「舞いあがれ!」いい話だったけど、エンド5秒の草刈正雄のインパクトが強すぎて<第76 回>
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2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。
本作は、主人公・岩倉舞(福原遥)がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。
ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は同作の第76回を紐解いていく。
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陽だまりのほうへ
会社の運転資金がほしい、めぐみ(永作博美)は悠人(横山裕)に工場を買い取ってほしいと投資の話を持ちかけます。売ってそのまま工場を続け、うまくいけばそのまま、万が一うまくいかなくなったら悠人がいつでも工場を好きにできるということです。お金ができて助かるけれど、さらに重責がのしかかります。
「なんや力沸いてきたわ」と舞(福原遥)も逆に闘志を燃やします。才津家の女たちは、祥子(高畑淳子)を筆頭に、火事場の馬鹿力が出るタイプのようです。
章(葵揚)に手伝ってもらってネジの試作を続け、ついに完成。IWAKURAが一体になっている雰囲気に、浩太の言葉を思い出す舞。
久しぶりに仕事の楽しさを味わった章は、IWAKURAに戻ってくることになりました。会社辞めてバイトしてたわけでもないのにこんなに簡単に戻ってこれるのかしら? とも思いますが、章は笠巻(古舘寛治)と共に長年IWAKURAにいたひとだからこれでいいのです。
舞は仏壇に、はじめてとった仕事ーーねじをお供えします。
悠人も力を貸してくれた、とめぐみは報告します。そう、悠人もなにやかんや言いながら、外側から家族を心配しているのです。
お父ちゃんがいたら……と思いを馳せるめぐみですが、お父ちゃんが亡くなったからめぐみも舞も自立し、悠人も少し素直になったのでしょう。ちょっぴり皮肉な話でもありますね。
年末年始、辛い話が続き、浩太だけは戻っては来ませんが、みんなに幸せが戻ってきました。貴司(赤楚衛二)も東大阪に戻って来て、短歌が今月の新聞に載って、八木(又吉直樹)もふらっと戻って来てデラシネを託します。五島でも、朝陽(又野暁仁)がすっかり生き生きして、島で子供を受け入れる活動をしようとしているみんなの励みになります。久留美(山下美月)も八神先生との交際が順調。
貴司の短歌の、”陽だまりのほうへ寝返り打つ” という言葉どおりの回でした。でもこの短歌、寝返り打つのが昆布というのが、新聞の評どおり「着眼点がいい」ですよね。しかも「開いていく」という下の句。明るいほうに向かったうえに開いていく、心身ともに開放された感じがする、短歌の出来の良さが光り過ぎていてやばい。
それと、エンド5秒の草刈正雄さん。21日放送の土曜ドラマ「探偵ロマンス」に探偵・白井三郎役でご出演です。違うドラマのほうが気になってどうする!?
つながりがないわけではありません。草刈さんは「なつぞら」で、高畑淳子さんと同志的な役を演じていました。
【朝ドラ辞典 エンド5秒(えんどごびょう)】毎日の放送のあと、5秒間は視聴者参加のコーナー。毎シリーズ、テーマを決めて、視聴者の投稿を紹介する。作品のテーマに沿ったものが多い。「舞いあがれ!」では飛ぶがテーマになっている。【朝ドラ辞典 草刈正雄(くさかりまさお)】「なつぞら」(2019年)でヒロインなつ(広瀬すず)の祖父・泰樹を演じて、絶大な人気を博した。
(文:木俣冬)
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