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2024年07月19日

振り幅が広すぎる「韓国産ホラー映画」おすすめ5選<『怪談晩餐』公開中!>

振り幅が広すぎる「韓国産ホラー映画」おすすめ5選<『怪談晩餐』公開中!>


ここ数年のホラー映画ブームは目を見張るものがあり、復調の兆しを見せるJホラーだけでなく、ハリウッドや台湾、タイなど世界各地のホラー譚が観客を震え上がらせている。

7月19日に公開を迎えた『怪談晩餐』も、お隣り韓国からやってきたホラー映画。韓国映画といえばノワールアクションや『パラサイト 半地下の家族』のようなサスペンス映画が定番だが、以前からホラー映画の良作も多い。

そこで今回は、『怪談晩餐』も含めて夏の夜にぴったりな「韓国産ホラー映画」5作品を紹介していこう。

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1:『怪談晩餐』

■「恐怖」の方向性が異なる6つの物語

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カカオウェブトゥーンで連載され、Z世代やα世代から絶大な支持を得たホラー漫画を原作に、6つの物語が映画化された本作。

“願いが叶うダンス”に頼るあまり禁忌に手を出してしまった若者の悲劇を描く「ディンドンチャレンジ

ドッペルゲンガーに教わった“成績アップの秘訣”が残酷かつ驚愕の結末へと導く「四足獣

“いわくつき”のモーテルにたどり着いた“ワケあり男”の顛末を見届ける「ジャックポット

“ある事故”をきっかけに、絶対に破ってはいけないルールが設けられた「入居者専用ジム

危険なウイルスに感染した消防士に課されたリハビリ…… やがて残酷な真実が明らかになる「リハビリ

大食い配信者同士の思惑が醜いほどに絡み合い、生理的嫌悪感を誘発する現代ホラー「モッパン

いずれの作品もそれぞれに個性を打ち出しており、似たようなストーリーはひとつとしてない。ゴア描写も辞さないエピソードもあり、クラシカルホラーから現代の寓話、SF的な設定までテーマ性は幅広い。言うなれば韓国版「世にも奇妙な物語」といったところか。

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また本作はホラーという共通項以外に、登場人物たち(主人公あるいはサブキャラクター)の「エゴ」が根底にある点にも注目してほしい。身勝手な行動が悲劇を招くことがあれば、傲慢さが悲劇を生むこともあるのだ。

いずれも気合の入った力作ばかりだが、個人的に「短編で終わらせるのはもったいない」と感じたのが「四足獣」。過剰な描写には走らず観客に想像させる血糊表現、主演シン・ウンスの闇堕ちしていく怪演ぶり、そしてタイトルを回収する終盤のウンスの仕草に思わずぞくりとしてしまった。

2:『オクス駅お化け』

■日本からホラーマスター・高橋洋&白石晃士参戦!

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お世辞にも清潔感があるとはいえない、むしろ薄汚れた感のある地下鉄駅。人気のないホームに立つ体を反り曲げた人物。もうポスタービジュアルの段階でおどろおどろしい。

本作は『リング』シリーズでお馴染み高橋洋が共同脚本を手掛け、『貞子vs伽椰子』の白石晃士が脚本協力として参加した日韓合作ホラー。『オクス駅お化け』というタイトルも怪談に慣れ親しんだ日本人にとって絶妙なネーミングといえるだろう。

2011年に発表された短編ウェブトゥーンを原作にした本作。「オクス駅」とはソウルに実在する駅であり、本編でも描かれる地下の廃駅も実在しているという点が生々しい肌触りを生み出している。

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物語はキム・ボラ演じる記者ナヨンが“ある人身事故”の取材を始めたことがきっかけで動き出し、「線路に子供がいた」という目撃証言や「口にしてはいけない数字」といった不可解な情報が次々と提示されていく。やがてオクス駅にまつわる怪異をめぐり、思わぬ“根源”へたどり着くことに……。

さすが高橋洋脚本とあって、大元の都市伝説に「呪い」「凄惨な死」「謎解き」「呪いを回避するルール」といった『リング』にも通じる要素が散りばめられているところに思わずニヤリとしてしまう。

もちろん韓国映画らしさもしっかり出ており、Jホラーのようであり韓国ホラーでもあるハイブリッドな作品となった。

▶︎『オクス駅お化け』を観る

3:『ワーニング その映画を観るな』

■呪われたホラー映画がもたらす終わらない恐怖

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映画の中で映画が描かれる作品といえば、名作『ニュー・シネマ・パラダイス』や伊藤万理華主演の『サマーフィルムにのって』、スマッシュヒットを記録した『今夜、ロマンス劇場で』など挙げ出してみると意外に数は多い。

主にドラマ作品で効果を発揮する劇中作の仕掛けだが、実はホラー映画こそ最も効果を発揮するジャンルではないだろうか。本作も『その映画を観るな』というタイトルが示すとおり、作中では「呪われたホラー映画」がひとつのテーマとなる。

ある学生が監督したその作品は、上映時に観客の大半が逃げ出し心臓発作で死人まで出たと伝えられているほど。そんなホラー映画に新人映画監督ミジョンが(よせばいいのに)興味を抱き、新作映画のネタにと調査を開始したことから、禁断の扉が開いてしまう。

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本作はソ・イェジ演じる主人公が映画監督であること、呪いの映画をテーマにしていること、さらに映画館が要所要所で舞台となることから、“映画好き”にこそ楽しんでほしい1本。Jホラー『女優霊』にも通じるところで、「映画づくりの雰囲気を知っている」からこそ、その恐怖を身近に感じられるはずだ。

イェジはその後サスペンスミステリー『君だけが知らない』でも好演を見せ、呪いの映画を監督した男を演じるチン・ソンギュは『エクストリーム・ジョブ』や『マイ・スイート・ハニー』のコメディ演技でもお馴染み。

本編尺86分と比較的短い作品ながら、その分ぎゅっと凝縮された恐怖をじっくり味わってみてはいかがだろう。

▶︎『ワーニング その映画を観るな』を観る

4:『カル』

■この謎は一度観ただけでは解けない

南北朝鮮の緊張を描いた『シュリ』の爆発的ヒットで改めて注目を集めた韓国映画。その『シュリ』で主演を務めたハン・ソッキュが主人公のチョ刑事を演じた『カル』では、ソウルで発見された複数のバラバラ死体が観る者を出口の見えない迷宮へと誘っていく。

直接的なゴア描写や出血描写が多く、振り続ける雨が事件の真相を押し流してしまうような、『セブン』にも似た雰囲気のハードゴア・スリラーだ。

事件の鍵を握る人物として浮上するのは、シム・ウナ演じる儚げな美しさを湛えたチェ・スヨン。見つかった被害者が全員スヨンと恋愛関係にあったことが判明する一方、犯行動機が読めなかったり被害者の欠落した部位が見つからなかったりと、警察の捜査は行き詰まることに──。

連続バラバラ猟奇殺人を描いた本作は、「ある程度の輪郭」こそ真相編で明かされるものの、すべての「答え」が提示されるわけではない。そのモヤモヤ感が本作の評価を分けてもいるが、繰り返し観ることで真相にたどりつくというチャン・ユニョン監督の思惑がなんとも心憎い。

少なくとも超常現象やオカルト要素はないので“そういった類のホラー”ではないものの、やはり猟奇殺人を主題としたゴア描写や作品全体を支配する陰鬱な雰囲気はホラー映画に通じるものがある。

我こそはというミステリファンは、ぜひ真相解明に挑んでほしい。

5:『箪笥<たんす>』

■悲哀感が漂うクラシカル・ホラーの秀作


精神科病棟の少女。湖畔に佇む屋敷を訪れたふたりの姉妹。屋敷に現れる幽霊。継母による虐待と噛み合わない父娘の会話。そして、箪笥──。韓国の古典怪談を原作にした本作ほど、悲劇的で哀しいホラー映画はないのではないだろうか。

本編冒頭こそ精神科病棟から始まるものの、物語はスミとスヨンの姉妹が父親の住む屋敷を訪れたことから動き出す。スミは継母ウンジュに対して嫌悪感をあらわにし、スヨンは箪笥から現れた幽霊を目にすることに。屋敷全体を包む不気味な雰囲気に飲み込まれながら、観客は父親・継母・姉妹が生む歪な空気感に否応なく気づかされるはずだ。

本作はホラー映画でありながら、数々の伏線とミスリードを周到に張り巡らせたテクニックが実に鮮やか。いわゆる2度目の鑑賞以降は物語の捉え方がガラリと変わるタイプの作品で、いかに脚本に細心の注意を払い、いかに一つひとつの演出が繊細だったか驚くことになる。

いずれにせよ、血を浴びた姉妹の姿が印象的なメインビジュアルが示すとおり、本作はハッピーエンドが訪れるような作品ではない。なぜ父と娘の会話にズレが生じるのか。なぜ継母ウンジュは虐待を行うのか。

本作に散りばめられた「疑問」がひとつの答えにたどり着いた時に押し寄せる悲壮感は、いつまでも観る者の心に残り続ける。

▶︎『箪笥<たんす>』を観る

まとめ

韓国産ホラー映画では、他にもPOVホラー『コンジアム』やマ・ドンソクを一躍有名にした『新感染 ファイナル・エクスプレス』、國村隼の怪演ぶりが話題の『哭声/コクソン』などが有名。

ホラー映画にしていずれもテイストがまったく異なっており、それだけ韓国映画におけるホラー作品の振り幅が広いという何よりの証拠でもある。

今後どのようなタイトルが映画ファンの注目を集めることになるのか、ぶるぶると身を震わせながら待ちたい。

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