「クロサギ」第9話:ひとり戦い続ける黒崎。彼にはもう後がない。
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King & Princeの平野紫耀主演のドラマ「クロサギ」が2022年10月21日放送スタート。
人気マンガ「クロサギ」が2022年を舞台に、新たにドラマ化。平野が演じるのは詐欺によって家族を失った主人公・黒崎。詐欺師を騙す詐欺師「クロサギ」として暗躍、そして家族を奪った最大の宿敵に挑んでいく。
本記事では、第9話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
「クロサギ」第9話レビュー
逮捕されてしまった黒崎(平野紫耀)。これは宝条(佐々木蔵之介)が手をまわしたからだ。捏造された証拠も揃っている。
しかし、取り調べを見ていた神志名(井之脇海)が「黒崎がこんな証拠を残すはずがない」という。警察と詐欺師だけれど、ある種の信頼関係ができてしまっている。
神志名が心配しなくても黒崎は間もなく釈放された。これは桂木(三浦友和)が手を回したから。黒崎はそのまま桂木の元を訪れる。桂木と決別するためだ。
桂木は宝条と繋がっている。桂木の元で働いていては宝条を喰らうことができない。
家族を亡くしてから、黒崎の一番そばにいるのは桂木だった。寂しさはあるのだろうか、それとも今生の別れ、という気持ちもあるのだろうか。
一筋流した涙が美しい。
アパートに戻ってきた黒崎。部屋に灯りがついているのを見た氷柱(黒島結菜)が訪ねてくる。
自分と一緒にいるときに黒崎は逮捕されたのだ、気にならないはずがない。
あっけらかんとした様子の黒崎だが、氷柱は彼が荷造りしていることに気がつく。不安気な表情を浮かべる氷柱を黒崎は食事に誘う。
氷柱としては嬉しい誘いだったはず。でも、今は手放しに喜べない。
まだ復讐は終わっていない。黒崎は今の自分の状況を会話の中で端的に伝えた。氷柱は動揺しつつも、前のようにギャンギャン言うようなことはない。
「帰ってくるまで待ってるよ」
これからどこか遠くへ行こうとする黒崎にかけた言葉。
この言葉が、黒崎が暴走してしまいそうなときのブレーキとなればよいのだけれど。
宝条を喰らうために、黒崎は金も手間も惜しまない。自分がまいたエサに宝条が確実に食らいつくように外堀を埋めていく。
宝条は民政党議員の蒲生(秋山菜津子)と懇意にしていた。新党立ち上げのためにはお金が必要。蒲生は宝条に資金として100億円を準備するように言う。実は蒲生が新党立ち上げを急いだのも、黒崎が仕組んだことだった。
桂木の元で学んだことをフル活用しているのだろう。そして考え抜いた計画。動きに迷いがない。
いくら宝条でも100億を用意することは簡単ではない。そこで宝条は海外ファンドを頼ろうとするが、これも黒崎の狙いだった。
トントン拍子に進んでいるように見えるが、順調なほうが怖い。宝条には底知れぬ恐ろしさがある。そして桂木も、詐欺の仕事を守るために誰かが死ぬ……いや殺すこともいとわない。
黒崎が決別を告げてから桂木はずっと不機嫌だ。育てた甲斐がなかったからか、自分の思い通りに事が進まないからか、はたまた……。
そんな中、氷柱が黒崎の目の前で何者かに拉致されてしまう……。
次週、いよいよ最終回。黒崎は復讐を果たすのか。いや、笑顔は戻るのか。
桂木と決別し、宝条に目をつけられ、このまま宝条に勝たないと黒崎は無事ではすまないだろう。もうあとがない。
予告に一瞬映った意味深な黒崎と氷柱のツーショットも気になるところだ。
(文:ふくだりょうこ)
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