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2022-09-08

宮沢氷魚×玉城ティナ、映画『グッバイ・クルエル・ワールド』で感じた狂気の世界


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西島秀俊を主演に豪華俳優陣を迎えた映画『グッバイ・クルエル・ワールド』が、2022年9月9日(金)に公開される。

監督は『さよなら渓谷』(2013年)、『日日是好日』(2018年)、『MOTHER マザー』(2020年)など話題作を次々に手掛ける大森立嗣。今回の作品には監督の実弟、大森南朋も刑事役で出演している。

全員が素性を明かさない強盗組織が、それぞれの欲のためにヤクザが集めた大金をラブホテルで強奪するところからストーリーがはじまる。やがて登場人物の人生が意表を突く方向へ展開していくため、ラストを安易に予想することは難しい。エキサイティングな群像劇は、観る者を最後までハラハラどきどきさせる。

今回はラブホテルの従業員の宮沢氷魚と、強盗組織の一員である玉城ティナにインタビュー。撮影エピソードや個性的な役への想いを伺った。

かすかに残る目の奥の輝きが、徐々に蘇ってくる演技が難しかった(宮沢)


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——宮沢さんと玉城さんは今回が初共演かと思うのですが、まずはそれぞれの印象を教えてください。


玉城ティナ(以下、玉城):宮沢さんに初めてお会いしたとき、爽やかで優しそうという印象を受けました。だから大輝という役のイメージにピッタリな方だなと思いました。

宮沢氷魚(以下、宮沢):ありがとうございます。

玉城:撮影に入ってからは私が役について考えこんでしまい、必死だった部分があったのでお互いの内面を知り、演技プランを立てて…という感じではなく、最初に出会ったときの空気感のまま美流と大輝を演じられたように思います。

宮沢:僕はモデルとして活躍されている姿や、他の作品でも活躍を拝見していたので、ティナさんにはお会いする前からキラキラしている印象を持っていました。撮影中、ある役者さんに、ティナさんと僕が同じ画面に映ると一気に洋画っぽくなる力があると言ってもらえ、嬉しかったです。でもそれは、ティナさんが持っている雰囲気がそう思わせるんだろうなって思いましたね。


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——今回、宮沢さんが演じた矢野大輝と、玉城さんが演じた美流という役はそれぞれかなり個性的な役でしたが、どんなところに気を付けて演じられたのでしょうか?

宮沢:僕が演じた矢野大輝という役は、登場からなかなか印象的なキャラクターだったかと思います。一見、人生を諦めていて希望がないように見えるものの、本当はどこかで「生きたい」、こんな世の中でも「希望を持っていたい」という気持ちがある役でした。役作りに関しては監督にアドバイスをいただき、目の芝居に気を付けました。人生を諦めている人の目は濁っていて輝きがないと思うのですが、矢野はかすかに目の奥に輝きが残っていて、さらに美流に出会ったことでどんどんその輝きが蘇ってくる人物になるよう演じました。

玉城:私は美流を演じるにあたり、役を理解してから演じるというよりは、まずは演じてみて、自分がどういう感覚になるかというところを大事にしました。作品の中で暴力をふるわれるシーンが多かったのですが、いじめたくなるような生意気そうな目や雰囲気、どうしようもない弱さみたいなものが出せたらいいなと思いました。


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——宮沢さんも玉城さんもかなりハードな役柄でしたが、撮影が終わってから役を引きずってしまうようなことはなかったですか?

宮沢:僕はまったくなかったですね。というのも、演じた矢野大輝というキャラクターがあまりにも今の自分とかけ離れた極端なキャラクターだったので、メイクを落とした瞬間からすぐに自分に戻ることができました。どちらかというと自分に近い役のときのほうが引きずるタイプです。

玉城:私の場合、美流という役の髪色が奇抜だったのでオフのときに自然とメイクが濃くなってしまったり、撮影中はなんとなく引きずられてしまったりする部分があったかもしれません。でも、撮影が終わった瞬間に「終わった!」とホッとすると同時に、自分自身に戻れました。

西島秀俊や大森南朋ら、先輩俳優から学んだこと





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——撮影中、監督とのやり取りで印象に残っているところがあれば教えてください。

玉城:私は美流という役を演じることが決まって、監督とはじめてお話させてもらったときにある程度、キャラクターの方向性が同じ感覚だなと思っていたので、一つひとつ質問しながらすすめるという感じではなく、撮影中はまかせてもらえました。でもたまに心配になって「大丈夫ですか?」とは確認していましたね(笑)。監督からはその都度、「大丈夫」って言ってもらえていたので、クランクアップまで演じ切ることができました。

宮沢:僕の場合も「こうしてほしい」という要望みたいのがあったわけではなく、自由に演じさせてもらえました。でも唯一、大きな声で叫ぶシーンがあるのですが、そこだけは監督なりのこだわりがあったようで厳しかったですね。




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——今回の作品は豪華なキャスト陣も話題ですが、西島秀俊さんや大森南朋さんなど、先輩の役者さんたちの存在はお2人にどのように映っていましたか?

宮沢:僕は大森南朋さん、西島秀俊さんとの共演シーンが多かったのですが、カメラが回っているときとそうでないときの集中力の切り替えが職人に近いように感じ、勉強になりました。撮影が終わったあとも「じゃ、また明日」と、さっと帰られ、終始皆さんの立ち振る舞いがかっこいいなと感じました。

玉城:私は出演者の中で年齢も若く、メインのシーンでは女性一人だったので現場で緊張していたのですが、皆さんが結構自由で否定されない雰囲気があったのでその空気感に助けられました。演技していく中で迷うこともありましたが、先輩方の中で邪魔せず、美流を演じることができたらなと思っていました。

撮影中は究極のMになっていた(玉城)


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——完成された作品をご覧になってどんな印象を受けられましたか?

玉城:私は撮影中もモニターのチェックをしていなかったので、完成した作品をスクリーンで観て「こういう感じになっているんだ!」と衝撃を受けました。群像劇としてそれぞれのキャラクターがしっかり描かれていたので、脚本だけでは突き詰められなかったところも明確になりました。全体的にもっと暗い感じになるのかなとも思っていたのですが、差し色や派手な演出でポップな印象もありました。美流が銃を初めて持つシーンもかっこよく映っていたので嬉しかったです。

宮沢:繊細な人間関係を描いているところがあったかと思えば、画的に派手なシーンもあり「頭で考える部分」と、「ビジュアルで考える部分」があります。そのバランスが作品全体にメリハリを与えています。そして、観終わったあとは肩の荷が下りるというか、スカッとする作品に仕上がっているなと感じました。また僕は初めて完成した作品を観たとき、自分の演じた大輝を追って観ましたが、2回目は別のキャラクターに感情移入ができました。だから観るときの精神状態で印象が違うと思うので、何回観ても面白いと思います。


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——撮影中、大変さを感じたところはどのシーンでしたか?

宮沢:演じるうえで大変さはあまり感じませんでした。強いてあげるならば、大森南朋さんと観覧車に乗るシーンがあったのですが、頂上になる手前から撮り始め、降りてくるタイミングで会話が終わるようにするところは大変でした。監督的には朝日が上がってくるタイミングでそのシーンを撮影したかったようなのですが、最初は曇って撮れなかったのですが、撮影が一通り終わったタイミングで朝日が出てきたので「もう一回!」ってなり、また観覧車に乗るということがありました。

玉城:私は撮影中、究極のMになっていたので全体的に大変だとは感じませんでした。感情が正常でない状態にあったので大丈夫でした。でも、血のりは大変でしたね(笑)。


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——最後になります。これから作品をご覧になる方たちにメッセージをお願いいたします。

玉城:この映画は良い意味でメッセージ性が統一されていないので観た人の性別、年齢など環境によっても感じ方も違うと思います。だからこそ、いろんな層の方にフラットな感情で観ていただきたいです。そして、観終わったあとにみなさんで意見交換をしてもらえたら演じた私たちも嬉しく思います。

宮沢:登場人物が細かく、そして興味深く描かれている作品です。観ている人によっては感情移入する人物が違うかもしれませんが、その感覚を楽しんでいただければなと思います。
また、作品に答えがあるわけではないので、観終わった後に「自分はこう思う!」と感じたことを素直に自分に落とし込んでもらいたいです。そこからいろんな人と共有すれば、新しい発見があったり、それぞれの感じ方の違いを知れたりするので、さらに楽しめるのではないかなと思います。


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(撮影=Marco Perboni/取材・文=駒子)

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