続・朝ドライフ

SPECIAL

2024年01月16日

「ブギウギ」芸人の多くは舞台を降りたら無口で神経質なのか<第73回>

「ブギウギ」芸人の多くは舞台を降りたら無口で神経質なのか<第73回>


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2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。

「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。歌って踊るのが大好きで、戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第73回を紐解いていく。

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無事だった秋山(伊原六花)

舞台の面談を終え、家に帰ったスズ子(趣里)は、タナケン(生瀬勝久)が感じ悪いという話を愛助(水上恒司)にしたところ、舞台を下りたら無口で神経質な芸人や落語家はよういると、そんなことで仕事を断るのはもったいないと言われます。

なぜかスズ子は世間知らずな感じに描かれています。育った梅丸少女歌劇団が清らかな場所だったということでしょうか。ということで、この日、久しぶりに、後輩の秋山(伊原六花)が上京してきて、旧交を温めます。

待ち合わせでスズ子を発見し、秋山は、「福来さん!」と手をぱっと上げます。この生真面目な感じは、精神のまっすぐさを感じさせます。待っているスズ子も背筋を伸ばして、上品なお嬢様ふうです。彼女たちの清らかな明るさが梅丸少女歌劇団らしさなのだと感じます。

秋山も、スズ子がタナケンと共演と聞いて、タナケンの大ファンなのだと興奮気味。それでスズ子もまんざらでもなくなり、稽古に臨みますが、やっぱり、タナケンの態度に釈然としないものを感じます。しかも、共演者からも嫌味を言われ……。

華やかな芸能界の裏側――村山興業には神経質で無口な芸人がいると愛助は言っていました。たしかに、筆者も取材でお笑いの方々に取材をしたとき、テレビで見ていると明るく楽しい人達と思ったら、うつむいたまま全然話してくれないと焦ったことが何度もあります。

見本誌の漫画をずっと読んでいた人もいました。痛い経験により、お笑いの人の取材が苦手になったこともありますが、そういうときどう対処するかがライターの腕の見せ所なのであります。

また、タナケンと違って、裏表のない、いたって穏やかな感じのいい人達もいます。とくに最近の若い世代はかつての、舞台の上と下ではまるで違うという人は減ったようです。そう思うと、舞台を下りたとき、全然違う人もなつかしく思います。

愛助の話にスズ子は半信半疑な感じですが、音楽や歌劇の世界にはタナケンのような人はいないのでしょうか。いるでしょう。ぱーっと華やかで明るくすてきにやさしそう人が、舞台を下りたら意地悪というような人。これも筆者は経験があります。この手の苦い経験談は、ライターの同業者ではよく話題になります。でも芸能人に限ったことではなく、一般人にも裏表の激しい人はたくさんいます。

話をドラマに戻します。
秋山と再会し、梅丸少女歌劇団の人たちの様子を聞いていたスズ子は、いなくなった小夜(富田望生)の姿を見かけた気がして、闇市を探しに走ります。

米兵と腕を組んでいる姿にパンパンになっているのではないかと不安に……。
稽古の帰り、小夜がサム(ジャック・ケネディ)と歩いているところを発見。

視聴者的には、あのやさしそうなサムが小夜をパンパンにするとは思えませんが、スズ子は、はなから小夜が騙されていると疑います。愛助のときの小夜とスズ子の立場が逆転したようです。

でも、もしかしたら騙されてしまったのかも……と視聴者としても気になります。「さてどうなることやら」と高瀬耕造アナの声が響いてくるようです。

(文:木俣冬)

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