「どうする家康」第16話:信玄はすべてをお見通し。再びの戦いは間もなく。
2023年1月8日放送スタートしたNHK大河ドラマ「どうする家康」。
古沢良太が脚本を手がける本作は、弱小国の主として生まれた徳川家康が乱世を生きる姿を描いた波乱万丈エンターテイメント。大河ドラマ初主演となる松本潤が従来のイメージとは異なる「ナイーブで頼りないプリンス」の家康に扮する。
本記事では、第16話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「どうする家康」第16話レビュー
虎松(板垣李光人)に襲われた家康(松本潤)。さらに、遠江の民は徳川を恨んでいる、武田のほうが主君として優れていると言い放たれ、ショックを受けてしまう。
ショックを受けた家康、家臣たちに「自分と武田信玄(阿部寛)とはどう違うのか」と問い詰めるが、「すべて」と返され、追い打ちを受ける始末。申し訳ないが、テレビの前で同じことを思ってしまった。
とにかく、信玄は怒らせてはいけないと家臣たちにも言われ、それを心に深く刻む家康。
そんなあるとき、服部半蔵(山田孝之)が家康のいる浜松城へやってくる。
半蔵は於大(松嶋菜々子)に頼まれて、武田に人質として送られている源三郎(長尾謙杜)の様子を見に行っていたのだ。
半蔵が見た源三郎の姿はぼろぼろ。「身も心も病んでいる」と半蔵。
しかし、家康は於大には源三郎は息災だったと伝えよ、と命じる。源三郎を取り戻そうとして信玄と事を起こしたくないからだ。
ピュアなままかと思っていたら、シビアになっている部分もあるようだ……切ない。
しかし、家康は別の部分で信玄を怒らせた。
信玄に対抗するため、上杉謙信と同盟を結ぼうとするが、それが武田に漏れてしまったのだ。こうなれば、戦いは避けられない。家康は半蔵に、源三郎を救い出すよう命じる。
ぼろぼろになり、凍傷で足の指を失った源三郎。
人質になんてひどいことを、と憤る家康だが、源三郎は首を横に振る。
自分は甲斐にいる者たちと同じように鍛えられていただけだと。まだ、自分は優しくしてもらっていたほうだ、とも。
辛くて、逃げ出そうとしたが連れ戻され、日中はボコボコに殴られ蹴られ……本当に鍛えられていたのだろうか……? ほかの者たちのうっ憤のはけ口になっていた可能性もある。
その中で化け物のように強いのが信玄の息子、勝頼。
演じるのは真栄田郷敦。……なんとなく、納得である。
床に臥せったまま、源三郎は信玄からの言葉を家康に伝える。信玄は家康が源三郎を取り返すことを分かっていたのだ。
「弱き主君は害悪」「生き延びたければ家臣になれ」
舐められまくっているのがよくわかる。
武田側としては家康が何しようとどうでもいいのだ。目的は織田信長(岡田准一)で、家康は通過点でしかない。家臣になればこき使うし、ならなければ叩き潰すまで。そんな思惑が見える。
家康は家臣たちに判断をゆだねる。が、家臣たちは頼りたいだのなんだの言いたい放題。
でも、棒読み。みんな戦うに決まってる。
「戦っても十に九つは負ける」と家康。それに本多忠勝(山田裕貴)が「十に一つは勝つ」と答える。そして、信長は桶狭間でそれをやった、と。
家康には信長にも信玄にも勝るものはないが、家臣たちがいる。……と家臣に言われる家康。情けないが、それが家康の強みだ。
そんな家臣たちに支えられて、家康は戦に赴く。
それにしても、信長といい、信玄といい、同じ時代にどうしてこうも恐ろしき者たちが登場したのか、と毎回思ってしまう。
時代が呼んだのか、それとも彼らが時代を作ったのか。だが、強いだけでは生き残れない。それが戦国時代のようだ。
(文:ふくだりょうこ)
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