「六本木クラス」13話(最終回):復讐劇フィナーレ!それぞれが定めた幸せの道へ



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竹内涼真主演、テレビ朝日系列木曜ドラマ「六本木クラス」が2022年7月7日より放送スタート。

Netflixで配信されるや否や、日本でも大人気となった韓国ドラマ「梨泰院クラス」のジャパンリメイクとなる本作。主人公・宮部新を竹内涼真、初恋の相手・楠木優香を新木優子、新が経営する居酒屋のスタッフ・麻宮葵を平手友梨奈が演じる。

本記事では、第13話(最終回)をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「六本木クラス」第13話レビュー

拉致された葵(平手友梨奈)を助け出すため、龍二(鈴鹿央士)とともにいるであろう居場所を探る新(竹内涼真)と亮太(中尾明慶)。龍河(早乙女太一)からのメールによると、長屋会長(香川照之)がそれを握っているらしい。

龍河はなぜ、わざわざ自分から新たちを誘い出すような真似をしたのか? 憎き相手である新が、心底大切に思っているらしい葵を痛めつけることで、憂さ晴らしをしようとしたのがひとつ。そして、最後の最後で父親が自分をどう扱うかを試したかったのだろう。一度こっぴどく裏切られてはいるけれど、父親のおかげで地位を築いてきた龍河にとって、裏切りは死にも等しい。

長屋会長は、新に土下座をさせたのと引き換えに、龍河の居場所=葵の監禁場所を知らせた。葵のためなら、土下座なんて「何千回でも、何万回でもできる」と言った通り、実に新らしい決断に満ちたシーンだった。

長屋会長は、新に土下座させたことで、心から「痛快」だっただろうか? あっけなさ、虚しさ、やるせなさ……さまざまな思いが去来したことだろう。余命わずかな自身を省みながら、これまでの長い年月を振り返り、力が抜けたに違いない。

その後、葵や龍二は無事に助け出される。龍河をはじめ、元は亮太と同じ釜の飯を食らった輩たちと散々やりあう羽目になり、新も満身創痍だったが……。やっと再会できた葵の顔を見て「これからは幸せになろう」と静かに心に決める場面は、見ていて思わず息をのんでしまうほどだった。

十年以上もかけた長い復讐劇も、怒涛のフィナーレだ。

優香(新木優子)が長屋の不正をリーク。それにより、株価が暴落したタイミングを狙って新が買収を決める。その後の経営は相川専務(稲森いずみ)に託されることとなった。遠回りはしたが、結果的には計画していた通りの復讐がかなったことになる。

最後に二代目みやべを訪れ、新の温情を願い土下座してみせようとする長屋会長だったが……「今のあなたが土下座をしても、何の価値もありませんよ」と辛辣に突き放す姿は、厳しいなかにも少しの情が垣間見えたような気がする。

優香は心機一転「自分のために生きることに」。新しい店をオープンさせ、まさに第二の人生に繰り出すことを決めた。龍二はアメリカ行きを決断。最後に受けた葵からのハグと謝罪の言葉が、彼にとっての活力になることを願う。

またもや刑に服することになった龍河の救済は、ついに描かれないまま終わってしまったが……。この物語を勧善懲悪とみなすなら、悪は悪のまま、然るべき罰を負ったと捉えるべきだろう。

そして、ついに互いの思いが結ばれた新と葵。今後も二人の生活は続き、良いことも悪いことも起こるだろうが、これだけのことを乗り越えた彼らなら強く生き抜くだろうと思えてならない。

復讐劇は閉幕、それぞれが定めた幸せの道へ歩き出していく。どうか「幸せになって」と願うばかりだ。肉体的にも精神的にもつらい撮影が続いたであろう、キャスト陣に敬意の気持ちを表し、最終回のレビューとしたい。

(文:北村有)


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