「舞いあがれ!」第44回:空間把握できない柏木、パイロットとして致命的では?
本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。
本記事では、第44回をライター・木俣冬が紐解いていく。
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完璧王子が迷子野郎に
柏木(目黒蓮)の部屋でイメトレを行う舞(福原遥)。同室の水島(佐野弘樹)は気を利かせ隣室にいて、壁に耳を当て盗み聞きしています。世の中には俗っぽいことが好物の人がいて、水島や、東大阪のノーサイドの店主さんなどがそうですね。
ふたりきりの部屋では、イメトレに夢中になるあまり、いつの間にかコントローラーを握る舞の手のうえに柏木が手を乗せています。
空を飛ぶ想像に、ピアノの劇伴がかかって、なんともロマンティック。
ある意味、自然な接近です。
恥ずかしくなった柏木はよくできてるとコントローラーを褒めます。
浩太(高橋克典)にも手伝ってもらって作ったという話から、柏木も父の思い出を語りはじめます。
舞と柏木、ふたりとも父から多大な影響を受けているようです。
ここまで来ると、舞と柏木に恋が生まれるのは必定……。
ですが、ここで問題勃発。
あれほど自信満々だった柏木が飛行の途中でポジションを見失ってしまいます。ロストポジションというとかっこいいけれど、つまり「迷子」。
「完璧王子柏木くんも人の子だったってことよ」と水島の「完璧王子」はナイスネーミングでした。
クールで優秀な柏木のはじめての失態が迷子というのもギャップが大きい。ツンデレはかわいいけれど、堂々としていた人が空間と地図を同時に把握できずにオロオロしてしまうのはお気の毒とはいえいささかかっこ悪い。
自分を過信する者はパイロットに向いていないと大河内教官(吉川晃司)に指摘されてしまいます。それより空間把握できないほうが心配ですが、精神的な問題で、努力で直せるものなのでしょうか。自分を過信するあまり、何かあったとき考え方を柔軟に切り替えられないことが問題なのかもしれないですね。
すべてをあははと笑って済ませず、ひとり飯したり、舞に心配声されても意地張ったり、そのうちヒステリックになったり。
柏木「ラジャーしか言えないやつは黙ってろよ」
水島「この迷子野郎が」
ギスギスしたうえ、あの大事なコントローラーが……。
前半のちょっとキュンとなったイメトレ場面と後半のギスギス場面の落差が激しかった回です。ここでも上がったり下がったり。
そんなおり、中澤(濱正悟)は夫婦関係に問題があるようで。みなさん、それぞれ事情を抱えながら頑張っているのです。
柏木がたそがれていた航空学校の裏庭みたいなところが雰囲気あって素敵でした。
【朝ドラ辞典 ときめき】朝ドラに限らず、ドラマには「ときめき」が必要。類語:キュン
(文:木俣冬)
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