「おむすび」八重ちゃん、急変【95回】

続・朝ドライフ

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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。

平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第95回を紐解いていく。

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そのとき花はーー

病院は大変。日々、患者さんの病状が上下して、携わる人達は気が休まりません。

麻利絵(桧山ありす)と母親が揉めていると連絡が入り、結(橋本環奈)は慌てて病室に駆けつけます。この間の潰瘍性大腸炎の患者さんのときもそうでしたが、ドアの外に駆けつけ、ノックして声をかけると、急に中で大騒ぎしている声が大きく聞こえてきます。まるで、ドアの外からノックして声が聞こえたら芝居をはじめてくださいと取り決められている段取りのように。おもしろすぎて笑ってしまうので、ドアの前にたどりつく前から揉めている声が漏れ聞こえているように音をつけることはできないものなのでしょうか。これも働き方改革の弊害でしょうか。

母親がうざくて退院すると言う麻利絵に、結はこのまま退院したら一生後悔すると説得します。どんなに痩せても好きなことができない不健康なカラダでは意味がないからです。麻利絵はたくさん料理を食べさせた母親のせいで痩せられない体質になったと思っています。結は「どれだけうざいと思われても親って自分のことより自分の子どものことが何より大切なんや」と説きます。

結が花(宮崎莉里沙)をそこまで大切にしているエピソードがなく放任主義ぽく見えるため、説得力がないのですが、そこは昨日の愛子(麻生久美子)が、娘たちにも迷惑がかかると思ってブログを閉鎖したようにも解釈できるため(なんなら、娘たちを育てるために、愛子は自分の好きなことを長らくしないできて、ブログでようやく好きなことができていたとも言える)、その気持ちを受け止めてのセリフなのかもしれません。

結の言葉で、麻利絵はようやく気持ちが落ち着いた様子。でも一難去ってまた一難。糖尿病の八重ちゃん(徳田尚美)が体調良好かと思いきや、急変し、手術することに。膵臓に腫瘍があったことを医師も看護師も見逃していたのです。管理栄養士の領域ではないと思うのですが、八重の夫・伸彦(や乃えいじ)は彼女が最も信頼していた結を責めます。たぶん医師や看護師のことも責めているでしょう。

すっかり落ち込んだ結に花がおむすびを差し出します。「食べり」「美味しいもの食べたら悲しいことちょっとは忘れられるやろ」とすっかり結の口癖になっています。やっぱり母子〜という場面でしょう。

では、ここで、昨日報じられた橋本環奈さん、クランクアップでのコメントをご紹介しましょう。

クランクアップ用に作られた『おむすび』のダイジェスト映像を見て、涙涙のシーンや、笑い合う日常

のシーンなど、このスタジオで本当にたくさん撮影したことを思い出して感涙しておりました。

私は、米田家のたわいもない会話などのシーンがすごく好きでした。『おむすび』は見ている方に

とって親近感のわく作品なんだと思っています。米田結ちゃんは、偉大とか、何かを成し遂げたと

か、教科書に載るような人では無いけれど、結ちゃんを演じながら、「1 人 1 人それぞれが生きてい

て、世界の中で繋がって支え合っているんだな」と、たくさん学んだり思うことがありました。

これだけたくさんのスタッフの方と、ロケやこのスタジオでたくさん撮影ができて本当に楽しかっ

たです。また、エキストラ含め2000人を超える方に出演していただいたことに驚いています。

本当にありがとうございました!


番組のクランクイン は24年の年3月23日、スタジオでの撮影終了は25年の 2月7日。およそ1年も撮影していたことになります。半年の放送に1年!途方もない作業であります。その間、ロンドンで舞台に出たり、映画を撮影したり、紅白の司会をしたり。大忙しだった橋本さん。忙しいのに朝ドラに出てくれてありがとう(朝ドラファンとしてのお礼です)。ほんとうにお疲れ様でした!

(文:木俣冬)

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–{「おむすび」第19週あらすじ}–

「おむすび」第19週あらすじ

第19週 「母親って何なん?」(2/10-2/14)

理容師になりたいと思った翔也は、聖人(北村有起哉)に弟子入りを志願。聖人は経済的なことを心配するが、愛子(麻生久美子)の応援で正式に見習いとなる。一方、結は病院で女子高生の曽根麻利絵(桧山ありす)の担当になるが、栄養不足なのにダイエットにこだわり必要量の食事をとらないことに困っていた。しかも、食べない理由が可愛くなりたいからと言われ、自分がギャルで可愛くなることに積極的なだけに、どう対応したらいいのか悩んでしまう。そんな折、歩(仲里依紗)は繁華街で愛子が密かに男と会っているのを発見する。

–{「おむすび」作品情報}–

「おむすび」作品情報

放送予定
2024年9月30日(月)より放送開始

出演
米田結(よねだ・ゆい)/ 橋本環奈
『おむすび』の主人公。平成元年生まれ。 自然豊かな福岡県・糸島で、農業を営む家族と暮らしている。 あることがきっかけで、人々の健康を支える栄養士を志すようになる。

【結の家族・米田家の人々】

米田歩(よねだ・あゆみ)/ 仲里依紗
主人公・結の8つ年上の姉。
福岡で“伝説のギャル”として知られる。 奔放な振る舞いで米田家に波乱を巻き起こすが、ギャルになった裏にはある秘密が…。
主人公・結の父。 娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。 奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。 元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。

米田聖人(よねだ・まさと)/ 北村有起哉
主人公・結の父。
娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。 奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。 元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。

米田愛子(よねだ・あいこ)/ 麻生久美子
主人公・結の母。
結の祖母・佳代と家事をしながら、聖人の営む農業を支えている。 絵を描くのが得意。

米田永吉(よねだ・えいきち)/ 松平健
主人公・結の祖父。
野球のホークスファンで、自由奔放な“のぼせもん”。 困っている人がいたら放っておけない、情に厚い性格。

米田佳代(よねだ・かよ)/ 宮崎美子
主人公・結の祖母。
古くから伝わる先人たちの知恵に明るく、結が困った時の良きアドバイザーでもある。

【福岡・糸島の人々】

四ツ木翔也(よつぎ・しょうや)/ 佐野勇斗
福岡西高校に野球留学中の高校球児。
四ツ木という姓と眼鏡姿から「福西のヨン様」と呼ばれている。 糸島に練習場があり、結と時々出くわす。栃木県出身。

古賀陽太(こが・ようた)/ 菅生新樹
結の幼なじみで高校のクラスメイト。野球部員。
父は糸島の漁師だが家業を継ぐ気はなく、IT業界を目指している。 ある約束により、結のことを何かと気にかけている。

風見亮介(かざみ・りょうすけ)/ 松本怜生
書道部の先輩。
結にとって憧れの存在。 書道のイメージを一新するような書家を志している。

宮崎恵美(みやざき・えみ)/ 中村守里
結のクラスメイトであり、高校での最初の友達。
結を熱心に書道部へと誘う。 派手なギャルが苦手。

真島瑠梨(ましま・るり)<ルーリー>/ みりちゃむ
結の姉・歩が結成した「博多ギャル連合」(略してハギャレン)の、現在の総代表。
ハギャレンの復興を目指している。

佐藤珠子(さとう・たまこ)<タマッチ>/ 谷藤海咲
ハギャレンのメンバー。
子どものころからダンス好きで、ハギャレンではパラパラの振付を担当。 筋が通らないことを良しとしない、一本気タイプ。

田中鈴音(たなか・すずね)<スズリン>/ 岡本夏美
ハギャレンのメンバー。
結と同い年で、いつもスナック菓子を食べている。 手先が器用で、ネイルチップ作りが趣味。

柚木理沙(ゆずき・りさ)<リサポン>/ 田村芽実
結のクラスメイト。
学校では校則を守るおとなしい女子高生だが、実は隠れギャル&ハギャレンメンバーでもある。ギャルの歴史を本にすることが夢。

ひみこ / 池畑慎之介
糸島の「スナックひみこ」の店主。
年齢、性別、経歴、すべてが不詳の謎の人物。 糸島の住人一人一人の事情をなぜか把握している。

草野誠也(くさの・せいや)/ 原口あきまさ
糸島の商店街で陶器店を営んでいる。
ホークスの大ファン。

古賀武志(こが・たけし)/ ゴリけん
結の幼なじみ・陽太(ようた)の父親。
糸島で漁師をしている。

大村伸介(おおむら・しんすけ)/ 斉藤優(パラシュート部隊)
糸島の商店街で薬店を営んでいる。
ホークスの大ファン。

井出康平(いで・こうへい)/ 須田邦裕
結の父・聖人(まさと)の幼なじみ。
糸島の農業を何とかしたいと日々奮闘している。

佐々木佑馬(ささき・ゆうま)/ 一ノ瀬ワタル
結の姉・歩と行動を共にする“自称・米田歩のマネージャー”。

大河内明日香(おおこうち・あすか)/ 寺本莉緒
結の姉・歩と対立していた、元天神乙女会のギャル。

飯塚恭介(いいづか・きょうすけ)/ BUTCH
福岡県博多のカフェバー「HeavenGod」の店長。


根本ノンジ

音楽
堤博明

主題歌
B’z「イルミネーション」

ロゴデザイン
大島慶一郎

語り
リリー・フランキー

制作統括

宇佐川隆史、真鍋 斎

プロデューサー
管原 浩

公式サイト

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