映画コラム
【キアヌ・リーブスを堪能】『ジョン・ウィック』シリーズの魅力を徹底紹介!
【キアヌ・リーブスを堪能】『ジョン・ウィック』シリーズの魅力を徹底紹介!
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来たる9月22日、あの『ジョン・ウィック』シリーズ4作目、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』が公開される。
キアヌ・リーブスがブギーマン(闇の男)と呼ばれる伝説の殺し屋・ジョン・ウィックを演じるこのシリーズ、回を追うごとに面白さがグレードアップしている。もはや3作目の『ジョン・ウィック:パラベラム』に至っては、「見どころを解説」どころか「131分すべて見どころ」といった有様である。
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
全アクション映画フリークの必修課題ともいえるこのシリーズ、まさか観てないわけはないと思うが、「観たけど忘れた」という人も中にはいるだろう。仕方ないので、1作目から順にざっとおさらいしていこうと思う。気にするな。礼には及ばない。
筆者は、来たる『ジョン・ウィック:コンセクエンス』を、最高に面白い状態で観てもらいたいだけだ。
『ジョン・ウィック』
記念すべき、第1作目。ここから伝説が始まった。
ロシアン・マフィアのドラ息子・ヨセフは、ある男の家に強盗に入り、その愛犬を殺し、愛車を盗んだ。だが、その男こそ、伝説の元・殺し屋“ブギーマン”ジョン・ウィックであった。ジョンの復讐が始まる……。
このバカ息子・ヨセフに対しては、自業自得とか、「やっちまったなぁ!(ニヤニヤ)」という感想しかない。だが彼がやってくれたいらんことのおかげで、一般人として暮らしてたジョン・ウィックは再び闇の世界に戻ることとなり、このシリーズが始まることとなったのだ。その点だけは、褒めてやってもいい。
ちなみにこれだけジョンが怒るのにも、ちゃんと理由がある。殺された愛犬は言わば死んだ妻の形見であり、ジョンが殺し屋稼業から足を洗ったのも彼女のためだったのだ。
ジョンは、ヨセフが乱痴気騒ぎをしているナイトクラブを単身襲撃し、ヨセフの護衛たちを次々と、次々と、さらに次々と殺して行く。あまりにも流れるように美しく殺して行くので、倫理観も忘れてただ見惚れてしまう。
この際の「体術+ガン・アクション」を、「ガン・フー」と呼ぶ。このガン・フーがこそが『ジョン・ウィック』シリーズの象徴である。その語感から想像するのは「カンフー」だし、カンフーといえば打撃だ。
だがジョンはどちらかというと「ストライカー(打撃系)」ではなく「グラップラー(組技系)」である。彼のベーシックな攻撃パターンとしては、「投げ→上から銃でトドメ」というものが多い。よく使われる技は、小手返し・肩車・一本背負い・跳びつき十字などだ。それらのキレは素晴らしい。
一方、彼の打撃はお世辞にもシャープとは言えない。それこそカンフー系の相手と対峙した際には、そのどん臭さが際立つ。そしておそらく、彼自身もそれを自覚している。だからこそ彼の打撃は「弱い衝撃でも大きなダメージを与えられる箇所」である、急所しか狙わない。
喉や首筋への手刀・金的への蹴り・膝への関節蹴りなど。派手な打撃を使う殺し屋よりも、かえってリアルさや怖さが際立つ。
ちなみにこのシリーズ通しての共通点として「ジョンがかつての仲間や昔ジョンに憧れていたという殺し屋に狙われる」というものがある。
この1作目でジョンを狙うのは、かつての盟友・マーカス、演じるのは名優・ウィレム・デフォーである。
彼が指を舐めてから、銃のサイレンサーを外すシーンがある。日本のおっさんが指を舐めてからお札を数えたり本をめくったりしても嫌悪感しか感じないのに、彼がやると大変かっこいいシーンに見えてしまう。さすが名優。ジョン・ウィックの強敵に相応しい。
▶︎『ジョン・ウィック』を観る
『ジョン・ウィック:チャプター2』
2作目である。日本版キャッチコピーは「伝説の殺し屋VS世界中の殺し屋」。昔の義理で要人暗殺を実行したジョンは、それをきっかけに賞金首となってしまい、ニューヨーク中の殺し屋が彼を殺しに来ることとなる。(キャッチコピーは少し盛っている)
ストリート・ミュージシャンや「たまたまニューヨークを歩いていた」力士や、アジア系ビジネスマンなどが、突然襲ってくる。
そして、筆者の大好きな「複雑な感情を抱きながらジョンを殺しに来るかつての仲間」が、今回も登場する。
ラッパーのコモン演じる「カシアン」は、ジョンの旧友であり、腕前もほぼ互角である。「足払いを掛けられて宙に浮かされた状態からの跳びつき腕十字」という、難易度の高い技をやってのける。中の人は、ホントにただのラッパーなのか?
(殺し屋と標的として)再会したふたりが、バーで飲むシーンがある。「ジンだったな」「バーボンだったな」と、お互いの酒の好みも覚えている。これから殺し合うふたりなのに。
「楽に死なせる」「ありがたい。俺もそうする」
筆者は「なんらかの理由で殺し合う、かつての仲間同士」というシチュエーションが大好物なので、このシーンは思い出すだけで涙腺が緩む。
▶︎『ジョン・ウィック:チャプター2』を観る
『ジョン・ウィック:パラベラム』
マーク・ダカスコス演じる殺し屋「ゼロ」に尽きる。
普段はニューヨークで寿司屋の大将をしている。店の名前は「平家」である。店のBGMは大音量の「にんじゃりばんばん」である。「イラッシャイマセー」はもちろんカタコトである。
筆者の大好きな「ハリウッド映画に出てくる変なニッポン」を具現化したようなキャラで、初登場シーンからワクワクがピークに達した。
このゼロ、戦いの途中でジョンに親しげに話しかける。
「実を言うと、前からあんたに会いたかった。大ファンなんだ、ジョン・ウィック」
「殺さなくていいなら、友達になれたのにな」
ゼロのふたりの部下(相当な使い手)も、戦いの途中で転倒したジョンに手を差し伸べる。
「会えて光栄だ、ミスター・ウィック」「戦えて嬉しいよ」
ゼロ一派は心からジョンをリスペクトしているし、ジョンも真剣にその思いに応える。つまり「最上級の敬意を込めて全力で殺しに行く」。
ゼロ一派の恐ろしくキレキレのカンフー&日本刀捌きVSジョンの3作目にして格段にレベルアップした投げ&関節技&武器術。
「殺し合い」と呼ぶにはあまりにも美しすぎる戦いに、自然と涙が出てくる(筆者は)。
▶︎『ジョン・ウィック:パラベラム』を観る
そして、報い(コンセクエンス)へ……
続く4作目となる『ジョン・ウィック:コンセクエンス』には、満を持して、日中のレジェンド・アクション・スターが出演する。
真田広之と、ドニー・イェンだ。キアヌ・リーブスとこのふたりが、命を懸けて戦うのだ。これはワクワクするなと言う方が無理だし、有給を取ってでも公開初日に観に行ってしまうし、リピーターにもなるし、なんなら円盤も買ってしまうだろう。
キアヌ・リーブスは、今作の撮影に入る前に8ヶ月の鍛錬期間を設けたという。なまった体でこの映画を観ることは、失礼にあたる。とりあえず公開日まで、拳立て・腹筋・スクワットを日課とするぐらいのストイックさを持つべきだ。ちゃんと体を仕上げてから観に行くことが、この作品への礼儀だ。
(文:ハシマトシヒロ)
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