グーパーチョキよりおすすめしたい、ヴィン・ディーゼル作品“5選”



独特の低音ボイスと屈強な肉体で観客を魅了する、俳優ヴィン・ディーゼル。代表作『ワイルド・スピード』シリーズがいよいよ最終章を迎え、第1幕となる『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』が5月19日(金)に初日を迎えた。

「この人がスクリーンの中にいるだけで、なんとかなるような気がする」

今回は、そんな頼れる兄貴ヴィン・ディーゼルの出演作から『ファイヤーブースト』を含めたおすすめ5作品をご紹介しよう。

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最終章に相応しい幕開け!『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』

© Universal Studios. All Rights Reserved.

タイトルを重ねるごとにスケールがアップしていくことでお馴染みの『ワイスピ』シリーズ。予告編にはローマ市街でのカーチェイスや大規模な爆発シーンが盛り込まれているが、さらに破格のアクションがドム(ヴィン・ディーゼル)を中心とした“ファミリー”によって繰り広げられる。

今回ドムが迎える因縁の敵・ダンテ(ジェイソン・モモア)は生半可な相手ではない。復讐に燃えるダンテはシリーズ屈指の強敵であり、その最狂・最凶ぶりはアクション映画全体で見てもトップレベル。肉体派に見えて常にドムの1歩も2歩も先をゆく狡猾さと残忍性を備え、ファミリーが着実に追い詰められていく緊張感はこれまでにないほどだ。

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また最終章ということもあり、過去作全体を俯瞰した構成も本作の特徴。そのためシリーズに欠かすことのできなかったブライアン(故ポール・ウォーカー)への思いや、ファミリーにとっての重要なターニングポイントが次々と顔を覗かせていく。

まさに総決算と呼ぶに相応しく、鑑賞後に押し寄せる作品への余韻はシリーズ随一。ポールを喪って以降一層「ファミリー」という言葉の重みが現実的に増しており、観客自身もこれまで以上に『ワイルド・スピード』という作品に向き合うことになる

ダークヒーロー降臨!『ピッチブラック』


すっかり貫禄のついたヴィンが、初めて主演を務めた映画が2000年公開のSFアクション『ピッチブラック』だ。『アライバル/侵略者』で異星人による地球侵略を描いたデヴィッド・トゥーヒーが監督・脚本を兼任し、ある惑星に不時着したクルーを未知の恐怖が襲う様をサスペンスフルに描写した。

ヴィンが演じるのは、暗闇の中でも周囲の状況を見ることができる能力を備えた凶悪犯罪者・リディック。他のクルーから恐れられる存在で当初は拘束された身だったが、冷静な判断力といざとなればリーダーシップを発揮するダークヒーロー的な存在でもある。

本作は続編2本が公開されているが、それぞれ作風が異なる点が大きな特徴といえるだろう。第1作にあたる本作のテーマは、惑星に棲む凶悪な生物との対峙。光に弱く活動は暗闇の中に限られるものの、ひとたび獲物=人間を捕らえれば八つ裂きにして捕食する残虐な本能を備えている。

誰がいつ退場するかわからないゾクゾク感は、まさにエイリアン映画の醍醐味。翼を生やし何処から現れるとも知れない生物とリディックの“ガチンコバトル”に注目してほしい。

魔女狩り一筋800年!『ラスト・ウィッチ・ハンター』

TM & © 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

ヴィン・ディーゼル主演作としては数少ないノン・シリーズ作品。製作に名を連ねつつ『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』のブレック・アイズナーに監督の座を託したヴィンは、魔女の女王から不死の呪いを受けた魔女ハンター・コールダーを演じている。

その因縁は800年前にまで遡り、現代で魔女の女王復活を目論む何者かの影がコールダーの身に迫る。彼が「若造」と呼ぶ良き理解者の神父・36代ドーラン(マイケル・ケイン)が殺されたことで、物語は一気に加速していく。

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本作はいわゆる「魔女退治モノ」だが、コールダーやサブキャラクターの設定、VFXもふんだんに盛り込んだアクションシーンがなかなか効いていて飽きがくることはない。スケールはコンパクトであるものの、少しダークな『ハムナプトラ』シリーズの感覚に近いかもしれない。

それにしてもムキムキな魔女ハンターことヴィン・ディーゼルは、いかにも「強い」キャラがよく似合う。本作は重鎮マイケル・ケインよりも(桁違いに)年上の設定であり、落ち着き払った立ち居振る舞いが妙に様になっているところも魅力的。

筆者個人の意見としては「シリーズ化しても良いのでは」と思えるほど、エンタメのツボをしっかり押した作品だ。

観ているだけでなんかもう楽しい『トリプルX:再起動』

(C)2016 Paramount Pictures and Revolution Studios. All Rights Reserved.

トリプルX』シリーズ第3弾となる『トリプルX:再起動』は、「とても楽しい」アクション映画だ。これほど気分を高揚させてくれる作品はそうそう出会えるものではない。血湧き肉躍る生粋のエンターテインメントに仕上げたD・J・カルーソ監督にまずは感謝を。

ここであらすじを紹介しようと思ったが、筆者自身大好きな作品なのに、はて思い出せない。登場人物たちは何をしようとしていたんだっけ。なんてことはさておき、出演者もドニー・イェンやトニー・ジャー、ディーピカー・パードゥコーンやルビー・ローズらと、実に多彩。それぞれに見せ場があり、バチバチに決まったファイトシーンやガンアクションを披露している。



ヴィン演じるザンダーはエクストリームスポーツに長けており、冒頭から江戸○コナンみたくスケートボードで大暴走。かと思えば水陸両用バイクでチェイスを繰り広げ、海坊主のように海中から飛び出してくる。──ああ思い出した、攻撃型軍事衛星の悪用を阻止しようとする話だ。

ザンダーに限らずなのだがとにかく観ていて絵面が賑やかで、毎シーン毎シーンが見どころといっても過言ではない。そして何より「グーパーチョキよりグレネード」という大きな学びがあることもここに記しておきたい。

ジェームズ・ガン監督の集大成『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』<大ヒット公開中>(c) Marvel Studios 2023

ジェームズ・ガン監督がシリーズ1作目から指揮を執り、5月3日(水・祝)に日本公開を迎えたばかりの本作。あらかじめシリーズ最終章となることが明かされていたため、愛すべき銀河の落ちこぼれたちの物語がどのような終わりを迎えるのか気になっていたファンも多いに違いない。

アベンジャーズ/エンドゲーム』を経た本作は主人公スターロードとガモーラの関係性にスポットを当てつつ、メインストーリーはロケットに振り切る構成になっている。1作目の段階で匂わされていた実験動物としての壮絶な過去がいよいよ語られ、ロケットの危機がガーディアンズを突き動かすことになった。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』<大ヒット公開中>(c) Marvel Studios 2023

本シリーズでのヴィンの役割といえば、ご存知“樹木型ヒューマノイド”グルートの声優。ヴィンの姿は一切映らずセリフも「アイ アム グルート」のみという、なんとも贅沢な起用方法である。とはいえその一言で感情表現を見せ、キレるとヤバいグルートの多彩なアクションは本作でも健在。

そしてグルートの最後のセリフは、ガーディアンズだけでなくシリーズを愛したファンに向けてのプレゼントともいえる。落ちこぼれたちを愛すべきキャラに育て、一人ひとりの物語を完結させたガン監督の手腕は見事というほかない。

まとめ:圧倒的な観客を牽引する力強さ

© Universal Studios. All Rights Reserved.

改めて振り返ってみても、ヴィンはシリーズ作品で主演を務めることが多い。スクリーンの中のみならず、スクリーンの“こちら側”にいる観客を牽引する力がそれだけ強いことの何よりの証明なのだろう。

もちろん『ブラッドショット』やブレイク前の出演作『プライベート・ライアン』のように単発作も要注目。これからどんな作品に名を連ねるのか興味が尽きない。

(文:葦見川和哉)

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