続・朝ドライフ

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2024年02月06日

「ブギウギ」羽鳥に新曲を依頼するスズ子<第88回>

「ブギウギ」羽鳥に新曲を依頼するスズ子<第88回>


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2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。

「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。歌って踊るのが大好きで、戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第88回を紐解いていく。

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「東京ブギウギ」への道

トミ(小雪)と和解し、「また歌うてくださいね」と言われたスズ子(趣里)
愛子のためにも再び、歌おうと考え始めます。
そこで、羽鳥(草彅剛)を訪ね、新曲を作ってほしいと頼みます。

スズ子はこれまで、一度たりとも、自ら積極的に、歌を作ってほしいと言ったことのなかったので、羽鳥はびっくり。それだけスズ子が生きなくては、と強く思っている証拠に違いありません。

ツヤ(水川あさみ)、弟・六郎(黒崎煌代)愛助(水上恒司)と、大切な人を次々亡くしたスズ子。それでも愛子のために生きなくてはいけない。

しんどいことを微に入り細に入り描くことを避けているかのような物語で(たぶん、視聴者がしんどいものを受け入れることが苦手なので)、スズ子の苦悩があまり詳細に描かれていませんが、自ら新曲を望む、という行為で、スズ子がいかに追い詰められて、現状を打破しようと考えているかが伝わってきました。

急に母になったスズ子。見本になる母はとっくにいないし、身近にも、女性が少ない(おっさんが多い)。
そんなとき、麻里(市川実和子)が手をさしのべてくれます。

愛子が熱を出したりして、スズ子がもう手一杯になっているところへ、麻里が手伝いに……。

「気持ちええ なんちゅう楽なんや〜」
久しぶりに、布団に大の字になって眠るスズ子(布団の気持ちよさがひしひしと伝わってきました)。
目が覚めたら、台所で麻里が働いていて、それがツヤに見えてくるのです。

市川さんが、すごく楽しそうに、手慣れた感じで家事や育児をしていて、ひだまり!という感じで素敵でした。

その頃、スズ子は、ツヤとトミが亀をめぐって喧嘩している夢を見ていました。

スズ子はいま、自分が”母”になったことによって、母の存在を改めて実感しているようです。

「美味しいですわ 何もかも美味しいですわ」と大喜びのスズ子。

根菜は母乳にいい、という話や、散歩の話など、さりげない会話がよかった。これを書いたのが男性脚本家であるのが、すこし不思議な気もしました。

男性女性を分けてはいけない時代ですが、これまでの朝ドラでは、男性脚本家の書くものは、男性のもつ社会的関心事のようなものが節々に出てきて、家事育児に関する描写に積極的ではなかった気がします。

例えば「なつぞら」(2019年度前期)では、ヒロインのはじめての育児の大変さは、ナレーションで語られていましたが、いささか説明的で、このあたりでヒロインの子育てを書かないといけないというプラン感のようなものが前面に出てしまい、書きづらいのかなと感じたものでした。それが「ブギウギ」では、実感が伴う会話になっていた。育メンが当たり前になってきた時代の変化を感じます。

子供が子供を愛でる描写も、ちょいちょい出てきて、それもすごく日常にある風景だなとおもいます。

休んで少し落ち着き、満たされたスズ子は、愛子に、昔、ツヤが歌ってくれていた『れんげつもか たんぽぽつもか」の子守唄を歌います。この歌によって、スズ子が”母”になっていくのを感じさせます。

子守唄はもともと実の母が歌っていたものでしたので、スズ子は実の母キヌ(中越典子)のことも思い出したのかもしれません。

思えば、スズ子は、実の母から離れ養父母に育てられた身の上。今回、愛子も、父である愛助が亡くなって天涯孤独。トミに引き取られることははっきり拒否し、ひとりで育てていくことにしたいま、ひとりで育てることができなかった実の母の気持ち、育ててくれたツヤの気持ちをいま、ひしひしと感じる――そんな場面なのではないでしょうか。

ところで。生意気な反抗期だったカツオ(中谷悠希)がいい子に変わっていました。近所にいい見本になる年上の人がいるらしい。そうやって子供は影響を受けて成長していくのですね。

(文:木俣冬)

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