「鎌倉殿の13人」第36話:生き抜いた畠山重忠。「戦など誰がしたいと思うか」
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2022年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人」。三谷幸喜 脚本×小栗旬 主演で描く北条義時の物語。三谷幸喜曰く「吾妻鏡」を原作としており、そこに記されきれていない部分を想像と創作で補い、唯一無二のエンターテイメント大作に仕上げているという。
本記事では、第36話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「鎌倉殿の13人」第36話レビュー
どうしてこんなことになってしまうのだろう。
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謀反人とされた畠山重忠(中川大志)。
執権・時政(坂東彌十郎)の命のもと、義時(小栗旬)を大将に、三浦義村(山本耕史)、和田義盛(横田栄司)らが兵を率いて畠山討伐に動く。
本来ならば、避けられた戦だった。
もはや、時政……とりく(宮沢りえ)の暴走である。畠山家は何も悪くない。そもそも、りくは重忠をよく思っていなかったということもあるだろう。
重忠が実朝(柿澤勇人)と話せるように義時が取り計らうが、重忠の息子・重保(杉田雷鱗)が討たれたことでそれも叶わくなる。
大将となった義時は、せめて最後にもう一度説得を、と試みる。使者に立ったのは、和田義盛だった。
反発し合うことも多い2人だったが、似たところもある2人。
畠山討伐に、難色を示したのも義盛だった。時政たちが言っていることは分かるが、心のどこかで「どうして重忠が討たれなければならないんだろう?」という思いもあるのだろう。
説得できなければ、「そのときは腕相撲で勝負してみようと思う」と大真面目に義時たちに言うところがおかしくて、悲しい。
説得に来た義盛と、重忠は穏やかに言葉を交わす。
やがて重忠は叫ぶ。
「戦など誰がしたいと思うか!」
それでも戦をするのは、伝えなければならないことがあるから。
そんな重忠に、義盛は「もうちょっと生きようぜ。楽しいこともあるぞ」と言うのが悲しすぎる。
説得できなかったから、腕相撲をしようとする義盛に「腕相撲は、しない」と重忠が言うのも悲しい。
だって、次に義盛が何を言うかわかるほど、一緒の時間を過ごしてきたのだから。
(だからこそ、義盛がどういう戦法をとるのかわかってしまっているわけだけれど……)
畠山重忠の乱。
最後は重忠と義時の一騎打ちだった。
泥臭く、殴り合う。
重忠は義時を討てただろう。しかし、しなかった。
義時にはまだやることがあるのだと、重忠は分かっていたから。
義時がやらねばならないことの重さを伝えるために、戦をしたようにも思う。
そして、畠山家の誇りのために。
前回からの中川大志の気迫がすさまじい。
涼し気な表情をゆがませて、怒りをこぼれさせ、拳を、刀を振るう。
これまで、静かな佇まい、穏やか微笑んできた姿があったからこその衝撃。
義時を殴り倒し、馬に乗って立ち去る姿、表情は形容しがたい美しさがあった。
忘れられないシーンを目にしてしまった。
そして、義時の目からこぼれる涙。
戦いを目にした泰時(坂口健太郎)は何を思ったか。
この重忠の死が、時政を追い詰めていくことになる。
御家人たちは、重忠の潔白を信じている。そして、重忠の戦いの様が潔白を証明していた。
時政は、重忠の首を確認することもしなかった。いや、できなかった。
その瞬間に、義時は時政を見限ったのかもしれない。
これが、「北条義時」の完成か。
(文:ふくだりょうこ)
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