『ブラックアダム』公開!名優ピアース・ブロスナンの魅力溢れる映画“5選”

(c)2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM &(c)DC Comics

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12月2日(金)より公開が始まったDC映画『ブラックアダム』。タイトルロールを演じるドウェイン・ジョンソンの魅力が遺憾なく発揮された作品である一方で、少し意外とも思えるのが名優ピアース・ブロスナンのキャスティングだ。

ジェームズ・ボンドとして名を馳せたブロスナンのフィルモグラフィにおいて、アメコミ映画参戦のインパクトは思いのほか大きい。

今回は『ブラックアダム』の魅力の他に、出演作を5本ピックアップしながらブロスナンの魅力について紹介していこう。

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『ブラックアダム』“余裕”がキャラにもたらす説得力

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『ブラックアダム』でブロスナンが演じるのは、スーパーヒーローチーム「JSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)」の古参ドクター・フェイト(ケント・ネルソン)。魔術の使い手であり、チームの精神的なまとめ役でもある。

ドクター・フェイトとしての活躍シーンは金色のメットを被っているとはいえ、その下にブロスナンの渋いマスクが隠れていると思うとつい「デュフッ」なんて声が漏れてしまう。

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ブロスナンとドウェイン・ジョンソンは真逆のビジュアルだが、己の強さゆえの余裕を見せるブラックアダムと特殊能力を授かった年長者としての余裕をたたえたドクター・フェイトは、どこか通じるものを感じさせる。

ドクター・フェイト=ケント・ネルソンというキャラクターに説得力を持たせているのは、間違いなくブロスナンの役者としての経験値と、ブロスナン自身の魅力がもたらすものだろう。強烈なインパクトを放つドウェイン・ジョンソンと対等に渡り合うブロスナンの姿に、誰もが惹かれるはずだ。

ピアース・ブロスナンの魅力溢れる映画“5選”

■『007』シリーズ:色気がダダ漏れしたジェームズ・ボンド


ブロスナンがジェームズ・ボンドに抜擢された007シリーズの『ゴールデンアイ』を観るまで、筆者は007シリーズに触れたことがなかった。もちろん歴代作品の存在自体は知っていたが、人は最初に観た007を親だと思ってついて行く習性があるのでブロスナン=ボンドというイメージがいまだに強い。


ブロスナン版007はアクション描写の気前がよく、筆者がシリーズで最も好きな『007/ダイ・アナザー・デイ』は特に顕著だ。人工衛星・イカルスの滅殺開墾ビーム的な攻撃による破壊描写はVFXを駆使して迫力満点。かと思えば、氷上のボンドカーチェイスはバレエのようにエレガントでアクロバティックというギャップもまた面白い。

また序盤から窮地に立たされるボンドやM(ジュディ・デンチ)との対立、裏切り者の存在など内容てんこ盛り。それでも破綻することなくボンド映画として成立しているのは、1作目から紳士的な振る舞いと男の色気をボンドアクションにまで落とし込んだブロスナンの牽引力にあるといっても過言ではない。

■『マーズ・アタック!』:鬼才監督とまさかのタッグ


『ゴールデンアイ』への抜擢でブロスナンは新たなボンドアイコンとなったため、次作以降の作品に俄然注目が集まるのは必須。そんなブロスナンが鬼才ティム・バートン監督とタッグを組み、『マーズ・アタック!』に出演したのだから作品選びの基準が気になるところでもある。

カルト的な人気を誇る本作は、バートンのB級映画愛が炸裂した火星人侵略映画。絵に描いたようなTHE 円盤が続々と地球に降り立ち、「平和のためにやって来た」と言いつつ光線銃で人類の大量殺戮をおこなう火星人はなかなか風刺が効いているのではないか。

ブロスナンの役どころは、脳のような大きな頭と剥き出しの目をした極悪面のミニオンのような火星人を分析するドナルド・ケスラー教授。パイプをくわえた博士然りといったキャラづくりはいかにもブロスナンらしく、作品のテイストに合わせてどこか脱力しながら演じているのもさすがと言うしかない。

ともかくケスラーはあれよあれよとトンデモ展開を迎えてしまう。そしてジャック・ニコルソンを筆頭に豪華キャストのノリノリ演技が楽しく、火星人の撃退法など内容のふざけっぷりも魅力の1本だ。

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■『ダンテズ・ピーク』:災害映画でも奮闘!


1990年代はディザスター(災害)映画が流行し、ブロスナンも火山噴火映画『ダンテズ・ピーク』で主演を務めている。大都市での溶岩流出を描いた『ボルケーノ』と全米でほぼ同時期公開だったこともあり、当時は何かと比較されがちだった。

都市型災害の『ボルケーノ』に対して『ダンテズ・ピーク』では、豊かな自然が突如牙を剥く様子がリアリティたっぷりに描かれている。火山調査中に婚約者を失った過去を背負う主人公ハリーをブロスナンが演じており、噴火直後の町から脱出を試みる展開は手に汗握るはず。

本作もまた理知的なブロスナンのイメージがぴたりと当てはまっていて、些細な前兆から噴火の危険性を察知していく姿は実に頼もしい。流れ出る溶岩や大火砕流など、圧倒的なスケールで描かれる災害描写も鮮烈な作品だ。

■『マンマ・ミーア!』:イケオジ、集結

(C)2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

ブロスナンの渋さと包容力をセットで楽しめる作品として『マンマ・ミーア!』を挙げないわけにはいかない。ABBAのヒットナンバーをBGMに物語が展開する本作で、ブロスナンは結婚式を控えたソフィ(アマンダ・サイフリッド)の父親候補のひとり・サムを演じている。

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父親候補はサムを含め、ハリー(コリン・ファース)とビル(ステラン・スカルスガルド)の3人。誰であっても激渋なお父さんが確定しているではないか……などという話はさておき、主演のメリル・ストリープやサイフリッドをはじめ、キャストが生き生きとキャラクターを演じる爽快感はじつに心地良い。

本作ではブロスナンから自然体の優しさや慈愛があふれており、ジェームズ・ボンドと並んでその魅力を最大限に生かした作品と言えるかもしれない。常に紳士的であり、胸に秘めた想いを吹き消すことなく大切に灯し続ける姿はこちらまでキュンとしてしまう。

■『ザ・フォーリナー/復讐者』:ジャッキー・チェンとの対峙

(C)2017 SPARKLE ROLL MEDIA CORPORATION STX FINANCING, LLC WANDA MEDIA CO., LTD.SPARKLE ROLL CULTURE & ENTERTAINMENT DEVELOPMENT LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

ここまで紹介してきた作品はいずれも“陽”のピアース・ブロスナンだが、ジャッキー・チェン主演の『ザ・フォーリナー/復讐者』ではシリアスな表情のブロスナンを見ることができる。

そもそもジャッキー・チェンという名前を見て、コミカルな演技をイメージする人が多いのではないか。しかしタイトルが示すとおり、本作はロンドンで発生した爆弾テロによって娘を失った父親の復讐劇。笑顔を封印したジャッキーが元・特殊部隊員で悲惨な過去を持つ父親・クァンを演じた。

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そんなクァンと対峙するのが、ブロスナン演じる北アイルランドの副首相・リアム。かつて自身が過激派組織に身を置いおり、政権に就いた現在においてもその存在は一筋縄ではいかない。彼が爆弾テロとどのように関連していくのか詳細は伏せるが、壮絶な過去を持つ者同士の対立関係は常にヒリヒリとした緊張感を観る者に強いる。

また本作はクァンとリアムの過去が尾を引くように、イギリスやアイルランドの歴史的な観点からも従来のアクション映画とは一線を画す。北アイルランドが実際に経験した宗教対立や紛争、テロ問題などの背景を踏まえると本作の重みがより伝わってくるはずだ。ブロスナンがアイルランド出身である点にも注目してほしい。

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ピアース・ブロスナンの魅力

他にも『ミセス・ダウト』や『トーマス・クラウン・アフェアー』など紹介したい作品は尽きない。

幅広い役柄に説得力をもたらすピアース・ブロスナンの魅力は、歳を重ねてなお増していくばかりだ。

(文:葦見川和哉)

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| 2018年 | 日本 | 110分 | © 2017 SPARKLE ROLL MEDIA CORPORATION STX FINANCING, LLC WANDA MEDIA CO., LTD.SPARKLE ROLL CULTURE & ENTERTAINMENT DEVELOPMENT LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED. | 監督:マーティン・キャンベル | ジャッキー・チェン(石丸博也)/ピアース・ブロスナン(田中秀幸)/オーラ・ブラディ(阿部彬名)/レイ・フィアロン(藤井隼)/チャーリー・マーフィ(藤田曜子) |

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