インタビュー
白石和彌・西島秀俊『仮面ライダーBLACK SUN』対談|バイク秘話から変身への想い、お気に入り怪人までたっぷりと語る
白石和彌・西島秀俊『仮面ライダーBLACK SUN』対談|バイク秘話から変身への想い、お気に入り怪人までたっぷりと語る
——変身シーンをはじめ、特撮シーンは苦労も多かったのではないでしょうか?
白石:まずスタッフの人数が違いますからね。時間もすごくかかるし、やっぱり大変でした。でもせっかく仮面ライダーの監督をやらせていただいているのに、妥協は許されません。田口さんとともに、歯を食いしばりながら撮影したんですが、とにかく怪人の造型が素晴らしいんですよ。出来上がったものを見ても、本当にやれてよかったと思える、幸せな時間を頂戴しました。
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西島:僕は撮影チームのみなさんがこれまで蓄積されてきた特撮技術に助けられました。技術だけでなく、勘のようなものが含まれる経験値というんでしょうか。ここはCGで行こう、ここはリアルに撮影しよう、みたいな切り替えが的確なんですよ。まさに、50年の歴史が刻んできた日本の特撮技術! ハリウッドのCG技術で生まれるモンスターとはまた違う、日本ならではの怪人の魅力ってありますよね。どこかかわいらしいというか…。
白石:そうなんですよね(笑)。
西島:日本の怪人に共通する、不思議な愛らしさと、そして悲しさ…。
白石:うんうん。
西島:特撮でしか表現できないことってたくさんある。僕は本当にもう、特撮が大好きです!
——ちなみにお二人のお気に入り怪人は?
白石:どの怪人も好きなんですよ。スズメ怪人も好きなんですけど、1話で殺されちゃうハエ怪人とか…。
西島:あれもね~…!
白石:どの怪人もわが子のようにかわいいです。
西島:確かにどの怪人も好きなんですが、個人的には濱田岳くんが演じたクジラ怪人がかっこいいと思っています。
白石:へぇ~!
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西島:一匹狼的な感じがして、かっこいいんですよね。「岳くんやっぱかっこいいな~」って、何度も巻き戻して見ちゃいましたから! でも、変身するとかわいいんですよ(笑)。
白石:そうそう(笑)。
西島:こう手を前に出すシーンがあるんですけど、そこめちゃめちゃかわいいんで! 注目して見てもらいたいです!
白石:本当に細かいところも見てくれてますね(笑)。
——最後に本作ならではの見どころを教えてください。
白石:これまでの仮面ライダーシリーズの怪人としては最大級の敵が現れます。スケールというか、物理的にでかいです(笑)。戦闘シーンを撮るのは相当苦心しましたので、ぜひ楽しみにしていてもらいたいですね。
西島:あの撮影は本当に大変でしたよね。
白石:めっちゃ大変でした!
西島:今村力さん、樋口真嗣さん、藤原カクセイさんらが作り上げた美術や造型が本当に素晴らしくて。実際には映っていないようなところまで、作りこまれているんですよ。その美術チームの努力があってこそ、「人間と怪人が共存している世界」という設定に現実味がわいてくる。名前が出てこないような怪人もいっぱい出てくるし、映像のフレーム外から感じられる独特の世界観に浸ってもらいたいです。当然、その中に入っていく僕ら俳優も、相当な覚悟を持って臨みました。撮影現場でお芝居自体は一度見てるんだけど、出来上がった映像を見て、本当に感動したんです。どの役者さんも素晴らしい演技をしていて。実はもう何度目かわからないくらいに全編通して見返してます(笑)。
白石:そうだったんですね(笑)。
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西島:何度見ても感動するんです! 特に中村倫也くんが演じた信彦のカリスマ性は本当にすごくて。もともと信彦はカリスマなんだけど、それ以上に彼の演技がすごいんです。劇中でも、下級怪人たちが彼に魅了されていくんですが、実際の現場でももう若手俳優たちが「倫也さん!」「倫也さんはやっぱすごいっす!」「倫也さんについていきます!」みたいになっててね(笑)。それはやっぱり倫也くん自身が持っているカリスマ性によるものなんじゃないかと思いました。実際に対峙していても、本当に素晴らしいお芝居をするんです。最終回なんてもう本当にすごいんです。『仮面ライダーBLACK』ファンなら絶対に号泣すると思います! 楽しみにしていてください。
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白石:仮面ライダーの歴史に助けられているところもあると思いますが、西島さん、中村さんの力添えもあり、本当に素晴らしい作品になりました。本作は50周年記念作ですが、過去の50年を振り返るだけでなく、50年後の2072年に100周年を迎えたとき『仮面ライダーBLACK SUN』をまず見よう、そう思われる作品になるのではと思っています。すばらしいキャスト、スタッフの布陣によるものです。本当に感謝しています。
(撮影:大塚秀美、取材・文:NI+KITA)
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