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2023年01月13日

『スリー・ビルボード』の鬼才マーティン・マクドナー監督作4選|『イニシェリン島の精霊』公開記念

『スリー・ビルボード』の鬼才マーティン・マクドナー監督作4選|『イニシェリン島の精霊』公開記念


2017年映画賞を総なめした傑作『スリー・ビルボード』から5年。いまなお演劇界・映画界の最前線に立つ鬼才マーティン・マクドナーの全世界待望の最新作『イニシェリン島の精霊』が1月27日(金)より日本公開となる。

本作は第79回ヴェネチア国際映画祭においてヴォルピ杯 男優賞(コリン・ファレル)
、脚本賞(マーティン・マクドナー)を受賞。先日開催された、第80回ゴールデングローブ賞では、7部門で8ノミネート。作品賞(ミュージカル・コメディ部門)、主演男優賞(コリン・ファレル/ミュージカル・コメディ部門)、脚本賞(マーティン・マクドナー)の3部門で受賞した。

ほかにもナショナル・ボード・オブ・レビュー賞では主演男優賞(コリン・ファレル)をはじめ3部門で受賞、第27回サテライト賞では作品賞(コメディ/ミュージカル部門)を含む8部門でノミネートを果たすなど、アカデミー賞の前哨戦として注目されるポイントを軒並み制覇しており、アカデミー賞最有力候補作品として期待が高まっている。

『スリー・ビルボード』で世界を震撼させ、その名を世に知らしめたマクドナー監督。才気に満ちたセリフの応酬と予測不能の展開が続く、マクドナーらしい巧妙な語り口は歴代作品でも健在!最新作『イニシェリン島の精霊』もまさに今賞レースを席巻しており、再び世界中から今一番熱い注目を集めているマクドナー監督作品を大特集する。


『ヒットマンズ・レクイエム』(08)


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仕事終えた新米殺し屋のレイ(コリン・ファレル)とベテラン殺し屋のケン(ブレンダン・グリーソン)はボス(レイフ・ファインズ)の指令で風光明媚な観光都市・ベルギーのブルージュへ。やがてケンに、ボスから「レイを消せ」という密命が入る。しかも一度キレたら手に負えないボスが直接ブルージュに乗り込んできた!レイを追うボス、ボスを諫めようとするケン、大ピンチのレイ。小雪舞う古都ブルージュに、今宵、血の雨が降ろうとしていた……。

『イニシェリン島の精霊』にも出演するコリンとブレンダン、そしてマクドナー監督の初のタッグ作。マクドナーらしいブラックユーモアと骨太なストーリー、さらには名キャストによるガンアクションも展開し見応えのある一作となっている。今やプライベートでも親友のコリンとブレンダンが新鮮なアプローチで共演する姿も必見。

マクドナー監督は、第81回 アカデミー賞の脚本賞で初ノミネートを果たし、コリン・ファレルは第66回ゴールデングローブ賞の最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞している。


『セブン・サイコパス』(12)

(C)2011 Blueprint Pictures (Seven) Limited, The British Film Institute and Film4

新作『セブン・サイコパス』の執筆が進まずに酒に溺れる映画脚本家のマーティ(コリン・ファレル)。そんな彼を見かねた親友のビリー(サム・ロックウェル)は、脚本のネタ集めのためにと勝手に「イカれた奴、募集!」という新聞広告を出してしまう。するとマーティの前には、ウサギを抱えた心優しき殺人鬼、現場にダイヤのエースを残すヒットマン、何よりも犬を愛するマフィアのボスと次から次へとおかしな連中が現れる。果たして、マーティは無事生きて脚本を描き上げることができるのか!?

本作でもコリン・ファレルが主人公を演じるほか、サム・ロックウェル、ウッディ・ハレルソン、クリストファー・ウォーケンなど名優・怪優たちがこぞって出演!ぶっとんだキャラクターたちによるバイオレンスアクションが激しく展開していくと思いきや、物語が全く先の読めない方向へと舵を切り、クライマックスでは物語に深みをもたらす、歴代のマクドナー作品の中でもまさに“サイコパス”な一作。

自ら脚本も手掛けるマクドナー自身を投影したかのような皮肉も垣間見え、マクドナー好きならまず抑えるべき!


『スリー・ビルボード』(17)

(C)2017 Twentieth Century Fox

アメリカのミズーリ州の田舎町を貫く道路に並ぶ、3枚の広告看板。そこには、地元警察への批判メッセージが書かれていた。7カ月前に何者かに娘を殺されたミルドレッドが、何の進展もない捜査状況に腹を立て、警察署長にケンカを売ったのだ。署長を敬愛する部下や、町の人々から抗議を受けるも、一歩も引かないミルドレッド。町中が彼女を敵視するなか、次々と不穏な事件が起こり始め、事態は予想外の方向へと向かい始める……。

第74回ヴェネチア国際映画祭でマーティン・マクドナー監督が最優秀脚本賞を受賞し、その後の賞レースを席巻。第75回ゴールデングローブ賞では最優秀作品賞(ドラマ部門)に輝き、第90回アカデミー賞では7部門にノミネートされ、主演のフランシス・マクドーマンドに主演女優賞をもたらした。

興行収入と評価の点でも映画界の超一流の仲間入りを果たし、マーティン・マクドナー監督の名を大きく世界に知らしめた至極の一品をぜひご堪能いただきたい。

『イニシェリン島の精霊』2023年1月27日(金)日本公開!

©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved. 

舞台は本土が内戦に揺れる1923年、アイルランドの孤島、イニシェリン島。島民全員が顔見知りのこの平和な小さな島で、気のいい男パードリックは長年友情を育んできたはずだった友人コルムに突然の絶縁を告げられる。急な出来事に動揺を隠せないパードリックだったが、理由はわからない。賢明な妹シボーンや風変わりな隣人ドミニクの力も借りて事態を好転させようとするが、ついにコルムから「これ以上自分に関わると自分の指を切り落とす」と恐ろしい宣言をされる。美しい海と空に囲まれた穏やかなこの島に、死を知らせると言い伝えられる“精霊”が降り立つ。その先には誰もが想像しえなかった衝撃的な結末が待っていた…。

2人の親友が仲違いし、破滅的で途方もない結果を招いていく様は、可笑しみ、悲しみ、陰鬱、そしてあふれる人間性など、マクドナーのお家芸が満載。才気に満ちたセリフの応酬とともに喜劇と悲劇のはざまを揺れ続け、突然訪れるクライマックスに震撼する、まさに“マクドナー印”の最新作に乞うご期待!

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