「舞いあがれ!」第18回:40代が大学生を演じることよりも気がかりな点とは……
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2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。
本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。
本記事では、第18回をライター・木俣冬が紐解いていく。
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岩倉家の問題児の帰還
貴司(赤楚衛二)の家のお好み焼き店・うめづで、舞(福原遥)がお好み焼きに舌鼓を打っているところへ、兄・悠人(横山裕)がふらりと入って来ます。雪乃(くわばたりえ)に芸能人みたいと言われる悠人。横山さん、芸能人ですものね。
東京の大学(東大)に行って、家に全然連絡を入れない悠人。まずは、家に帰ろうと舞に引っ張られてしぶしぶ戻ります。
ふらっと戻ってきたわけはいい会社の内定が決まったかららしい。なんだかんだ言いながらも悪い息子ではないのです。お好み焼きを「最高」と食べたときの笑顔なんて実に素直でした。でも、浩太(高橋克典)の夢をもって働いている様子を批判します。
悠人は仕事に夢なんて必要ない主義。大事なのはお金。で、株を学んですでに2000万円貯めました。就職する前に早くも老後に必要な分をクリアーです。これからもっと増やしていくそうです。
超現実的な悠人と夢を大切にする浩太。
浩太は、悠人に大きな夢を持つことを教えたいと考えます。純粋な人ですねえ。
超現実的な悠人と夢を大切にする舞。
飛行機を作る夢をもって人力飛行機サークルに入った舞は、リブ作りから、フェアリング(発泡スチロールでコクピットを作る)の作業に移行します。
トレーニングから帰って来た由良(吉谷彩子)に「おつかれ」と言われ、にんまりする舞。すっかり由良先輩に憧れちゃっているようです。このときの福原さんの表情が絶妙にかわいい。
サークルは夢に向かう人達の気持ちが一丸となってなめらかな球体のようです。
まずは家に帰って心配する母親(めぐみ/永作博美)に顔を見せろと、雪乃がとても真っ当なことを言うことも合わせて、この世界には秩序があります。
自然の摂理と違うのは、大学生の悠人を40代の横山裕さんが演じていることです。
フィクションにはこのような現実とは違うけれど、みんなが了解して済ますことがあります。それをあえて、ツッコむやり方もありますが、「舞いあがれ!」ではあまりツッコむ気になりません。なぜかというと、おそらく、物語がスムースに流れていて、40代が大学生をやっていても、そういう裏のことが気にならず、物語に没頭できるのです。
横山さんがナチュラルだというのもあるでしょう。それと、前々作「カムカムエヴリバディ」ですでに深津絵里さんが40代後半で18歳を演じていたのでもう慣れたというのもあるでしょう。
それより気がかりなのは、悠人が株をやっていることです。2000万円を10倍にすることを目標にしているようですが、株は浮き沈みが激しいので、とても心配です。
あと気になるのは、舞の食べてるお好み焼きの乗ったお皿がきれい過ぎること。
【朝ドラ辞典 兄(あに)】主人公にはたいていきょうだい(兄姉弟妹)がいる。ヒロインと弟(「ちゅらさん」「おちょやん」「カムカムエヴリバディ」のひなた編)、ヒロインが三姉妹(「とと姉ちゃん」「まんぷく」「エール」)、ヒロインと姉(「あさが来た」)、ヒロインと妹(「おかえりモネ」)など、様々な家族構成がある。「舞いあがれ!」「ちむどんどん」「カムカムエヴリバディ」と3作続いて、兄が家庭に波風を立てることが続いている。「舞いあがれ!」の悠人は頭はいいが反抗的、「ちむどんどん」の兄・賢秀は借金ばかりしていて、「カムカム」ではラジオの窃盗や店の運転資金を持ち逃げした。でも朝ドラではどんなことがあっても家族の絆は強い。
関連用語:弟、姉、妹
(文:木俣冬)
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