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2022年09月03日

「石子と羽男」第8話:私たちには知られない権利があってもいいはずだ。

「石子と羽男」第8話:私たちには知られない権利があってもいいはずだ。



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有村架純と中村倫也のW主演ドラマ「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」が2022年7月8日スタートした。

本作は、誰にでも起こりうる珍トラブルに正反対のようでどこか似た者同士の“石羽コンビ”が向き合っていく姿を描いた異色のリーガルエンターテインメント。4回司法試験に落ちた崖っぷち東大卒のパラリーガル・石田硝子(いしだ・しょうこ)を有村架純が、司法試験予備試験と司法試験に1回で合格した高卒の弁護士・羽根岡佳男(はねおか・よしお)を中村倫也が演じる。


本記事では、第8話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」第8話レビュー


今回の事案は「ウェブサイト情報削除請求」。

依頼をしてきたのは創作料理店の店主・香山(梶原善)。隠れ家を売りにしているのにグルメサイトに口コミが掲載されてしまい、新規の客が押し寄せているのだ。これでは思っているようなサービスが提供できない、と掲載の取り消しを求めてサイトの運営会社を訴えたい……というものだ。

運営会社の顧問弁護士は羽男(中村倫也)の因縁の相手、丹澤(宮野真守)。掲載の取り消しを求めるが、拒否されてしまい、裁判を余儀なくされる。

調べていくうちに分かったのは、実はサイトに口コミを書き込んだのは元バイトであること、香山は息子夫婦と仲が悪いこと。仲が悪い理由は、母、つまり香山の妻。香山がサービスをしすぎて売上はそんなに多くなかったが、それを香山の妻が支えていた。息子は香山がそんな稼ぎにならないような店の経営の仕方をしているのが悪いのだ、母は父のせいで死んだようなものだ……と思っていたのだ。
自身の境遇と似ていることに、石子(有村架純)の表情が曇る。

そして書き込みをしたのは、元バイトと息子の妻の店が繁盛してほしい、という思いからだった。が、書き込みの申請削除はできるが、店の情報自体は削除できない。どうにか裁判に持ち込まずに解決できないかと考えていた羽男だったが、丹澤は裁判の勝利には自信があるようで……。

正攻法では勝てない。そこで石子(有村架純)と羽男が考えたのは「負けるが勝ち」作戦。
香山のように、自分の店の口コミを掲載しないでほしい、という店主も多い。羽男が訴えたのは「知る権利があるように、知られない権利もある」ということ。もちろん、丹澤は反論。丹澤の勝利は揺るがないが、グルメサイトの運営側としてはイメージも大事だ。判決が出る前に、運営側はサイトから香山の店の情報を削除することを受け入れた。

物語の結末、明らかになったのは、香山の店を最初にやろうと言い出したのは妻であったこと。証券会社で働き詰めだった香山が楽しく仕事ができるように。そんな想いを知った息子夫婦と香山は家族として再びやり直せることとなった。

また石子にも心境の変化が。香山家と似た境遇で、父の潮(さだまさし)を心のどこかで許せずにいた。頑なだった心がようやくほどける。それも、羽男のアシストがあったから、ではあるが……。

石子と羽男のコンビネーションがよくなっているだけではなく、互いへの理解度も深まっているのだなあ、という印象。

そんな中、羽男の父が現れて、別の弁護士事務所へ移籍することをにおわせる。
また大庭(赤楚衛二)が放火の容疑で逮捕され……終盤にかけて、まだまだ見逃せない展開が続く。

それにしても、梶原善さんが包丁を持っていると別のドラマを思い出してゾッとしますね……。

(文:ふくだりょうこ)

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