あなたも気づいたら「ヨネダ2000」の虜。一度でやみつきになる魔術的魅力
ヨネダ2000に注目が集まったきっかけ
正式にヨネダ2000を結成後、わずか1〜2年で賞レースの常連になっているヨネダ2000。2020年のTHE W準決勝進出、2021年のM-1準決勝進出(敗者復活戦10位)ならびにTHE W決勝進出といった流れで、じわじわと認知度を高めてきた。前述したネタ「どすこい」を披露した2021年THE Wでは、惜しくもコンビ「紅しょうが」に敗れてしまったヨネダ2000。しかし、このジャッジでヨネダ2000に票を入れたアンガールズ田中は「謎の空間が面白い」「感覚に響く笑い」と絶賛している。ちなみに田中は、2022年のTHE Wにおいては、ヨネダ2000と争った相手側「TEAM BANANA」に票を入れている。ヨネダ2000については「出番が早すぎた。でもこの戦いで勝ったのは大きい」と述べていた。
芸人界隈での評価も高い。かまいたち濱家は「間違いなく、いま日本で一番面白いです」とコメント。YouTubeでコラボした鬼越トマホークは「実は去年くらいから動画を見ていた」「ずっと見ちゃうんだよね」とヨネダ2000の不思議な魅力に触れている。
ヨネダ2000が2022年THE Wで残した爪痕
2022年THE Wでのヨネダ2000は、いろいろな意味で際立っていた。このとき勝敗を争ったTEAM BANANAの芸風と比べると、その違いは歴然としている。なにせ、愛が全身を茶色タイツに包み、トイレに排泄されるところから始まるコントなのだ。独自にTHE Wを採点した、ナイツ塙の動画においても「うちの子どもは大爆笑だった」と言っている。このコントの衝撃度は、どちらかと言うと子ども向きとも言えるのかも知れない。
最終決戦で見せた、大きすぎるモヒカンが特徴的なコントも、どちらかと言うとインパクト重視。2021年THE Wの決勝ネタ「どすこい」や、「海になった郷ひろみ」が出てくるネタと比べると、勢いで見る人の心を掴む側面が大きいネタだった。ヨネダ2000ファンのなかには、どちらのテイストが好きかで派閥が分かれるかもしれない。
しかし、これまでヨネダ2000を知らなかった観客に向けて、爪痕を残すといった意味では大成功だったのではないだろうか。このネタでヨネダ2000を知り、彼女たちがさらに違うテイストのネタや、コントもやっているとわかれば……。
そのときにはもう、沼にハマっているに違いない。
ヨネダ2000が2022年M-1決勝戦で見せたネタは?
結成2年目にして、2022年M-1決勝戦に進んだヨネダ2000。惜しくも優勝決定戦には進めなかったが、松本人志をはじめとする審査員たちには、彼女たち独特の世界観が刺さって(驚いて?)いたようだ。披露したネタは、ヨネダ2000らしさが詰まった、リズム感たっぷりの餅つきをベースにしたネタ。「ぺったんこ〜ぺったんこ〜ぺったんこ〜ぺったんこ〜」のメロディは、一度聞いたら最後、頭から離れない。リズムと勢いで会場の空気を一気に変えた。
ナイツ塙をはじめ、審査員たちのヨネダ2000に対する評価は高かった。彼女たちのような、いわゆる正統派漫才ではないシュール寄りのネタに対しては、たびたび「これを漫才と呼べるのか?」的な批評がされがちである。しかし、ヨネダ2000に対しては「その前提をひっくり返すほどの独特さ、不思議さがある」「よくわからないのに面白い」といったコメントが聞かれた。
優勝決定戦には食い込めなかったが、「まだ結成2年め、これからに期待」が審査員、そして視聴者たちの総意だろう。
すでに新世代のホープとして認知度を高めているヨネダ2000。すでに来年、再来年あたりのM-1が楽しみである。
(文・北村有)
■「M-1」関連記事をもっと読む
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。