とシンクロしていく。吟子にとって剛は、いつだって頼りになるかっこいいお兄ちゃんなのだ。安堵もあってか、吟子ははらはらと涙を流す。
剛も剛で、大事な妹を守るため、特攻服に着替えることもしないまま学ラン姿で相手に殴りかかっていく。兄妹の絆に、涙が止まらなくなった。
その後、剛と吟子、弥生は3人でもんじゃ屋さんへ。剛は吟子に、喧嘩以外の何かを見つけたかったのだと話す。吟子も美術室で剛の絵を見たときに「兄ちゃん本気だって思った」と言う。
ヤンキーではなく、普通の高校生活を送るために本気になった剛は、十分すぎるくらい充実した毎日を過ごしている。中学までは喧嘩という方法で仲間を守ってきたが、特攻服を脱いだ剛は違うやり方で戦い、仲間を守っている。そして、必要なときには体を張って守ってもくれる。特攻服を着ていようとシャバい制服姿だろうと、等しく“気合い”が入っていることに吟子は気づいた。伍代の言葉は、まさにこのことを指していたのだろう。
それからは身だしなみを整えて登校するようになった吟子。剛の腕を引っ張って校舎へと走る笑顔を見られて、心底ほっとした。吟子にはいつも笑っていてほしい。
前述した剛に宿っているカリスマ性は、この“気合い”に裏打ちされたものだろう。そう考えると、ドラマ開始当初はなんだか恥ずかしく感じていた「気合い入ってる」も、いい言葉だなと思う。筆者も今日から“気合い”を意識して生きてみようと思った。
(文:あまのさき)
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