<IP~サイバー捜査班>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
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2021年7月1日のテレビ朝日 木曜ミステリー枠では、佐々木蔵之介を主演に迎え、京都を舞台としたミステリー「IP~サイバー捜査班」を放送する。共演に福原遥、間宮祥太朗ほか。
佐々木演じる安洛一誠(やすみや・いっせい)は、「サイバー総合事犯係」の主任で、サイバー犯罪に関する知識と捜査スキルはピカイチ、超がつくほどのデジタル人間。そんな安洛が自分の父親ではないかと考えている古宮山絆を福原遥、裏で安洛について調べる密命を担う多和田昭平を間宮祥太朗が演じる。サイバー犯罪と、その裏にある人間ドラマを絡めたミステリーで好評を得ている。
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
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もくじ
・第1話ストーリー&レビュー・第2話ストーリー&レビュー
・第3話ストーリー&レビュー
・第4話ストーリー&レビュー
・第5話ストーリー&レビュー
・第6話ストーリー&レビュー
・第7話ストーリー&レビュー
・第8話ストーリー&レビュー
・第9話ストーリー&レビュー
・「IP~サイバー捜査班」作品情報
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
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京都府警サイバー総合事犯係の刑事・多和田昭平(間宮祥太朗)は、捜査二課の刑事とともにフィッシング詐欺グループのアジトである廃工場に突入しようとしていた。そのアジトはサイバー総合事犯係の主任・安洛一誠(佐々木蔵之介)が解析の結果、割り出した場所だった。
だが突入直前、安洛は些細なヒントから、その廃工場の中に“移動型アジト”が隠れていることを察知。その読みどおり、容疑者たちはコンテナトラックごと逃走を図ろうとしており、工場から猛スピードで飛び出したトラックに捜査員たちは大混乱! 現場に駆け付けていた新人刑事・古宮山絆(福原遥)の機転もあり、なんとか捕らえることができた。
詐欺グループを確保でき、ホッとしたのも束の間――絆と多和田は想定外の事態に遭遇する。なんと、廃工場内に後頭部から鮮血を流した男の遺体が残されていたのだ…!
まもなく遺体の身元は、5年前に懲戒免職となった元所轄の刑事・石本武明(岡田浩暉)と判明。警察組織への恨みから詐欺グループに加担し、仲間割れの末に殺害されたものと考えられたが、遺体を解剖に回したところ、胃の中から奇妙なものが見つかった。取り出されたのは、USBメモリー。石本は後頭部を殴打されて瀕死の状態の中、何者かに無理やりUSBメモリーを飲み込まされたようだった。
仲間割れによる衝動殺人だとしたら、そんな手の込んだことなどするだろうか…。安洛は、そのUSBメモリーを使ってウイルスを仕掛ける“ソーシャルハッキング”こそが犯人の狙いだと見抜くが、その瞬間、まさにウイルスが発動。府警本部内のありとあらゆるネット機能がすべて停止してしまうという緊急事態が発生し大混乱に!さらには第二の殺人という予想外の展開も発生し…!?
捜査が混迷を極める中、安洛と絆は、石本が懲戒免職になる前、単独で調べていた”ある事故”に着目。絆は多和田とともに、事故被害者の母・静野順子(菊池桃子)に事情を聴きにいくと、事件は予想もつかない展開に…!?
第1話レビュー
拡大スペシャルとなった初回は、フィッシング詐欺の元締めを追う中で刑事の遺体が発見され、その遺体から出てきたUSBでウイルスが発動…というかなりの大混乱な事件。
この難事件に挑むのが、京都府警の「サイバー総合事犯係」。
府警内部では「総事係=おそうじ係」と若干バカにした感もある名前で呼ばれている彼らだが、ネット分析やプロファイリングのエキスパートが集まり、捜査支援だけでなく犯人逮捕の権限も与えられたある意味画期的なチーム。その主任をつとめるのが、佐々木蔵之介演じる主人公・安洛一誠だ。
この安洛、サイバー犯罪の知識や情報が1から100まですべて頭に入っているのか?と思わせる非常に明晰な男。難しい用語や解説めいた長セリフが多くて演じるのが非常に大変だと思うのだが、さすが演技派の佐々木蔵之介。セリフ回しが非常に流暢で素晴らしかった。本作公式サイトによれば、佐々木蔵之介本人は「超がつくほどアナログ人間」とのことだが、パソコンを操作する姿にも違和感はなし。ぬかりない役作りにただただ脱帽するばかりだった。
一方この安洛と対照的に、情報分析だけで推し量れない人の心情を重んじるのが新人刑事の古宮山絆。
情報至上主義ともとれる安洛に対して「人の感情は複雑なもの」と彼女は反発する。それを当初は「0か1か割り切れないものに固執するのは無駄」と受け入れない安洛だったが、絆から「0か1か選ぶのは人」ともっともなことを言われて言い返すことができなかった。結局、絆は先輩刑事の多和田とともに自身の足で捜査をし、彼女たちが掴んだ情報をもとに安洛が事件のカギとなるものを見つけて紐解いていく。安洛と絆、それぞれが信じる仕事をしたことで事件は解決へと動き出していった。
絆を演じるのは、福原遥。あの「まいんちゃん」が刑事を演じる日が来るとは…とつくづく時の流れを感じるが、真剣に事件に取組む姿がとてもみずみずしくしかも嫌味がなくて好感がもてた。このドラマは絆の成長物語でもあると思うので、彼女がこれからどんな刑事になるのか、プロとしてどう覚醒していくのか…というところをしっかり描いてくれたらと願う。
そして、もう一人のメインキャストで、捜査一課出身の若き刑事・多和田を演じるのは間宮祥太朗。これまでにも何度か刑事を演じている彼だが、本作でもスーツ姿のきりっとした佇まいが非常に刑事らしくハマっていた。近年多数の映画やドラマに出演して脂が乗ってきている俳優の一人なだけに、本作での演技にもおおいに期待している。
他にも、温厚なおじさんだが優れたプロファイラーの係長・平塚(杉本哲太)、おばちゃんキャラだが映像解析のプロの川瀬(堀内敬子)、コミュ障な感じもあるが面倒な情報解析もこなす岡林(吉村界人)らクセ者が揃ったこの「おそうじ係」。彼らがどんな活躍を繰り広げてくれるのかが非常に楽しみだ。
デジタル人間で無駄を嫌う安洛とアナログな人の思いを大切にする人情派の絆。価値観の異なるこの二人がどう犯罪と向き合っていくかが、おそらく今後の物語の軸になっていくのだろう。さらに、彼らはもしかしたら親子かもしれない…という謎もあり、こちらもかなり気になるところだ。
※この記事は「IP~サイバー捜査班」の各話を1つにまとめたものです。
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