「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」:「ウチワエビ」一色もバラバラだったストーリーの点が少しずつ近づいてきた第4話
全く関わりを持たない3人の男女が次第に運命の交錯へと導かれていく――。
本記事では、第4話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」第4話レビュー
1話目からただひたすら逃げる逃亡犯、勝呂寺誠司(二宮和也)と、デミグラスソースの次は「ウチワエビ」を求める『葵亭』のシェフ・立葵時生(大沢たかお)。そして、『横浜テレビ』のキャスター・倉内桔梗(中谷美紀)は、スクープを手にして満足そうな顔をしていたが……。
誠司が自分の大学時代のゼミで一緒だった天樹勇太だということを突き止め、接触することに成功した桔梗は「あなた…天樹君でしょ?覚えてないの?」と不思議顔。
「俺は勝呂寺誠司じゃないのか…」とつぶやくと警察の姿を見つけ、あっという間に逃げてしまった。
「待って!」と追う桔梗。
誠司の記憶喪失は「フリ」なのでは?と勘繰っているところがあったが、二宮の表情から本当に記憶喪失だということがわかる。
ぐっとストーリーに引き込まれそうになったところで、場面転換。
そうだった。
このドラマはすぐに場面が転換するんだった。
レストラン編では「ウチワエビ」を求めて時生や、スタッフたちがもめている。
冷蔵庫のコンセントが抜けていたことからレストラン内の食材、すべてをダメにしてしまったため、今から食材を集めなければならない。
その中の一つウチワエビは、時生の知り合いで共に働いたことがあるシェフの松木(髙嶋政宏)に頭を下げて、譲ってもらうことに。
クリスマスディナーにウチワエビは欠かせないものなのか?
七面鳥じゃなくて?
ウチワエビを連呼する時生がなんだか滑稽だ。
初回から大きな進展がなかったが、ここにきてストーリーが動いた。
誠司と警視庁の管理官・蜜谷(江口洋介)が出会う直前で、蜜谷が赤い車に引かれ重体に。
その場面に居合わせた桔梗は、携帯のカメラを回しながら蜜谷を介抱する。
そしてなんと時生も居合わせていたが、助けることはなくただ茫然と立ちつくしている。
ここで主演の3人が初めて同じ舞台に立った。
逃亡犯の誠司は立場上、蜜谷を助けることができない。
ウチワエビで頭がいっぱいの時生も桔梗と一緒に介抱しない。
目の前でひき逃げがあったら普通は介抱するだろうが、時生にとっては他人事なんだろうか。
時生というキャラクターに同情できないところは、そういう薄情なところかもしれない。
誠司と時生はその場で桔梗と絡むことはなく、場を後にした。
ひき逃げのスクープと前夜の殺人事件の逃亡犯について情報を手にいれた桔梗だが、番組では扱ってもらえず落胆。
しかし、時生はレストランスタッフの後押しもあり、松木に頭を下げ念願のウチワエビを手に入れることができた。
なかなか感情移入が難しいドラマだが、ここまでバラバラだったストーリーの点が少しずつ近づいてきた。
冒頭のナレーションで謎の男・真礼(佐藤浩市)が「時間とは有限だ。限られた時間をどう使うかが問題となる」と言っていたが、どうか視聴者の限られた時間を同ドラマで有意義な時間にしてほしい。
(文:駒子)
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