続・朝ドライフ

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2023年02月06日

「舞いあがれ!」大変なときだが「告白」というサブタイトルが気になる<第87回>

「舞いあがれ!」大変なときだが「告白」というサブタイトルが気になる<第87回>


「木俣冬の続・朝ドライフ」連載一覧はこちら

2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公・岩倉舞(福原遥)がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は第87回を紐解いていく。

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「雨、やむんやろうか」

第19週「告白」(演出:小谷高義)は重々しいムードではじまりました。天才投資家・岩倉悠人(横山裕)にインサイダー取引疑惑が浮上し、業界のルールを破ったとテレビでも大々的に取り上げられています。

テレビを見た雪乃(くわばたりえ)めぐみ(永作博美)に電話、ネット検索するとーー 悠人の写真入りでインサイダー疑惑の記事が掲載されていました。

事務所にはテレビは置いてないんですね当たり前か……。商売やってるうめづはテレビを見ていて、舞(福原遥)たちはネットというのが時代を表して見えます。

第18週でIWAKURAの権利書を事前にめぐみに渡していたので、悠人には思うところがあったとしか思えないですね。

本人の口から聞かないことには何も判断できないと冷静であろうとするめぐみと舞ですが、当然ながら電話しても悠人は出ません。いよいよ会社にまで記者が押しかけてきて、めぐみは社員を集めて説明します。

せっかくここまで来たのに、悠人のせいでまた会社に危機が訪れたらどうしようと不安になりそうなものですが、まっさきに章(葵揚)が悠人に助けられたのだからと声をあげます。それに続いて、「人の噂も……」と藤沢(榎田貴斗)が言い出して「人の噂も75日や」と「75日の辛抱です」と社員たちが順番に言って、みんな協力ムード。人情ものの色が濃くなりました。かつて会社に捨てられた人たちも戻って来たいま、結束が強まっているようです。一言とはいえ、ひとりひとりにセリフが割り当てられていました。

悠人の味方はたくさんいます。でも、疑惑じゃなくてほんとうにやったぽく、共同経営者・高橋(マエチャン)が電話で悠人を「全部終わりだよ」「おまえが全部終わらせたんだ」となじりまくります。このマエチャンさんの電話の声演技が迫力です。声優さん?と思うような声に力があります。調べたら劇団活動をされているようです。

舞が家に戻るとたくさんの記者が待っているので帰れず、デラシネで時間を潰させてもらいます。雨が降ってきて「雨やむんやろうか」と心配していると、悠人は東大阪にいて、雨のなか、ふらふらと歩いていて、例の公園で倒れてしまいます。

倒れた悠人を真俯瞰でカメラが映します。その前にも仕事場にしているらしき部屋の天井から照明ごし、真俯瞰で悠人を映すカットがありました。第87回は上からカットの回ですね。それはともかく、大雨のなかずぶ濡れで地面に横たわる悠人に「半沢直樹」第1シーズンの第1回を思い出しました。半沢直樹(堺雅人)が雨のなか地面に倒れてる場面があるんです。そういえば、半沢直樹も実家の工場が経営破綻してお父さんが亡くなりお母さんが工場を継ぎました。この設定、テッパンなんですね。

「告白」というサブタイトルは悠人の「告白」なのか、それともほかの「告白」なのか
気になります。

【朝ドラ辞典 (あめ)】
登場人物のどうしようもない感情を表現するのに雨が使用されることはよくある。朝ドラはスタジオで雨を降らすことが時々あるが、ロケで雨降らしをするよりは楽らしい。「半分、青い。」では雨のなかヒロインがプロポーズされてミュージカルのように踊っていた。


(文:木俣冬)

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