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2023年02月02日

「リバーサルオーケストラ」第4話:「好きを仕事にする」言うは易く行うは難し

「リバーサルオーケストラ」第4話:「好きを仕事にする」言うは易く行うは難し

門脇麦主演、田中圭が共演する日本テレビの新水曜ドラマ「リバーサルオーケストラ」が2023年1月11日スタート。

本作は“元”天才ヴァイオリニストと変人マエストロが地元のポンコツオーケストラを「大改造」する一発逆転音楽エンターテイメント。民放GP帯ドラマ初主演をつとめる門脇麦や門脇と『あなたの番です 劇場版』以来の共演となる田中圭他、ポンコツ楽団の団員を演じる個性的なキャストが集結した。

本記事では、第4話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「リバーサルオーケストラ」第4話レビュー

玉響での初めての公演を成功させた初音(門脇麦)。

SNSでも玉響の評判は良く、団員たちもノリノリ。もっと多くの人たちに玉響のことを知ってもらおうと出張オーケストラを行うことになる。

同時に、定期演奏会の準備も進められていく。
朝陽(田中圭)が決めた演奏会の曲はチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルト。
この曲は初音が逃げ出したステージで弾くはずだった曲。この曲がトラウマになっているのか、ソロでもミスばかり。
三島(永山絢斗)に言われた「ひとりじゃ無理だもんな」という一言も効いているのかもしれない。
団員たちは温かく見守るが、初音本人の焦りが募る。


一方、ヴィオラのみどり(濱田マリ)が抱えていた問題が表面化する。
みどりには大学受験中の娘・亜美(凛美)がいる。
しかし、両親とはまともに口を利こうともしない。
夫は理想論は掲げるが、肝心なところはみどり任せ。おまけに、夫はみどりがオケで弾いていることを仕事だとは認めていない。みどり自身も後ろめたさがあるのだろう。家では楽器をできるだけ目につかないようにしているし、自主練習も夜の河川敷でやっている。
亜美からすると、そんな母親の態度も気に入らないようで……。

親子の関係がぎくしゃくしている中、亜美がストレス性の胃腸炎で倒れてしまう。
亜美の体調不良に気がつけなかったことで自分を責めるみどりは休団を決意。

休団を聞いた朝陽は、初音の家に押しかけ、みどりを説得するように命じる。
でも、これはきっと初音がオーバーワークだったからだろう。定期演奏会で演奏する曲を練習しすぎなのだ。初音を休ませるためでもあったのかもしれない。
素直じゃない、とかではない。これが朝陽の通常営業なのだろう。

 
どうにかみどりに戻ってきてほしい。団員が思いついたのは、出張オーケストラを活用することだった。
出張先と演奏する曲を決めた初音たちは、みどりに「休団する前にこれだけは協力してほしい」と頭を下げる。
しかし、夫と娘の意向を気にするみどり。そんなみどりに向かって朝陽は言い放つ。

「これはあなたの仕事ですよね」
「やるなら、プロの演奏家としてプライドを持ってやっていただかないと困ります」
「それができないなら、出なくて結構です」

前なら、「そんな言い方しなくても!」と言う団員もいただろう。でも、もうみんな分かっている。これが朝陽なりの励まし方なのだ、と。


出張オーケストラ当日。玉響の面々が向かったのは、みどりがあらかじめ聞かされていた場所ではなく、亜美が通う高校だった。
校内放送で集まってきた生徒たち。その中には亜美の姿もあった。

演奏する曲は緑黄色社会の『Mela!』。
亜美が所属しているチアリーディング部で、最後の大会のときに踊った曲だった。みどりのソロから始まった『Mela!』。聴いている生徒たち、そして亜美の顔にも笑顔が……。

このパフォーマンスが、躍動感があってめちゃくちゃにカッコイイ!
生徒たちが知っている曲だろうし、盛り上がることは間違いなしだ。
何より、楽しそうに演奏をするみどり。その姿を見た亜美の心も動かされる。
国立に行けと言われていた亜美が、私立に行って大好きなチアを続けたいと本音をみどりに伝えた。
きっと、亜美は母親に胸を張っていてほしかったのだろう。
「好き」を仕事にしていることがどんなに素晴らしいか、正々堂々と「好き」を伝えてほしかったのかもしれない。

亜美だけでなく、イキイキと演奏をする玉響の姿は受験生の励みになったのではないだろうか。それにしても朝陽さんが演奏会のために来るような高校に通いたかったものである……。


みどりは休団を撤回。山場は乗り越えたように思えたが、着実に結果を出していく玉響を本宮(津田健次郎)が黙って見ているはずがない。
玉響の存続を揺るがすようなカードを切り、修介(生瀬勝久)はまんまとそこに乗っかってしまうのだった……。

(文:ふくだりょうこ)

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