<Snow Man 挑戦し続ける姿>2ndアルバム「Snow Labo. S2」徹底レビュー




Snow Manの2ndアルバム「Snow Labo. S2」が2022年9月21日に発売された。
初日売り上げ66.5万枚となり、前作「Snow Mania S1」の初日売上62.0万を抜いただけでなく、2022年のアルバム初日売り上げも1位となった。また初週売り上げは89.1万枚となり、2022年度のアルバム最多初週セールスを更新した。

本記事では、このアルバムの全曲レビューと各盤特典のレビュー、さらにデビュー3年目となっても挑戦し結果を出し続けるSnow Man についての考察をお伝えしたい。

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メンバーそれぞれが1曲ずつ選曲した実験的な作品



「Snow Labo. S2」の注目ポイントは、なんといっても各メンバーがそれぞれ1ジャンルを担当し、数曲にしぼった中からメンバーにプレゼンして曲を決めているところ。担当制にしたことで、よりそれぞれの曲にこだわりを入れられたという。まさしくタイトルにあるLabo(研究所)にふさわしい作品だ。

ファンとしては彼らの2枚目のアルバムというだけでもとても楽しみだ。それだけでなく、メンバーの曲選びに込めた思いや決定までのエピソードが明かされていく様子を知れて、何倍も楽しませてもらっている気持ちだ。

本当にバラエティーに富んだ楽曲だし、メンバーのさまざまなスキルに圧倒されるアルバムでもある。それぞれの推し3曲や好きなフレーズベスト5などを話したりしても楽しめそうだ。

1.ブラザービート(6thシングル)



主演映画『おそ松さん』の主題歌となった「ブラザービート」。さまざまな新しくて楽しい要素がてんこ盛りだし、カラフルでポップなMVも楽しかった。約半年前だがすでに結構前のことに感じるし、インパクトあるこの曲を出した後(「オレンジkiss」は王道ラブソングだったので)アルバムリード曲でさらにインパクトを上書きしたSnow Man、素晴らしいし攻めてるなぁ。

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2.JUICY(宮舘涼太セレクト)



アルバムのリード曲として先行で発表され、歌番組でも披露されている「JUICY」。もうかっこいいし他にない雰囲気だしメンバーのビジュも衣装もいいし最高すぎる。前作のリード曲も最高だったので、まだ2枚目だけどSnow Manのアルバムリード曲に外れ無しと言いたい。

なんと当初は「JUICY」がリード曲の予定ではなかったようなのだ。それでも全体を聴いたときに「リード曲はこの曲がいい」とメンバーの意見が一致し、スタッフに提出して通ったらしい。メンバーがより良いもの作りに妥協せず、希望を受け入れる度量がスタッフ側にあるからこそ、素晴らしい作品作りが実現するのかもしれない。

きっと3枚目以降も、こちらの期待を超えてくれると期待している、というより信じている。Snow Man、そしてチームSnow Man 、信じられる……! 

というか宮舘くんのチョイス、本当に天才。どの曲も好きだけど、この曲の中毒性はすごい。「JUICY」が発表されてから1か月半ほど経ち、イントロにはすでに懐かしさというか安心感も感じる一方で、全く飽きずにずっと新鮮な魅力を届けてくれる。

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3.Tic Tac Toe(ラウールセレクト)

冒頭だけ雰囲気が違う向井康二のフェイクから不穏な感じの曲調に変わり、ラウールのラップ・佐久間の遠吠えで始まる「Tic Tac Toe」。彼らのYouTubeで話題になった人狼や、満月の夜を連想する雰囲気だ。

この曲の、ホーンテッドマンション感(伝わるだろうか)というか、ハロウィンパレード感というか、どんどん盛り上がっていく感じがいい。打楽器の入るタイミングが印象的で、サビ前の盛り上がるところなどは、個人的には「Make It Hot」っぽさもあるなと思っている。 

かっこいいラップのような掛け合いや綺麗な声で歌い上げるところが混在していて、1曲の中にいろんな要素が詰まっている。Bメロの宮舘&佐久間や深澤&渡辺など、2人の掛け合いがセットになっているあたりもいい。

歌割がとても斬新で、1番を宮舘・佐久間・向井・ラウールの4人、2番を岩本・深澤・渡辺・阿部・目黒の5人と、1番と2番で歌うメンバーを完全に分けている。選曲したラウールはライブでの見せ方でも挑戦していると言っており、この歌割りがどうパフォーマンスに生きるのか、非常に楽しみだ。

終盤の目黒→阿部→岩本→渡辺と英詞で一言ずつ歌って盛り上がっていくところが最高にかっこいい。そして終盤の翔太くんのフェイク無双もたまらん。

4.Toxic Girl(阿部亮平セレクト)

「Ha ha!……」から始まる佐久間の歌い出しで、「Tic Tac Toe」の遠吠えといい、歌声の面でも彼の飛び道具の多さに感心してしまう。以降もメンバーによる、かけ声のような合いの手が「Toxic Girl」のかっこいいポイントのひとつだと思う。複雑だからこそかっこよくキメるのが難しいと思うが、メンバー全員がこういったキメをできるところも、Snow Manの強みだと思う。スクラッチ音のようなラップもいいなぁ。

大サビの前に曲調が変わるところのメロディーも印象的で、かっこいいの連続だったところにドラマティックな要素が差し込まれたようで聴き入ってしまう。個人的に、「Tic Tac Toe」→「Toxic Girl」の流れが最高に好きだ。

5.ミッドナイト・トレンディ(岩本照セレクト)

90年代のドラマやアニメの主題歌のような(どちらかというとエンディング?)懐かしさがある「ミッドナイト・トレンディ」は、夜の高速をドライブしながら聴きたい曲だ。(歌詞に引っ張られた感想だけど)

Bメロの掛け合いになっている部分や、サビのさまざまな組み合わせのハモリ、大サビの超高音など、さまざまな歌声のバリエーションを楽しめる曲でもある。

歌詞には「別れの曲なのかな?」という描写がある一方で、終盤「別れずに寄り添えたのかも」と思わせるような部分もあり、主人公の2人の今後が気になる。

6.Secret Touch(5thシングル)

昨年2021年10月期に放送された、目黒蓮のW主演ドラマ「消えた初恋」主題歌の「Secret Touch」。すでに懐かしさすら感じるが、アルバムのこの位置に入ることで、あらためてこの曲の良さに気づく気がする。クセ強めの曲の畳みかけに盛り上がった後で流れるこの曲のメロディーに、心が洗われるようだ。

「消えた初恋」は目黒がデビュー後に初めて出演した連続ドラマで、なにわ男子道枝駿佑との共演も話題になった。ちょうど1年後となるこの秋10月から木曜22時のフジテレビ「silent」に主人公の相手役での出演が決定しているほか、朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」への出演が決定。メインビジュアルに入る重要な役を演じる映画『月の満ち欠け』が12月に公開予定。さらに来年公開の映画『わたしの幸せな結婚』で主演と、俳優としての活躍が目覚ましい。そんな彼の活躍を思いながら聴くのも感慨深い一曲だ。

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7.Brand New Smile



ここから明るい曲ゾーン! 不二家のCMソングとなっている「Brand New Smile」。曲調はポップで明るいのだが、歌詞には強いメッセージが込められている。不二家のブランドキャラクターを務めて3年目となるが、CM曲がいつも商品にぴったりな雰囲気であると同時に、Snow Manらしくもあるメッセージのこもった楽曲になっているところが素敵だなと思う。

「ネガティブを捨ててプラス思考で、そのままの自分でいいから一緒に前を向いて行こう」といったエールに満ちた楽曲だ。落ち込んだときにあらためて聴きたい。大サビ前の宮舘くん「弱音吐いてもいいじゃん」康二くん「いつか過去も笑い話さ」というところがとても良い。弱音を吐かなそうな宮舘くんがここを優しい声で歌うの、なんだかくるものがある。好きなフレーズをたくさん見つけられる曲だ。

8.BOOM BOOM LIGHT(向井康二セレクト)

「BOOM BOOM LIGHT」は盛り上がりそうで、ライブでタオルをまわしたくなるような曲だ。メンバーが楽しそうにわちゃわちゃする様子が今から目に浮かぶ。

声を出していいご時世だったら一緒に「Hey」とか「Wow」のところでコール&レスポンスができたのかもな……と思って聴きながら歌詞をあらためて見ると、まさしくライブのことを歌っている曲だ。

「お一人様いいんですか? いいんですよ girl(yes)推しであればウェルカムだから」「なんでもいいさ、感じるままに身振り手振り」という気遣いの歌詞や、「心の声響かせようよ」「ホントは叫びたい」「そんなこの瞬間もぼくらの時代の、そう history」とこのご時世のこと、そして「後悔させない」「信じていいよって」と自分たちの気持ちも歌っていて、メンバーのファンへの思いやりが伝わってくる曲だ。

いつか声出しがOKになって、「BOOM BOOM LIGHT」の歌詞を懐かしく思いながら盛り上がれる日がきてほしい。いや、きっとくるはずだ。

9.キッタキッテナイ(佐久間大介セレクト)



出ました、ネタ枠トンチキソング!(?)「キッタキッテナイ」
みたいな曲大好き。
Snow Man、なぜこうも女の子に振り回される曲が多いのか。というか主人公、君彼3部作の主人公と同じ人なんだろうかと思ってしまった(笑)。公式YouTubeにアップされた動画は、Rec Ver.と言いつつメンバーのコミカルな表情が楽しい。

思わせぶりな女の子も女の子なんだが、主人公もちょっと謎だ。途中まで完全に付き合ってる同士の話かと思ったら、終盤で付き合ってないことが判明して驚愕した。少し一方的に盛り上がりすぎな気もするけど、片思いってそんなものかも。「元カレでも I love you」はさすがに意味がわからなくてもはやうける。落ち着いてほしい。

ちなみに「Thinking time, Here we go!」のボイス部分は宮舘くん固定でめちゃくちゃイケボでぴったりだ。個人的にRADIO FISH「PERFECT HUMAN」の中田敦彦ことあっちゃんの「I'm a perfect human.」のところを思い出した。

サビ部分が「(前髪)切ってない」「(話を)聞いてない」「(元カレと)切れてない」と毎回ちょっと変わり、主人公の状況も変わっていく(しかし毎回振り回されている)のもいい。

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10.Movin’ up(深澤辰哉セレクト)

「Movin’ up」、これはまたかっこいい曲……! ダンスナンバーということで選ばれたというこの曲、バッチバチにかっこいい曲なだけでなく、歌詞の泥臭さにも注目だ。Snow Manがデビュー曲「D.D.」から一貫してたびたび歌っている「テッペンをとる」「より上を目指す」という決意をあらためて表したような内容になっている。

「本当の敵は自分自身だろう?」「まだまだ足りないな 目指す先へ」「Skill で捩じ伏せる」「もう下見てる暇ねぇ」など、歌詞がひたすらかっこいい。現状に満足せず、上を目指し続けるSnow Man だから好きなんだと思うし、この曲を作り込んだ深澤くん、さすがだなと思う。

おそらく全員で声を揃える「Click clack! BANG! BANG! BANG! BANG!」のところがかっこよくて、ライブではここで火柱が上がってほしい感じの盛り上がり。個人的には「Cry out」っぽいかっこよさがあると思う(そして「Cry out」も音源&映像化してほしい)。

振り付けは我らがリーダー・岩本照がつける予定だそうなので、披露される日が楽しみだ。

11.This is LOVE(渡辺翔太セレクト)

「This is LOVE」はさわやかで優しい曲。ここまでおしゃれ・かっこいい・元気・かわいいなどさまざまな顔を見せてきた後でこういう王道ジャニーズ曲を聴かせてくれるのもまたいいなぁ。

この曲の作詞作曲編曲を担当する天才凡人のSHIMADAさんは、同アルバムではほかに「BOOM BOOM LIGHT」「Movin' up」の作曲編曲、過去には3rdシングル「Grandeur」の作詞作曲編曲も担当している。

すでにジャニーズに多くの曲を提供している方ではあるが、Snow Manに提供してもらっている曲だけでもどれも全然テイストが違うことに驚く。まずはアルバム曲を聞き込みたいが、今後どんな楽曲でご一緒するのかも楽しみだ。

12.ボクとキミと(目黒蓮セレクト)



泣きのバラード曲にしたいということで、目黒くんが以前から好きだというC&Kさんに作詞を依頼したという「ボクとキミと」。月並みな感想になってしまうが、むちゃくちゃいい曲だ。

アルバム曲だがMVも作られ、メンバーの泣き顔・笑顔それぞれの表情に吸い込まれそうになる。ものすごくアップになる場面が多いのだが、みんな美しいなぁ……とあらためて思う。もちろんもともとの作りもあるだろうけど、なんだか魂が美しい感じ、楽曲に対して誠実な感じが伝わってくると思った。風になびくように、軽い素材感の衣装も注目ポイントなのだそう。

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