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<ガールズムービーの巨匠>ソフィア・コッポラの魅力&おすすめ映画“5選”


UTコラボの5作品

今回は彼女の監督作の中でも、おすすめしたいユニクロコラボの5作品の簡単なあらすじと、見どころを紹介する。

『ヴァージン・スーサイズ』(1999年)

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プロデューサー・脚本家・女優・ファッションデザイナーとさまざまな顔を持つソフィア・コッポラの監督デビュー作。

1970年代のミシガン州にて、テレーズ・メアリー・ボニー・ラックス・セシリアという5人姉妹がいるリスボン家が話の軸となっている。物語は末っ子のセシリアが手首を切って「死にたかったわけではない。自分を消したかった」と話すところからスタート。

そのことがきっかけで、娘たちを今まで以上に“深く愛する”ようになる母と、その母のもとでがんじがらめになる姉妹たちの苦しさを描いている。

外出できない姉妹たちの鬱屈とした表情、そして悲劇の物語と、アメリカの少女たちが好むパステルカラーの小物やファッションの普遍的なかわいらしさの対比は、まさにソフィア・コッポラらしさが凝縮されている。

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『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)

(C)2003, Focus Features all rights reserved

2004年のアカデミー賞で、作品賞・監督賞・主演男優賞・オリジナル脚本賞にノミネートされ、アカデミー脚本賞を受賞した同作。

物語はウイスキーのCM撮影のために日本にきたハリウッド俳優ボブ・ハリスと、同じホテルに宿泊するカメラマンの夫を持つアメリカ人女性シャーロットが自然と距離を縮めていくというものだ。

正直、2人の関係を恋と断言していいのかわからない。だからこそ、物語の結末に向かっていくにつれて一挙一動に尊さを感じる。

ちなみに撮影期間中、ソフィアが定宿していたパークハイアットや、日本の芸能人・ダイアモンド☆ユカイやマシュー南に扮する藤井隆も登場。

MILKFED.立ち上げた当初から、幾度となく訪れている日本をソフィアがどう描いたのか。言語の通じない異国の地で感じる大人の孤独感を味わってほしい。

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『マリー・アントワネット』(2006年)

(C)2005 I Want Candy LLC.

歴史映画ではなく、マリー・アントワネットの孤独や寂しさにフィーチャーした作品。

「パンがなければケーキを食べたらいいじゃない」という言葉(※現代では彼女の言葉ではないとされる)が未だ語り継がれており、“イヤなやつ”イメージを持たれがちなマリー・アントワネット。

しかし、もしもこの映画に描かれているマリーが本来の顔だとしたら、そういうところばかりをフォーカスされるのは、あまりにも気の毒だと思ってしまう。

絵に描いたようなロマンティックな世界観にちりばめられたソフィア流のスパイスにも注目だ。

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『SOMEWHERE』(2010年)

(C)2010 - Somewhere LLC

ロサンゼルスの高級ホテルで華やかな生活を送り、フェラーリを乗りこなすTHEハリウッドスターなジョニー・マルコと、その娘・クレオの期間限定の生活を書いた作品。

どんなパーティーをしようとも、寝室にポールダンサーを2人呼び自分だけのためにパフォーマンスをさせようとも空虚な目をしたジョニー。

そんな彼の日常にクレオが現れたことで、彼は忘れかけていた何かに気付かされていくという物語なのだが、そんなジョニーとクレオがこぼす言葉の対比が切ない。

スターと人間の人格の間で葛藤するジョニーが、シュールな笑いを誘うのも魅力だ。

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『ブリングリング』(2013年)

(C)2013 Somewhere Else, LLC. All Rights Reserved.

2008年から2009年にかけて起きた、ハリウッドセレブの家に盗みに入る高校生たちを描いた作品。

事件を起こした高校生たちの良し悪しはともかく、大人と子供の間で「早く大人になりたい」と背伸びをする姿と、自分たちのやっていることを“悪ふざけ”程度にしか思っていない浅はかさは、近年SNSで話題になる学生たちの行動と通ずるものを感じる。

特に大人や警察が出てきた途端に、必死に自分を正当化し、他責する姿は10代の未熟さそのもの。

ほかの4作品と比べると、映像のテイストが良い意味でソフィアっぽくなく、2000年代のハリウッドセレブのギラギラ感を表現。

劇中に登場するハイブランドや、ヒップホップを多用したサウンドトラックは、見ているだけでワクワクする。ちなみに映画の中で登場するパリス・ヒルトンの自宅は、実際の彼女の自宅なので必見だ。

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『SOMEWHERE』(C)2010 - Somewhere LLC

「ソフィア・コッポラの作品っておもしろい?」と言われたら、正直返答に迷う。

劇的に何かが起こるというわけではなく、ふと心の中で思い起こす感覚を「おもしろい」と表現するのが適切だとは思えないからだ。

しかし、人に勧めたい気持ちはもちろんある。不安定な毎日を送り、どこか満たされない人にこそ見てほしいのだ。初見ではわからずとも、何度も思い返してしまうソフィア・コッポラの世界を。

(文:於ありさ)

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