「テッパチ!」9話:一歩ずつ全身する男たちの背中、彼らが見据える未来とは



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町田啓太主演フジテレビ系ドラマ「テッパチ!」が2022年7月6日より放送スタート。

陸上自衛隊を舞台にした本作は、町田啓太演じる主人公・国生宙を含めた自衛隊候補生たちの熱き青春と成長を描いた物語。佐野勇斗や佐藤寛太など次世代を背負う若手役者が多数出演することでも話題を呼んでいる。

本記事では、第9話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「テッパチ!」第9話レビュー

冒頭からウィキペディア引用で恐縮だが、「現代の調査では95%の人が先延ばしをすることを認めており、また過去40年間で先延ばしが自身の性格特徴だと認める人が急増している」らしい。自分にとって大事なこと、必要なことだと思うほど、着手するのを遅らせたい願望が人にはあるのだろうか。

宙(町田啓太)、そして馬場(佐野勇斗)にとっても、決して無視できない”人生のテーマ”がある。宙にとってはラグビー、そして馬場にとっては音楽だ。

監督からどれだけラグビー部に誘われても「やりたくないもんはやりたくない」と頑なな宙。しかし、桜間(白石麻衣)に誘われラグビーの練習試合を見に行ったときの彼は、ジャッカルについて熱く語るラグビー愛を見せた。

以前、宙の監督不行き届きでケガをさせてしまった柴山(水沢林太郎)について「ラグビーから逃げているあなたが、彼に再起しろと言えるのか」と言われたことも、大きかっただろう。過去のトラウマから逃げ、見てみぬふりをしてきた宙にとって、ついに”先延ばし”をやめるタイミングが訪れたと言える。

馬場も、八女(北村一輝)からの紹介で、音楽隊員と会うことになった。

音楽隊に入れるのは、8割が音大出身者。馬場のように部活のみの経験者はたったの2割と聞き、怖気付いてしまう。しかし、紹介してもらった音楽隊員自身も部活のみの経験者であり「確かに狭き門だけど、諦めなかったから入隊できた」と馬場を強く励ました。

宙も馬場も、なんとなく見ないふりをして、だけど確実に心の底にあった”願望”に対して、目を向けようとしている。

それは先輩隊員である風間(工藤阿須加)も例外ではなかった。隊員のために合コンをセッティングし、休日になると女性とデートに出かけ、少々”自衛官らしくない”姿勢が目立っていた風間。

しかし、彼は合間を縫って柔道場に通い、さらに強くなるため鍛錬を重ねていた。それは兼ねてからの夢である”警務隊入隊”を果たすためだった。

越えられない壁かもしれないが、努力を惜しまず夢に向かって努力し続ける彼らは、確かに”未来”を見据えている。

(文:北村有)


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