デミ・ムーア完全復活!想像の100倍、壮絶で美しい――『サブスタンス』が突きつける“若さと美”の正体。そして、今こそ観たいマーガレット・クアリーの原点『ナイスガイズ!』

金曜映画ナビ

今、劇場が悲鳴と拍手に包まれる映画が公開中。

(c)2024 UNIVERSAL STUDIOS

その名は『サブスタンス』。

主演はかつてハリウッドのトップに君臨しながら、長らく表舞台から遠ざかっていた女優、デミ・ムーア
そしてもう一人、観る者を震わせる怪演を披露したのが、今注目の若手実力派マーガレット・クアリーだ。

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本作は、第77回カンヌ国際映画祭で脚本賞、第97回アカデミー賞では主演女優賞を含む5部門にノミネートされ、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞。
2025年、映画界の賞レースを席巻した“最も危険で、美しい問題作”である。

惨劇も、狂気も、美しさもすべて引き受けた――『サブスタンス』が描く「自分の若さに殺される女」

舞台は現代のハリウッド。
50歳の誕生日を迎えたかつての人気女優エリザベス・スパークル(デミ・ムーア)は、
加齢を理由にエアロビ番組のレギュラーを降板させられ、自信と存在価値を喪失していく。

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ある日、彼女の元に届いた“若さと美を取り戻せる”という違法再生医療《サブスタンス》。
躊躇いながらも手を出した彼女の背から、生まれ出たのは――

若さ、美貌、キャリアの記憶、すべてを備えた完璧な別人格「スー(マーガレット・クアリー)」だった。

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スーは瞬く間にスターとなり、ハリウッドを席巻。
だが、二人の関係には「1週間ごとに肉体を交換しなければならない」という決して破ってはならないルールが存在した。

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やがてスーはそのルールを破り、次第に自我を持ち暴走していく。
美しさに支配され、快楽と欲望にまみれた果てに、ふたりは“人間”としての境界を喪失し――

スーの肉体は怪物と化し、エリザベスの死とともに、真の地獄が幕を開ける。

デミ・ムーア、波瀾万丈のキャリアからの“本気の復活”

『ゴースト/ニューヨークの幻』や『陪審員』で一世を風靡しながらも、長く“過去の人”扱いされていたデミ・ムーア。


しかし本作では、若さにすがり、崩れてゆく人間の苦悶と哀しみを、全身で引き受けた。

出かける直前、鏡の前で何度もメイクを塗り直すが、その度に醜く崩れていく――。
そんな冒頭のシーンだけで、本作の世界観は観客の心を掴んで離さない。

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SNS上には、

「“想像の100倍以上”に狂ってて最高」
「最後の10分、映画館が静まり返った」
「ムーアの演技に泣いた。彼女の復活を観届けてほしい」

と、絶賛と阿鼻叫喚が溢れ、各地で満席続出のヒットスタートを記録。

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デミ・ムーアは、いま再び、
年齢も名声も超え、“魂を削る演技”で女優の本質を証明した。

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サブスタンス 絶賛公開中!
■監督・脚本:コラリー・ファルジャ『REVENGE リベンジ』
■出演:デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クエイド
イギリス・フランス/142分/R-15+ 配給:ギャガ 
(c)2024 UNIVERSAL STUDIOS
■公式HP https://gaga.ne.jp/substance/

“危うさ”と“気品”の共存――マーガレット・クアリーという才能を見逃すな!『ナイスガイズ!』が予言していた彼女の“進化”

『サブスタンス』で“怪物的な存在感”を見せつけたマーガレット・クアリー
その演技力と狂気のルーツは、2016年公開(日本では2017年公開)のあの作品にこそ潜んでいる。

『ナイスガイズ!』は、ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングが共演する異色のバディ・ムービー。
1970年代のロサンゼルスを舞台に、陰謀と殺人事件を追う中年男2人の滑稽で哀愁ある物語だ。

(C)2016 NICE GUYS , LLC

この作品で、彼らの捜査の鍵を握る少女として登場したのが、マーガレット・クアリー演じるアメリアである。

“事件の鍵”ではなく、“物語の重心”だった少女

アメリアは、失踪中の女性。
一見無垢な少女のように見えて、どこか“目が笑っていない”。

登場するたびに、場の空気が一瞬で変わる。
まるで、彼女がその場に「異物」として存在しているような不穏さ。

彼女の演技には「この子、ただのヒロインじゃないな」と、観客に“予感”を抱かせるだけの異質な輝きがあった。

(C)2016 NICE GUYS , LLC

演技ではなく、存在そのものが物語を動かす

『ナイスガイズ!』でクアリーが放っていたのは、演技力というより、「存在がストーリーになる」という力だ。

  • 無垢に見えるが、どこか壊れている
  • 細い身体に、濃密な狂気を内包している
  • 愛らしいのに、なぜか怖い

それは『サブスタンス』で演じたスーという存在にも完全に引き継がれている。

エリザベスの若さと美の理想として生まれたスーは、快楽と承認欲求のなかで次第に歪み、最終的には人間であることをやめてしまう

この“退廃と狂気の美”は、『ナイスガイズ!』ですでに兆候として存在していたのだ。

(C)2016 NICE GUYS , LLC


クアリーの表現は“静かに、内側から壊していく”

彼女は叫ばない。

取り乱さない。
ただ、目の奥で感情が泡立ち、表情のひとつひとつに違和感が宿る。

そして、観る者は気づかないうちに、彼女の狂気に引きずり込まれている。

『サブスタンス』でそれはついに爆発した。
血塗れの変貌、激しい感情の発露、そして絶望の中の笑顔。

マーガレット・クアリーは、ハリウッドが待ち望んでいた“新しい怪物”だ。


最後に――

『サブスタンス』は、ただのSFホラースリラーではない。
若さ・美・老い・嫉妬・欲望・承認欲求――
現代を生きる私たちのすぐそばにある“呪い”を、極限まで突き詰めた、魂の映画だ。

そして、それを全身で体現したデミ・ムーアと、狂気のバトンを引き継いだマーガレット・クアリーの邂逅は、映画史に刻まれるべき奇跡である。

劇場での体験は、まさに「観る」というより「目撃する」に近い。

そして観終わったあと、あなたもきっとこう思うだろう。
「クアリーって…どこかで観た顔だ」

そのときこそ、ぜひ『ナイスガイズ!』を観てほしい。
あの無垢な笑顔の裏に、すべての始まりが潜んでいる。

配信サービス一覧

『ナイスガイズ!』
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