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2024年11月19日

Hong Kong Films @ Tokyo 2024 特別セミナーレポート:香港映画の未来に触れる2つの熱いセッション【PR】

Hong Kong Films @ Tokyo 2024 特別セミナーレポート:香港映画の未来に触れる2つの熱いセッション【PR】

香港映画発展局(HKFDC)、文化産業発展処(CCIDAHK)、香港貿易発展局(HKTDC)の共催イベント「Hong Kong Films @ Tokyo 2024」が、2024年10月30日から11月1日までの3日間、東京国際映画祭と併催される「TIFFCOM(映像コンテンツマーケット)」で開催されました。

映画ファンの熱気に包まれた2つのセミナー

会期2日目の10月31日には香港映画の可能性を探る2つの特別セミナーが行われました。

会場には、映画ファンや業界関係者が熱気を帯びた雰囲気の中集い、香港映画の革新性と未来について貴重な議論が交わされました。

会場の臨場感や登壇者たちの情熱に満ちた言葉が響く中、香港映画の持つ力と魅力が存分に披露されました。

 第一部「香港-アジア映画共同製作助成制度 受賞プロジェクトの成功事例

左からマギー・リー氏(モデレーター)、スタンリー・クワン氏、松永大司氏、ジュン・リー氏、古賀俊輔氏、ヴィンシー・チュク氏
 
第一部では、香港とアジア諸国の共同制作の成功事例を紹介するセッションが行われ、会場は早くから期待感に包まれていました。

香港映画育成のための「香港―アジア映画共同制作助成制度(HK-Asian Film Collaboration Funding Scheme)」によって約900万香港ドル(約110万米ドル)の助成金を獲得した『酒色男女(All the Things We Have Done Wrong That Led Us to This)』と『38.83』の製作チームが登壇し、それぞれの作品に込めた思いや制作過程でのエピソードが語られました。

『酒色男女』のプロデューサーを務めるスタンリー・クワン氏は、長年香港映画界を支えてきた自負がにじむ穏やかな笑みを浮かべ、「異なる文化の融合が作品に深みと新たな視点をもたらす」と話し始めました。

監督の松永大司氏と脚本家のジュン・リー氏とともに制作に携わりながら、香港と日本の恋愛物語を描いたこの作品について、彼は「主役二人の魅力とエンディングの感動が際立つ脚本だ」と絶賛しました。クワン氏の言葉に引き込まれる観客たちは、香港映画の未来に対する彼の強い期待を感じ取りました。

松永監督は、「文化の違う人たちと映画を作るのは大変だが、アジアの素晴らしいフィルムメーカーたちと出会うことで新しい可能性を見出したい」と語り、異文化の融合がもたらす制作の面白さを語りました。また、ジュン・リーが助成金の活用に精通していることにも言及し、「日本のインディペンデント映画業界も資金調達の方法を学ぶ必要がある。映画制作はお金が必要であり、このプロジェクトは自分にとっても大きな挑戦」と述べました。
自身の世代が果たすべき役割として、こうした新しい制作の試みに挑戦し続けることが重要であると使命感を語りました。

脚本家のジュン・リー氏は、作品に香港の現代社会を反映させるために「香港の社会問題を取り入れつつも、普遍的なテーマを伝えることが重要だ」と述べました。
香港と日本の文化的な違いを超え、共通する普遍性を作品に盛り込むことで観客に深い共感を呼び起こしたいという彼の言葉に、会場には大きな共感が広がり、「映画というメディアの力」を改めて実感させる瞬間となりました。


『38.83』のプロデューサー古賀俊輔氏は、香港の監督兼脚本家であるヴィンシー・チュク氏とタッグを組み、映画制作における国際的な協力の課題について語りました。

古賀氏は「国が違えば、育ち方も学び方も違う。だが、こうした違いが作品に新たな深みをもたらす」とし、香港と日本の文化的背景の違いを克服しながら新たなチャレンジを続ける意義を強調しました。

また、チームのスタッフィングや体制を整え、来年の撮影に向けて本格的に取り組んでいることを述べ、観客からは大きな期待が寄せられました。

このセミナーを通じ、国際共同制作の成功例が示されたことで、香港と日本の映画業界が互いに補完し合い、より豊かな映画制作の可能性を切り開いていくことが期待されます。

左からスタンリー・クワン、マギー・リー(モデレーター)、松永大司、ジュン・リー、古賀俊輔、ヴィンシー・チュク


第二部「カンフー映画: 過去、現在、そして未来」


第二部のセッションでは、香港アクション映画の歴史と未来に迫る特別な議論が展開されました。

登壇したのは、香港映画界の伝説的存在であるサモ・ハン氏、日本のアクション俳優倉田保昭氏、そしてアクション監督の谷垣健治氏です。

彼らが語るカンフー映画の進化や伝統への熱い思いが会場全体に響き、観客は息をのむようにその一言一言に耳を傾けていました。

サモ・ハン氏が壇上に立つと、会場全体が緊張感と期待でざわめきました。「カンフー映画は香港の文化そのものだ」と語るサモ氏は、「カンフー映画には、命を懸けたリアリティが必要」と強調しました。


彼が幼少期から京劇や武道の修行を積み、俳優、武術指導、監督、プロデューサーとしての地位を築き上げた背景が、彼の言葉に一層の説得力を与えました。
さらに、「私が唯一恩返しできるのは努力。それしかありません」と述べ、映画作りと武道に対する深い愛情と誇りを示しました。

サモ氏はまた、香港映画の武術に対するリスペクトが業界全体で広がり、アクション映画制作チームに対する賞の創設が進んできた経緯にも触れ、「全てのアクション映画製作者や武術家が敬意を払われるべきだ」と熱い思いを語りました。彼の言葉には、業界の変化に対する感謝と共に、伝統を守る姿勢が感じられ、観客もその情熱に深く共感しました。

続いて倉田保昭氏は、自身が数多くの香港アクション映画に出演し、現場で培った経験を語りました。彼は初めて香港映画に出演した1970年代を振り返り、「ここでは武術をメインにした映画がこれほど多く制作されていて驚きました」と述べ、現場での厳しい撮影体験を振り返りました。「NGが出ると30回以上撮り直すこともありましたが、それだけ徹底しているということです」と倉田氏は語り、徹底したリアリティと緻密な準備がいかに香港アクション映画の特長であるかを強調しました。また、「78歳の今も現役でいられるのは、香港アクションのおかげです」と感謝の意を表し、観客から大きな共感の拍手を受けました。

最後に谷垣健治氏が、香港アクション映画の持つスピード感とリアリティがどのように現代に生かされているかについて語りました。彼は「技術が進化しても、人間の動きと感情がアクション映画の核心」と述べ、香港アクション映画が培ってきたリアルな動きの価値を力説しました。さらに「伝統的な武術と最新技術の融合が、新しいアクションの形を生む」と述べ、自身が手がけた『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』での経験をもとに、香港映画から受けた影響の大きさを語りました。また、「サモさんが世界中に影響を与え続けている」と敬意を表し、観客からも賛同の声が上がりました。

最後のQ&Aセッションでは、観客から「香港映画を応援するために私たちファンにできることは?」という質問が飛び出しました。これに対してサモ・ハン氏は、「香港映画のチケットを買って観てください。これが一番簡単な方法です」と冗談交じりに笑顔で返答し、「観客の支持なしには私たちは輝けません。引き続き支えてください」と願いを込めて語り、会場は温かい拍手に包まれました。

このセッションを通じて、観客は香港映画の革新と伝統の奥深さに触れ、カンフー映画がいかにして人々の心に残る作品を作り出してきたのかを強く感じたことでしょう。


左からマギー・リー氏(モデレーター)、サモ・ハン氏、倉田保昭氏、谷垣健治氏

TIFFCOM 2024で行われたこの2つの特別セミナーは、香港映画が持つ力とその未来への期待を感じさせる内容で、観客にとって忘れがたい体験となりました。

国際共同制作の魅力やカンフー映画の革新が深く議論され、香港映画が持つ豊かな文化的背景と革新性が示されました。

香港映画の魅力をあますところなく伝えた「Hong Kong Films @ Tokyo 2024」


「Hong Kong Films @ Tokyo 2024」は、香港パビリオンが初めて設置され、国際的に注目される映画制作会社が一堂に会し、映画制作だけでなく、配信、マーケティング、投資など、映画業界のさまざまな分野に関わりながら、香港映画の発展に大きく貢献していることがよくわかる機会でした。

香港映画がこの先どのように進化し、世界中の観客にさらなる感動を届けるのか、その動向に期待が高まります。

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