国内ドラマ

REGULAR

2023年02月20日

「どうする家康」第7話:「三河をひとつの家のように」と言っているが家康は何も分かっていない

「どうする家康」第7話:「三河をひとつの家のように」と言っているが家康は何も分かっていない

[※本記事は広告リンクを含みます。]

2023年1月8日放送スタートしたNHK大河ドラマ「どうする家康」。

古沢良太が脚本を手がける本作は、弱小国の主として生まれた徳川家康が乱世を生きる姿を描いた波乱万丈エンターテイメント。大河ドラマ初主演となる松本潤が従来のイメージとは異なる「ナイーブで頼りないプリンス」の家康に扮する。

本記事では、第7話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

▶︎「どうする家康」画像を全て見る

「どうする家康」をU-NEXTで見る

「どうする家康」第7話レビュー

まだまだひよっこである、元康。が、そうは言って見逃してはもらえない。一国の主なのだから。

瀬名(有村架純)と子どもたちを取り戻すことができた。
久しぶりにほんわかとしたオープニングである。
元康(松本潤)は少々過保護気味だが、仲睦まじい様子だ。瀬名と離れ離れだった間、本当に心配で心配で仕方がなかったんだろう、ということがよく分かる。
今後の人生、瀬名に一秒たりとも危険には晒したくない。そんな思いを抱えているように見える。今は。

そんな元康の悩みは、於大(松嶋菜々子)が頻繁にやってくること。瀬名をいろいろと鍛えている、というところのようだ。嫁vs姑か!? となりがちだが、カラッとしていて言いたいことを言っている於大。
瀬名もあまり重く受け止めていないようだし、相性としては案外悪くないのかも。


そして、このタイミングで来て元康の名が変わる。信長に「今川義元の元をとって元康は縁起が悪い」とのことらしい。
あれこれと頭を悩ませる元康だったが、家臣に慕われる瀬名が今いる場所が「みんながひとつの家にいるようで」と言ったことがきっかけで「家康」という名を思いつく。家族、家臣だけではなく、三河の国がひとつの「家」となるように。
瀬名が推していた「泰康」も個人的には良いと思うけれど。
それにしても家康は瀬名がきっかけとなった名前を一生背負っていくことになるのだな……と思うと感慨深いものがある。


が、平穏な日々は続かない。織田信長(岡田准一)が鷹狩をしていると木下藤吉郎(ムロツヨシ)が使いでやってくる。どこで鷹狩をしているかというと、家康の領土で、である。

穏やかじゃないな、と思っていたが、家康が駆けつけるとそこには武装した信長がいた。本当に穏やかじゃなかった。
獲物が獲れたと、謀反を企てていた者たちが連れてこられる。
ぼんやりしていないで三河をしっかりと抑えろ、ということらしい。家康の動きが今後の信長の天下統一に影響を与えてくるわけだが、やっぱり家康のことは信用しているように見える。
信長は怖いのだが、口で言うだけではなく、さっさと自分で謀反人を狩っているあたりがなんとも。
怖いだけの人ではないな、と感じさせられる。

謀反を鎮圧するが、またいつ同じことが起こるか分からない。しかし、もう金はない。
意見を求められた本多正信(松山ケンイチ)は信長に金を借りれば良いという。そして、今川の領地を切り取り、そこから返せばいい。
間違った道理ではないが、家康はこれ以上、信長に頭が上がらなくなるようなことはしたくない。
が、「ものすっっごく怖いんじゃぞ!!」とも言っており、どちらかというとそっちが本音だろう。


そこで家康が目をつけたのは一向宗の寺だった。
「不入の権」を楯に年貢を納めていない彼らから取り立ててればいい。
石川数正(松重豊)らからは「寺はそれぞれひとつの国として考えたほうがいい」と反対される。つまり、他国が介入すべきではない、ということ。
納得ができない家康は榊原小平太(杉野遥亮)と本多忠勝(山田裕貴)と共に一向宗の寺院・本證寺へと潜入する。

寺というより、賑やかな城下町に驚く家康ら。
身分など関係なく、みな同じ。幸せに、楽しく暮らすためにここにいる。だって国は何もしてくれないから。

みなは楽しく踊り、男女が出会い、浮かれる。
小平太が「あそこにいるおなごたちに声をかけてみないかい?」と忠勝を誘う一幕も。
いつも勇ましい忠勝が急に尻込みするのがかわいい(どうして「一緒に踊らないかい」で声をそろえたんだ、かわいいか)。声をかけたおなごは於大たちだったが……。そう、楽しい場所だと聞いて、於大や瀬名も訪れていたのだ。そしてこういうところでばったり会ってしまうのだ、家康と瀬名は……。

怒った家康は瀬名を連れて城へと帰り、数日後、一向宗から年貢を取り立てる。これが、一向一揆に繋がることになる。


「戦をせずにするにはどうしたらいいのか」という家康が問いかけるシーンがあったが、住職の空誓(市川右團次)は「知らん!」と言い放つ。
「生きてる世界が違う。苦しみを与える側と救う側じゃ」と。
そこは、家康は人に問うことではないのではないか。
三河全体もひとつの家に、というが、程遠い。

常に家康からは危うさが感じられる。
次に何をしでかすのかとハラハラしてしまうが、この振舞いを安心して観られる日は来るのだろうか。

(文:ふくだりょうこ)

「どうする家康」をU-NEXTで見る


無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)NHK

RANKING

SPONSORD

PICK UP!