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2022年09月15日

「六本木クラス」11話:「好きって言ってよ」優香(新木優子)の切ない叫び……新(竹内涼真)が選ぶのは?

「六本木クラス」11話:「好きって言ってよ」優香(新木優子)の切ない叫び……新(竹内涼真)が選ぶのは?



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竹内涼真主演、テレビ朝日系列木曜ドラマ「六本木クラス」が2022年7月7日より放送スタート。

Netflixで配信されるや否や、日本でも大人気となった韓国ドラマ「梨泰院クラス」のジャパンリメイクとなる本作。主人公・宮部新を竹内涼真、初恋の相手・楠木優香を新木優子、新が経営する居酒屋のスタッフ・麻宮葵を平手友梨奈が演じる。

本記事では、第11話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「六本木クラス」第11話レビュー

優香(新木優子)と龍二(鈴鹿央士)は、これまで筆者が見てきたなかでも最強に不憫なキャラクターの上位に入る。

高校入学早々、絶対的権力を持つクラスのいじめっ子に歯向かい、存在感を見せつけた新(竹内涼真)に惚れられた優香。イケメン高身長な彼を早々に射止めた彼女は、従来の物語における”王道”を行くなら完璧にヒロイン枠である。牢屋(長屋)に閉じ込められた姫は、助けに来る王子を待つばかりだ。

しかし、まさか第二のヒロインが現れようとは。「新は私のことが好きなの」と啖呵を切ったのも束の間、牢屋であれこれと苦戦している間に、いつの間にか新のなかの優先順位は明らかに変わってしまったのである。

龍二についても、状況は似たようなものだ。

ニューヨークから転校してきた壮絶に可愛い葵(平手友梨奈)に恋をし、どれだけワガママに振り回されても役得とばかりに受け入れていた。彼女を追って因縁のある場所でバイトまで始めるほどの熱の入れようである(新と長屋にまつわる背景を知らなかったからだが)。

葵の「私を手に入れたくなったら長屋を継いで」を間に受け、ただ彼女を手に入れるためだけに、かつての仲間を完全に敵にまわすことまでした。その結果、彼の手に残ったものは何だったのか?

相手を思う気持ちは変わらないはずなのに、すべてが裏目に出て、空回りするばかり。不憫で仕方ない二大キャラクターである。

それぞれ、己の正義に則って行動しただけなのだが、それがまた切ない。求めれば求めるほど、新と葵は互いの価値とかけがえのなさに気づくのである。

今話のラストシーン。新と優香がバーで飲んでいる最中、彼女が口にした「好きって言ってよ」は、このドラマ史上もっとも切ないセリフに入るかもしれない。

新が社長のRCはフランチャイズ化を成功させ、ますます勢いをつけ、余命わずかな長屋会長(香川照之)率いる長屋にグングンと迫る勢いだ。新は公私ともにますます葵の魅力に惹かれることになる。それに伴い、優香と龍二の苦しみも増すことに……。

この循環を在るべき場所へ戻すのは、やはり新の下す決断にかかっているのかもしれない。果たして、彼は優香と葵、どちらを選ぶのか?

(文:北村有)


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