『レジェンド&バタフライ』を究極の三角関係から紐解く


信長と光秀


信長の重臣たちは、代々織田家に仕えてきた家系である。したがって“うつけの悪ガキ”時代から信長のことを知っている。徐々に“魔王”となる過程も、見てきている。

だが、後からやってきた外様の家臣は別だ。彼らから見た信長は最初から“魔王”であり、“魔王”とわかっていながら仕えることを決めたのだ。その代表格が、明智光秀(宮沢氷魚)である。

従来の明智光秀は、信長の非道な行いに対して徐々にストレス・ゲージを上げていき、ついには謀反を起こす……。そのような描かれ方が多かった。だが『レジェンド&バタフライ』の光秀は、“魔王”としての信長に惚れ込んでいる。


従来の光秀がストレスに感じていた信長の非道も、実は光秀主導で行われていたことになっている。自らも非道な行為を行い、“憧れの信長様”に少しでも近づこうと思っているようだ。

例えば、浅井・朝倉のドクロ盃のエピソード。従来なら、信長が仇敵・浅井長政と朝倉義景の頭蓋骨を盃に仕立てあげさせる。その盃で酒を飲むことを強要された光秀が、泣きながら固辞する……。(ストレス・ゲージ上昇)

だが今作では、このドクロ盃を仕立てあげさせたのは、光秀なのである。漆を塗り、金粉をまぶし、頭頂部に織田家の家紋を入れるという手の込みよう。それを得意げに信長に献上するサイコパスぶり。そもそも朝倉義景は、光秀の元の主君(※諸説あり)なのである。

例えば、比叡山延暦寺焼き討ちのエピソード。従来なら、仏敵となるどころかすべてを滅し焼き尽くすなどとはとんでもないことであり、信心深い光秀は最後まで反対をする……。(ストレス・ゲージ再上昇)

だが今作では「その役目、ぜひわたくしめにお任せを!」と、光秀は率先してその虐殺を行うのだ。

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©2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会

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