『おむすび』デカ長と呼ばれるお父さんの束縛っぷり【第6話】
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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。
平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。
ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第6回を紐解いていく。
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ギャル文字読めない
第2週「ギャルって何なん?」(演出:松木健祐)はギャルの掟3か条からはじまりました。ハギャレンと友達になった結(橋本環奈)。ケータイ番号を交換したらさっそくメールで「緊急招集」がかかります。
慌てて自転車と電車をとばして1時間もかけて天神のゲーセンに向かうととくに用事はなく……。
来るか、来ないか、賭けられていただけでした。
結のバカ正直さやお人好しっぷりがよくわかります。先週、すずりん(岡本夏美)が倒れたこともあったので、また何かあったと思ったのかもしれませんが。
ギャルの掟
1:仲間が呼んだらすぐ駆けつける
2:他人の目は気にしない。自分が好きなことは貫け
3:ださいことだけは死んでもするな
ギャルの掟に「しょーもな」と呆れる結。友達になるのはいいが(いいのか!)、周囲に友達だと言わないでほしいと頼みます。微妙に差別的ですが、そんなにギャルは世間から忌み嫌われているのか、筆者はギャル文化(と世間の位置づけ)をよくわかっていないのでいまひとつピンときません。外観が独特なので、つい線引したくなるのでしょうか。
結がほのかに憧れ中の風見先輩(松本怜生)が、真面目で上品なので、ギャルを好きではないだろうと結は思っているので、ギャルと友達と知られて嫌われないように用心しているのかもしれません。
風見先輩は、結が書道展をすっぽかしても、怒らず、また行こうと優しく接してくれます。ますます好感度があがります。
ハギャレンとつるんでいたため、帰宅が遅れた結は、書道部の人たちとハンバーガーを食べていたと嘘をつきます。
聖人(北村有起哉)は、ハンバーガー?どこの店で?何バーガーを食べたんだ?等々と細かく問い詰め、愛子(麻生久美子)に「デカ長」とからかわれます。
「デカ長」なかなか愉快なたとえです。平刑事ではなく、デカ長というわりとえらい役割でよかった。
結は、平日書道部、土日ギャルとの交流と忙しい日々がはじまりました。糸島フェスティバルでパラパラを一緒に踊ろうと言われ、断ると、プリクラを家族に見せると脅されて……。
脅迫とは由々しき行為です。
このドラマはそういう話ではないとわかってはいますが、ついつい情にほだされて悪い友達にずるずると巻き込まれてしまうこわさを感じます。繰り返しますが、「おむすび」はそういう話では決してないはずです。脚本家の根本ノンジさんは「ギャルに対してあまりいい印象を持っていないかたもいるかもしれませんが、今回のドラマに出てくるギャルたちは、とてもクリーンでいい子たちばかりです」とインタビューで語っていました(Yahooニュースエキスパート〈「やっぱり第1週から橋本環奈さんを見たいよね」『おむすび』脚本家の素直な思い〉より)
(文:木俣冬)
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