国内ドラマ

REGULAR

2022年11月30日

「ファーストペンギン!」第9話:永沢くん(鈴木伸之)が浜に出戻った本当の理由

「ファーストペンギン!」第9話:永沢くん(鈴木伸之)が浜に出戻った本当の理由

奈緒主演、堤真一や鈴木伸之が脇を固める日テレ系列ドラマ「ファーストペンギン!」が、2022年10月5日より放送をスタート。

寂れた漁港を復興する”実話を元にした”オリジナルストーリーである本作。奈緒演じるシングルマザーの岩崎和佳(いわさき・のどか)は、職なし・宿なしのギリギリ状態で5歳の息子を連れ、とある港町に行き着く。堤真一演じる漁師かつ漁船団「さんし船団丸」の社長・片岡洋(かたおか・ひろし)と出会ったことで、和佳の生活に変化が訪れる。

本記事では、第9話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

▶︎「ファーストペンギン!」画像を全て見る

「ファーストペンギン!」第9話レビュー

波佐間(小西遼生)が、さんしのニューリーダー的扱いを受けている。洋(堤真一)は「居場所がなくなった」と拗ねて家出を続行、和佳(奈緒)に知識で言いくるめられると何も返せず、過去の「長いものに巻かれていた自分」に戻りつつあり……。

お魚ボックス事業は引き続き好調、さんしを筆頭に「浜をひとつの会社にする」動きも軌道に乗り始め、すべてが順調に進みつつあった。

この大きな流れのなかで、永沢(鈴木伸之)が浜に戻ってきた理由が、いまいち掴めなかった。

いや、彼は生まれてくる子の実の父親ではないことが判明し、実質、あのワガママ彼女にフラれた形となったのである。本人も「いつ戻ってきてもいいと言ってくれたから」と言っていたように、浜に戻ってくるもっともな理由は、確かにあるのだ。

しかし、このドラマにおいて「一度出ていった永沢くんが戻ってくる」展開の必要性が、ギリギリまでわからなかったのである。脚本上、なくても影響がなかったのでは……?

その理由は、終盤になって明らかになる

すっかり拗ねきってしまった洋。連れ戻しにきた漁師仲間から、ニューリーダー・波佐間の活躍を聞かされたことで、さらに帰る気をなくす。正直、洋がいなくても浜はまわるほど、波左間の有能っぷりはすごい。

しかし、永沢がそれを許さなかった

確かに、頭がよく弁も立ち、漁師たちをまとめる人身掌握にも長けていて、漁師の経験もある波佐間はこれ以上ない人材だ。資金を調達してくれた意味でも、さんしの救世主と言えるだろう。

ところがどっこい。永沢が視聴者の心を代弁してくれた。「なんか好きになれない」! そう、なんか好きになれないのである。

洋がいなければ浜は浜じゃなくなる、洋がいてこそのさんし船団丸だ。そう強く主張する永沢は、珍しく熱かった。一度離れ、再び戻ってきたからこそ、慣れ親しんだ者への親愛が強まることはある。

永沢のプレゼンに心打たれた洋は、ようやく浜に戻ることを決意してくれた。永沢出戻り事件は、洋を浜に戻すきっかけとして入れられた展開だったと解釈できる。

ところが、洋が無事に帰ってきて、ちゃんちゃん……とはいかない。

波佐間が紹介してくれた会社「神饌オーガニクス」は、ほとんどの株主が海外の会社もしくは人間だったことが判明。

決して違法ではないのだが、この会社の先導で浜を一社化してしまったら、海の資産的にも、経済的にも、防衛的にも、日本側の不利になり得るという。

溝口(松本若菜)の言葉を借りるなら、「極めて意図的な脱法行為」なのだ。

次回、最終回。和佳と洋は、無事にさんし船団丸を取り返し、互いの夢を叶えることができるのか?

(文:北村有)


無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

©Nippon Television Network Corporation

RANKING

SPONSORD

PICK UP!