続・朝ドライフ

SPECIAL

2023年04月04日

「らんまん」ディーン・フジオカと朝ドラの相性が良すぎる<第2回>

「らんまん」ディーン・フジオカと朝ドラの相性が良すぎる<第2回>

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2023年4月3日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「らんまん」。

「日本の植物学の父」と呼ばれる高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。激動の時代の中、植物を愛して夢に突き進む主人公・槙野万太郎を神木隆之介、その妻・寿恵子を浜辺美波が演じる。

ライター・木俣冬が送る「続・朝ドライフ」。今回は、第2回を紐解いていく。

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パワーワードの連打

「わし生まれてこんほうがよかった?」

幼い万太郎(子役:森優理斗)は分家の豊治(菅原大吉)の心ない言葉に傷つき、母ヒサ(広末涼子)に問いかけます。

ヒサはやさしく励まします。

「神さんがくれたがよ」「大事な子じゃ お母さんの宝物」

神さんなんて見たことないと反論すると「見えんでもおる」とヒサは言い、
万太郎は森の神社に走り、神さんに呼びかけます。

自分が人と違うことは神さんのせいだと文句を言う万太郎。

と、そこに現れたのはーー

天狗(ディーン・フジオカ)でした。

事前に公表されている情報では、天狗はあの有名人ですが、ここではドラマに沿って天狗(謎の武者)としておきましょう。

颯爽と頼もしそうな天狗と万太郎が楽しく語っているとき、タキ(松坂慶子)とヒサが嫁の苦労を語らいます。

ふたりとも嫁として、峰屋に嫁ぎましたが、どちらも夫に先立たれています。ヒサが三度も流産して離縁寸前で万太郎を産んだこと、女しかいないから分家になめられていることがわかります。

モデルの牧野富太郎さんは、父、母、祖父の順に亡くし、おばあちゃんっこだったようです。「らんまん」では父と祖父を先に亡くした設定によって、
朝ドラらしい女性の物語が際立ちます。

再び、万太郎と龍馬の場面、
「わし生まれてこんほうがよかったがじゃと」と告白する万太郎。

なんと、2回続けて「生まれてこんほうがよかった」エンドとは……。ずーんときます。

それだけ、生まれてこないほうがいい人なんて誰一人いないということを強調したいのでしょう。

さて、天狗ことディーン・フジオカさんです。「あさが来た」(15年度後期)の日本をよくしようと活躍した実業家・五代友厚役で大人気でした。あまりに好評で、大河ドラマ「青天を衝け」(21年)でも五代役を演じたほどです。あまりに当役だったので、その印象がいまだに消えません。「らんまん」でも五代様? と思ってしまいましたが、別人です。ただ、風のように現れて主人公の手助けをするという属性がとても似合います。

「あさイチ」の鈴木奈穂子アナも全国の女性視聴者の代表としてディーンさんにときめいているようでした。

近年、子役回がいいと評判になる朝ドラですが、その前は本役が出るまでは
本題と思えず、ちょっと退屈という印象が朝ドラにも大河ドラマにもあり、
じょじょに子役回の数が減らされているようだったのです。そんなところに
良策が。

子役と華のある大人を組み合わせることで、がぜんドラマが盛り上がります。「なつぞら」(19年度前期)の子役と草刈正雄もそれで盛り上がりました。

ディーンさんのみならず、祖母役の松坂慶子さんも朝ドラと相性がよいのです。「まんぷく」(18年度後期)ではヒロインの母役で登場、「私は武士の娘です」という名セリフによって愛されました。

ディーン・フジオカさん、松坂慶子さんと、強力な助っ人によって子役編が支えられています。


【朝ドラ辞典 2.0 見えんでもおる(みえんでもおる)】

朝ドラでよく使われる概念。亡くなったかたは見えなくても共にいると思って生きること。妖怪の漫画を描く水木しげるの妻をモデルにした「ゲゲゲの女房」ではこれが全編を貫いていた。

(文:木俣冬)

木俣冬著「ネットと朝ドラ」、現在好評発売中

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