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映画コラム

REGULAR

2023年05月20日

『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』 を4DXで観てくれ。話はそれからだ。そう言えるだけの理由がある。

『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』 を4DXで観てくれ。話はそれからだ。そう言えるだけの理由がある。


1:ただのカーチェイスじゃない!「回転」の表現がすごいんだ!

この『ファイヤーブースト』では人類が実現できるレベルの限界値にまで近づいた、とんでもないカーアクションが展開する。走り出す前にはエンジンの振動を座席細かい揺れで表現したり、急カーブで座席がグイッと動くのは序の口。曲がるというよりも車が横に回転する時も座席も回転するようにダイナミックに動き、時には派手なクラッシュで縦に回転する様も座席の動きで表現しているのだ。


さらには、普通は車で行くはずもない「階段」を疾走していく様も座席の「ガタガタ」ぶりで、空を飛んでいく様(※ワイスピの世界では車は飛びます)も劇場全体を吹く風で、さらには車の上に着地する(※ワイスピの世界では車はクッションにします)様さえも座席の「ガックン」とした動きで表現されていた。

何より、そうしたド迫力のカーアクション、転じて車でできる大喜利が「ぶっ続く」のだ。もはや頭がおかしくなりそうなほどの大サービスぶりは言語化が不可能なので、もう観てもらうしかない。おまけのギミック程度ではあるが、煙が立つ「スモーク」やスクリーン斜め上がパッと光る「フラッシュ」も上手い使われ方がされているので注目してほしい。

2:「肉弾戦」「銃撃戦」にも4DXが合う!

さらなる注目ポイントは、ワイスピではお約束の生身の人間同士が戦う「肉弾戦」も多いこと。今回はシャーリーズ・セロンが悪役ながら見事な立ち回りをしており、みんな大好きミシェル・ロドリゲスとのバトルも展開する。そこで、4DXでは座席の動きはもちろん、背中からの「突き上げ」で殴られる様も表現されており、やはり相性が抜群なのだ。


さらには「銃撃戦」も多く、銃の弾をギリギリで避ける様も、プシュッと吹き付ける「エアー」で表現。その銃撃戦は「アホか(3回目)!」と思うほどの荒唐無稽な大喜利カーアクションとも組み合わさり、もうなんだか幸せ(語彙力低下)にならざるを得ないのである。

3:合わせ技の「嵐」をそう使うのか!

MX4Dにはない、4DX限定の演出には劇場の上から降る「雨」がある。さらに、この雨が「劇場全体を吹く風」と組み合わさることで、4DXでは「嵐」を表現することもできるのだ。

その雨と風の合わせ技による嵐の演出が、今回は「なるほど、そう使うのか!」と実に感心するシーンにある。どこで使われるのかは、サプライズでもあるので秘密にしておこう。

そして、今回の4DXはクライマックスで極に達する。詳細は秘密にしておくが、ただただ「ありがとう…!」と心の中でつぶやくしかなかったことを告げておこう。さらにはミドルクレジットシーンのサプライズもあって、次回作が楽しみで仕方がなくなった。

※以下からは前作『ジェットブレイク』より前のシリーズのサプライズ、および少しネガティブな話題に触れているのでご注意ください

まとめ:やっぱりワイスピが大好きだと思い直せた理由

筆者個人は、前作『ジェットブレイク』で、正直に言って「冷めてしまった部分もあった」ことを告白しておこう。というのも、「ジェイソン・ステイサム演じるデッカードは魅力的だけど、ハンという人気キャラクターを殺したのにファミリーの一員になるのが納得いかないんですけど…」の後に、「そのハンを演じるサン・カンが復帰するのは嬉しいけど、生きていたことに『後出しジャンケン』感が否めないんですけど…」と思ってしまったのだ。

強敵が味方になる、死んだと思っていたキャラが実は生きていたということ自体は、少年マンガ的なアツい展開とも言えるが、それを繰り返してしまうと行き当たりばったりな印象を抱いてしまうのも致し方ないだろう。内容もついに宇宙に行ったりするなど、どちらかと言えば悪い意味でのツッコミどころ、荒唐無稽さが臨界点に達してしまった気がしたのだ。

だが、今回の『ファイヤーブースト』では、ネタバレになるので明言は避けるが、オープニングから過去の出来事が今の因縁につながる様が、後出しジャンケンではあるもののシリーズを見続けていたファンへのサービスとしても機能していた。荒唐無稽さもやはり爆笑して楽しめるド迫力のカーアクションとして昇華されていたし、物語もラストに向けてしっかり盛り上がった印象もあった。

それでいてツッコミどころの多さ、サプライズのやりすぎ感は据え置き、いやシリーズ史上最高のクレイジーでカオスな内容になっていると断言できるものの、それ自体がネクストレベルの魅力へと繋がっていたため「もうワイスピはこれでいいよ」、いや「やっぱりワイスピ大好きだな…!」と思い直すことができたのだ。

そう思い直せた理由には、間違いなく4DXを盛ったこともある。やはり、映画というよりもアトラクション、アトラクションというよりもフェスであるワイスピは、より良い環境でこそ楽しむべきだ。しつこいようだが、ぜひ優先的に4DXで観てほしい。

(文:ヒナタカ)

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