世界が認めた俳優・真田広之──『SHOGUN 将軍』と日本映画の軌跡

金曜映画ナビ
“SHŌGUN” -- Pictured: Hiroyuki Sanada as Yoshii Toranaga. CR: Kurt Iswarienko/FX

映画やドラマの世界で確固たる地位を築き、ハリウッドと日本を股にかけて活躍する俳優・真田広之。その名を世界に知らしめたのは、彼の圧倒的な演技力と身体能力、そして日本人としての誇りを持った役柄の数々だ。

2024年、真田広之は『SHOGUN 将軍』で主演とプロデューサーを務め、その実力を世界に証明した。さらに、2025年にはアメリカ合衆国テレビ業界の最高峰であるエミー賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞テレビドラマ部門主演男優賞を受賞。両賞の受賞は、日本人俳優として史上初の快挙となった。

今回は、そんな真田広之の最新作『SHOGUN 将軍』を称えつつ、彼の原点ともいえる日本映画4作品を振り返り、その魅力を紐解いていく。


『SHOGUN 将軍』──真田広之が世界に証明した“サムライ”の魂

2024年にディズニープラスSTARオリジナルシリーズとして配信された『SHOGUN 将軍』は、ジェームズ・クラベルの同名小説を原作とし、江戸時代初期を舞台に、戦国大名の権力争いと異国の影響を描いた壮大な歴史ドラマである。

© 2025 Disney and its related entities

あらすじ

物語の中心となるのは、真田広之演じる吉井虎永。イギリス人航海士ジョン・ブラックソーン(コズモ・ジャーヴィス)を迎え入れ、武士としての生き様を見せながらも、彼自身が権力の渦に巻き込まれていく。西洋の価値観と日本の武士道が交差するなかで、彼の冷徹な決断と揺るぎない信念が試されていく。

“SHŌGUN” — Pictured: Hiroyuki Sanada as Yoshii Toranaga. CR: Kurt Iswarienko/FX

Courtesy of FX Networks

見どころ

  • 圧倒的な演技力:真田広之が演じる虎永は、静と動を巧みに操り、凄みと気品を兼ね備えたキャラクターとして描かれる。彼の眼差しひとつで語られる葛藤と覚悟が観る者の心を揺さぶる。
  • ハリウッドの技術と日本の精神の融合:アメリカの最新映像技術を駆使しながら、日本文化の繊細な描写を徹底。侍の誇り、忠誠心、戦国時代の生き様が、まるで絵巻物のように映し出される。
  • 共演者との化学反応:コズモ・ジャーヴィス演じるジョン・ブラックソーンとの緊張感あふれる対話、アンナ・サワイ演じるマリコとの心の通い合いが、ドラマに深みを与えている。

© 2025 Disney and its related entities

ディズニー傘下のFXが製作した『SHOGUN 将軍』ディズニープラスで全話独占配信中

『SHOGUN 将軍』公式ページ:https://disneyplus.disney.co.jp/program/shogun

『SHOGUN将軍』ディズニープラス視聴ページ:https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/shogun/77sCbAqhMU5H

© 2025 Disney and its related entities

Courtesy of FX Networks

真田広之の日本映画4選──彼の原点に迫る

1.『必殺4 恨みはらします』(1987年)──伝説の時代劇シリーズに名を刻む

(C)1987 松竹株式会社・朝日放送株式会社

『必殺』シリーズの劇場版第4作。真田広之は、本作で初めて 悪役 に挑戦。敵役の奥田右京亮を演じ、冷酷ながらも知略に長けたキャラクターで視聴者を圧倒した。

見どころは、千葉真一との対決。 アクションの名手である千葉との一騎打ちは、圧巻の殺陣シーンが展開される。また、藤田まこと演じる中村主水との心理戦も見逃せない。個性豊かな必殺仕事人たちが交錯し、スリル満点のストーリーが展開される。

(C)1987 松竹株式会社・朝日放送株式会社


2.『僕らはみんな生きている』(1993年)──サバイバルとコメディの奇跡的融合

(C)1993 松竹株式会社

滝田洋二郎監督による、サバイバルとコメディが絶妙に融合した作品。ジャングルに取り残された日本人たちが必死に生き抜こうとする物語。

真田広之が演じる高橋は、常に冷静な技術者。しかし、岸部一徳や山崎努といった 名優たちとの掛け合い が、本作の最大の魅力。シリアスなサバイバル環境の中に、ふとした瞬間のユーモアが挟み込まれ、緊張と緩和のバランスが絶妙だ。

「絶対に観たくなる!」ポイントは、リアルなジャングルロケと、予測不能な展開。 まるで自分がその場にいるかのような臨場感と、予想外の出来事が次々と巻き起こる。

(C)1993 松竹株式会社

(C)1993 松竹株式会社


3.『EAST MEETS WEST』(1995年)──侍と西部劇の融合が生んだ異色作

(C)1995 Shochiku・FFE・KihachiProduction

時代劇と西部劇が融合した異色のアクション映画。真田広之が演じる侍・上條健吉が、アメリカ西部の開拓地を旅する。

共演の竹中直人、仲代達矢、岸部一徳といった 豪華俳優陣との絡みが見どころ。 竹中演じる為次郎との掛け合いは、時代劇らしい堅苦しさを吹き飛ばす軽妙なやり取りが魅力。岸部一徳が演じるジョン万次郎とのシーンも印象深く、日本とアメリカの文化の違いを巧みに表現している。

アクションはもちろんのこと、 侍が西部の無法者と対峙するシュールな絵面 が斬新で、何度観ても飽きない作品だ。

(C)1995 Shochiku・FFE・KihachiProduction


4.『たそがれ清兵衛』(2002年)──時代劇の金字塔

山田洋次監督が手掛けた時代劇の傑作。真田広之が演じる井口清兵衛は、家族のために日々を生きる下級武士。しかし、運命は彼を大きく変えていく。

本作の最大の魅力は、宮沢りえとの心の通い合い。 朋江役の宮沢との切なくも美しいやり取りが、観る者の涙を誘う。田中泯演じる余吾善右衛門との 壮絶な決闘シーン も見逃せない。

映画全体が 圧倒的なリアリズム に包まれ、静かながらも緊張感あふれるドラマが展開される。これぞ、日本映画の真髄だ。


真田広之の魅力──演技の武士道を貫く俳優

真田広之の魅力は、その 圧倒的な演技力幅広い役柄への適応力 にある。彼が演じるキャラクターは、どれも 生きた人物 として存在する。次なる活躍に期待しつつ、彼の過去作を振り返り、その才能を改めて堪能してほしい。

配信サービス一覧

『必殺4 恨みはらします』
U-NEXT 
Lemio
Amazon Prime Video
J:COM
FOD
RakutenTV
AppleTV+

『僕らはみんな生きている』
U-NEXT
Hulu 
Lemio
Amazon Prime Video
FOD
RakutenTV
AppleTV+

『EAST MEETS WEST』
U-NEXT
Hulu 
Lemio
Amazon Prime Video
FOD
AppleTV+

『たそがれ清兵衛』
U-NEXT
Hulu 
Lemio
Amazon Prime Video
J:COM
FOD
RakutenTV
AppleTV+

タイトルとURLをコピーしました