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2021年09月17日

「緊急取調室」第9話レビュー:中途半端な真実では、誰も救われない(※ストーリーネタバレあり)

「緊急取調室」第9話レビュー:中途半端な真実では、誰も救われない(※ストーリーネタバレあり)



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2021年7月8日スタートのテレビ朝日 木曜ドラマは、2年ぶりに「緊急取調室」を放映。

主演・天海祐希をはじめ、おなじみのキャストが顔をそろえる。
今回の第4シーズンでは、冒頭から“キントリ”が9月末をもって解散となることが判明。果たして、彼らの運命は…?

本記事では、その第9話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「緊急取調室」第9話レビュー



大國塔子の国選弁護人である羽屋田空見子(演:大塚寧々)が、菱本(演:でんでん)の助けになりたいと訪ねてきた。

「大國は取り調べで何を語ったの? 調書に残っていない事実があるんですよね」と問いかける空見子に対し、弁護士であっても捜査内容は教えられないと答える真壁(演:天海祐希)。実はこの質問は、空見子が真壁に対し信頼できる相手かどうかを試すためのものだった。互いに信頼を強めた真壁と空見子は、菱本のために手を組むことになる。

キントリチームに無断で、宮越(演:大谷亮平)に会いに行った菱本。その場で水の入ったコップを叩き割り、破片で秘書を切りつけたとして逮捕された。現場に居合わせた者たちの証言は不思議と一致しているーーそう、一言一句、細かな部分まで。

たとえ同じものを見たとしても、人によって言葉や表現方法には違いが出るものだ。違和感を覚えたキントリチーム。口裏を合わせるよう、宮越が秘書たちに指示している可能性を考え、本人を事情聴取できないかと空見子に申し出る。



実は、空見子は宮越と繋がっていた。

菱本が逮捕された日の夜、空見子が宮越の車に乗るのを山上(演:工藤阿須加)が目撃していたのだ。宮越に言われ、体調不良を訴えた大國を病院に行かせなかったと認めた空見子。しかし、それも彼女の嘘だったーー空見子は幼い頃、宮越の父親の策略により両親を亡くしていたのだ。一連の出来事は宮越に対する復讐だ、と……。

秘書を犠牲にすることを厭わず、目的のためならなりふり構わない宮越。菱本が宮越の秘書を傷つけたと容疑をかけられていたが、それさえも宮越がやったことだった。前秘書を死に陥れ、現秘書さえも自分勝手に扱う。ここまで利己的に多くの人を巻き込む理由が「政界入りしたいから」だなんて、やりきれない。



口裏合わせを強いられていた空見子が証言したことにより、晴れて菱本は釈放された。

しかし、宮越を罪に問うことはできない。決定的な証拠がなく、このままだと国土交通省大臣として政界入りを果たしてしまう。ギリギリのところで彼のわずかな良心を引き留めたのは、前秘書の息子だった。

前秘書は、生前に使っていたスマートフォンを息子に託していた。それは重大な事件の証拠に繋がるもの。息子はそのスマートフォンを宮越に託しながら言う。「これはお父さんが僕を信頼してくれた証なんだ」「良い政治家になってね」ーー直後、宮越は大臣を辞任。これまでやってきた罪を認めた。

「中途半端な真実では、誰も救われない」

このセリフは今回、冒頭で真壁が口にしたものだ。キントリチームはいつだって”本当の真実”を求め、徹底的に動いてきた。今回も、解散が迫っているからといって中途半端に投げ出したりはしなかった。

それでこそキントリ、やっぱりキントリ! 第4シリーズまで続いた緊急取調室、今回で解散になってしまったけれど……また再結成されるのを待っている。


「緊急取調室」第9話ストーリー


真壁有希子(天海祐希)ら「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」の仲間たちには何も告げず、単独で国土交通副大臣・宮越肇(大谷亮平)のもとを訪れた菱本進(でんでん)が、宮越の秘書・須田(尾上寛之)に切りつけた罪で逮捕された! その直後、公判中に急死したハイジャック犯・大國塔子(桃井かおり)の国選弁護人・羽屋田空見子(大塚寧々)が、有希子の前に出現。菱本を救うため、力になりたいと申し出る。菱本は意味もなく人を傷つける人間ではない――そう信じる有希子らキントリ・メンバーに、空見子は「適任の弁護士を紹介したい」と切り出し、すぐさま所轄に留置されている菱本と面会。逮捕以来ずっと黙秘を続けていた菱本だが、なぜか空見子が担当弁護士になってくれるなら、事件について話すと言い…!

まもなく空見子は、弁護を引き受けることを決意する。そんな中、宮越と須田の供述内容を精査したキントリ・メンバーたちは、菱本の無実を確信! 捜査協力という名目で宮越をキントリで取り調べられないか、空見子に相談する。その一方で、有希子は救世主であるはずの空見子に対して抱いた“違和感”を、拭い去ることができず…!?

キントリにとって、空見子は本当に“救世主”なのか? そして…ハイジャック事件、塔子の急死、菱本逮捕――すべてのカギを握る宮越を、有希子らは“マル裸”にできるのか!? キントリ解散まであと7日。壮絶を極める“最後の戦い”が幕を開ける――。

(文・北村有)

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