奈緒の七変化を楽しめる作品“5選”|「ファーストペンギン」放送中!


見るたびに、違う“奈緒”がそこにいる。

2015年頃から役者としてのキャリアをスタートさせた彼女。やはり奈緒といえば「あなたの番です」の小野ちゃんを思い浮かべる方も多いだろう。しかし、あらためて彼女のキャリアを俯瞰して見ると、実に多彩なのである。

今年2022年には、民放ドラマ初の主演を務めるまでに。まさに七変化な出演作の一部を紹介したい。

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「ファーストペンギン!」で見せる堂々としたリーダーの姿

©Nippon Television Network Corporation

時代を率いる女性の姿を鮮烈に描き出してきた日テレ系列水曜ドラマ枠。2022年秋放送の「ファーストペンギン!」では、寂れた港町を復興すべく、荒くれ者の漁師たちのトップに立った女性・和佳(のどか)を、奈緒が生き生きと演じている。

離婚しシングルマザーになった和佳は、5歳の息子を連れ、縁もゆかりもない港町へ。職を見つけ、食べていくために、あれよあれよと流れのままに漁師団を率いる社長になってしまった。魚の魅力を知ってもらい、より多く売るために、と考案した直販システム。事業を安定させるためには、漁師たちの理解や漁協との兼ね合いを上手く取る必要があった。

長いものには巻かれない、良いと思ったものは採用、やると決めたらとことんやる。逆境を跳ねかえし、全力で行動し続ける和佳を演じる奈緒の表現力は、また新たな引き出しの存在を感じさせる。


「あな番」だけではない、奈緒の表現力とは。以下、奈緒の引き出しの多さを垣間見られる作品を“5つ”挙げる。

1. 事故物件 恐い間取り

(C)2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会

亀梨和也主演『事故物件 恐い間取り』は、芸人・松原タニシによるノンフィクション小説を映像化した作品。売れないお笑い芸人が、起死回生の一発として事故物件に住み、テレビ番組のネタとする。そんな実話を元につくられたホラー映画だ。

本作で奈緒が演じるのは、主人公・山野ヤマメ(亀梨和也)のファンの女性・小坂梓。解散直前のライブで会話を交わしたのをきっかけに、交流が始まる。メイクアップアーティストになる夢を叶えるため、アシスタントとして撮影現場に出入りするうちに、仲が深まっていく。

(C)2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会

このように書くと、あたかも甘酸っぱい恋愛映画のようだが、実態はしっかり怖いホラーだ。幼少期から幽霊が見える体質の梓は、ネタ探しのため事故物件に住むヤマメのサポートをするようになるが、いざ幽霊を目にした瞬間の演技がものすごい。過呼吸になってしまうのではないかと、心配になってしまうくらいである。

奈緒は『演じ屋』シリーズ(2019)や『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(2020)『劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班』(2021)など、ホラーやミステリー作品にも多く出演している。

2. 君は永遠にそいつらより若い

(C)「君は永遠にそいつらより若い」製作委員会

ミステリーとはまた違った奈緒が見られる作品として『君は永遠にそいつらより若い』を挙げたい。主人公・ホリガイ(佐久間由衣)とひょんなきっかけから出会う女子大生・イノギを演じている。

ホリガイとイノギは少しずつ独特の関係性を築き上げていく。その発端として、互いの“拭いきれない悲しい過去”を共有した事実がある。暴力でねじ伏せられたホリガイと、理不尽な目に遭って身体に消えない傷を負い、両親からも持て余されたイノギ。共振し合うように惹きつけられたふたりの間には、彼女たちにしかわからない言葉がある。そんな風に突きつけられる作品だ。

後に触れる『マイ・ブロークン・マリコ』(2022)でも、奈緒は重い過去を背負った影のある役柄を演じている。その深みは年々増しているように思えてならない。

3. マイ・ダディ

(C)2021「マイ・ダディ」製作委員会

ムロツヨシ主演の『マイ・ダディ』では、彼が演じる一男の妻・江津子を演じている奈緒。江津子は交通事故に遭い、すでに亡くなってしまっている。残された娘・ひかりが白血病に罹ったのをきっかけに、一男とひかりの間に親子関係がないことが判明する……といったあらすじだ。

現在放送中の「ファーストペンギン!」にも言えることだが、20代半ばにして母親役が堂に入っている。一般的に、母親になっていても不自然じゃない年齢ではあるだろう。しかし役者として母親を演じているのは、もう一回り上世代の役者が大半を占めている印象である。

奈緒が母親を演じていても、はたまた学生を演じていても、なんら違和感がない。彼女の引き出しの多さ、そして深さを痛感できる作品である。

4.TANG タング

©2015 DI ©2022 映画「TANG」製作委員会

一風変わった作品も紹介したい。二宮和也主演の『TANG タング』で奈緒が演じているのは、ロボットを研究する歴史学者・大槻凛。特殊な部品が使われているらしいロボットのタングを直すため、春日井健(二宮和也)が旅する先で出会う女性である。

©2015 DI ©2022 映画「TANG」製作委員会

作品を全体的に見ると、奈緒の出演シーンはわずかだ。しかし、そのインパクトは抜群。中国+近未来っぽさを兼ね備えた衣装も似合っている。タングが本来の姿を取り戻すため、必要なヒントをくれる重要な役回りだ。

これまで挙げてきた作品を見てもらえればわかるように、すでに奈緒は主演/脇役どちらをとっても独自の存在感を示せる役者になっている。「今後にも期待!」としつこく思ってしまうのは、実力ある役者だからこそだろう。

5. マイ・ブロークン・マリコ

(C)2022映画「マイ・ブロークン・マリコ」製作委員会

永野芽郁主演『マイ・ブロークン・マリコ』では、なんと奈緒演じるマリコは冒頭ですでに亡くなってしまっている。この物語は、シイノトモヨ(永野芽郁)が亡くなった親友・マリコのために、そして自分自身のために、“居場所を取り戻す”ロードムービーだ。

(C)2022映画「マイ・ブロークン・マリコ」製作委員会

重い過去を負っている役柄としては、『君は永遠にそいつらより若い』のイノギを彷彿とさせる。しかし、決定的に違う点がある。自ら生死を選びとる姿勢と、それ所以の生命力の希薄さである。
イノギは、物語終盤で地元に帰る選択をしたものの、生きることを選んだ。マリコは反対を選択し、最後までその理由は明かされない。ふたりのキャラクターは似て非なるものであり、この微妙なニュアンスを見事に演じきった奈緒の表現力には、恐るべしの一言である。



2023年には、映画『#マンホール』の公開も予定されている奈緒。年齢を重ねるごとに、ますます演じられる役の幅も増えていくだろう。今後が楽しみな役者のラインナップに入ってくること、間違いなしである。

(文:北村有)

■『事故物件 怖い間取り』配信サービス一覧




| 2020年 | 日本 | 111分 | (C)2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会|監督:中田秀夫|亀梨和也/奈緒/瀬戸康史/江口のりこ/MEGUMI/真魚/瀧川英次/木下ほうか/加藤諒/坂口涼太郎/中田クルミ/団長安田/クロちゃん/バービー/宇野祥平/高田純次/小手伸也/有野晋哉/濱口優

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