『犯る男』は、ピンク映画という枠を超えた作品

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この世はエンタメに長けた映画が多すぎる為に、我を通した作品はなかなか評価されにくい世の中になっていませんか?

最近だと韓国映画「コクソン」のように、観終わった後ふと「あれはどういう事…?」と考えるものこそ、心に残る映画じゃございませんか?

観終わった後、色んな思いを巡らせる。一見柄にも無くまともっぽい事を言っています…何故か…

今月は濡れ場映画について書くからですよ!!

濡れ場映画といっても、今回紹介したいのはいわゆる「ピンク映画」。

『犯る男』

数多くのVシネマやピンク映画を手掛けてきた、山内大輔監督が放つダークな人間ドラマ。今作が本格的な劇映画デビューとなるセクシー女優の朝倉ことみと涼川絢音が出演、『ローリング』などの川瀬陽太らが共演する。

この作品以外にも、主演の朝倉ことみさん主演のピンク映画を数多く撮られている山内監督。

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もうこれは監督と主人公の関係…の…つまり…変な邪推をするなという方がおかしい話なんですが、それはここでは割愛します…。

ストーリーは、過去のトラウマを引きずる強盗と、夫による暴力に絶望する人妻との出会い。彼らは互いに心に空白を抱える者同士、惹かれ合っていくが、ある事件をきっかけに運命の歯車が狂いだしていく、というもの。

まず思ったのがピンク映画にしてはピンク感がそこまでないという事。

ご覧の通り元セクシー女優と現セクシー女優が競演してるわけで、こちらとしてはそこを期待しない訳がない。もちろんある。あるんだが思ったよりない。

とりあえず脱いだパンツを履き直す自分。

野暮な事しちまったい、何が濡れ場芸人だよ…ごめんね監督…そう言いながら、椅子にきちんとお尻をつけて観る。

監督の「エロいだけじゃない…何か」をきっちりと受け取るため、ズボンもしっかり履く。

そうなると、もうストーリーが展開していくにつれ“気になる箇所”が出てくる。

「どういう事なんだ?」の連続。

まず、主人公の吉井が拾う“皮膚病っぽい犬”。

犯罪を繰り返し、麻里役の涼川絢音さんのアキレス腱を切るという鬼畜行為をしながら、その犬には優しいという一面を見せる。

ただ「なぜ皮膚病っぽいんだろう…ここ、普通の子犬じゃあダメなのかな…」

おい! 野暮! 何か意味があるはず…

そして脈略もなく出てくる、仮面を被った3人組。

「こいつ、実はこの人でした〜」とかではない、全く関係ない仮面被った変な踊りをした人間が、何かしらの危害を加えてくる。

おい? なんだこいつら! おい! 違和感しかない! 脚本にどう書いて、こんな感じでフレームインしてきてんねん!!

もしや…多分おそらく…聖書的な感じ? 災い的な事?

おいおい、ピンク映画舐めてた!! そんなメッセージ性秘めてんの!?

さらに最後、アキレス腱切られた涼川さんが出てくるんですけど…

なんとも言えないサイボーグ感。足に器具つけて腰にリモコンついてる。

え…? 確かアキレス腱切っただけよな…? 爆破されて、体が木っ端微塵になった訳じゃないよな…?

アキレス腱の断裂って、不治の病やったっけ…?

しかも腰についてるメカのリモコンみたいなの…めちゃめちゃ“スーファミ”のコントローラーじゃない?

絶対そう! あれ“スーファミ”のコントローラーやん!! どういう事なんや!!!?

現場で、

監督「あれ? なんかない? コントローラー的なやつ! メカニック的なの!!」

スタッフ「“PS4”のコントローラーなら…」

監督「いや流石に“PS4”は『“PS4”やん!』てなるやん。メガドライブの誰か持ってないか!?」

スタッフ「“スーファミ”なら…実家に」

監督「それいいやん!! それでいこー!!!」

この流れでしょう。多分。いや絶対。

揺さぶってくれるぜ!! 監督!!

この作品で一気にファンになりました。

これを読んでも、「ど…どういう事…?」とお思いの方…。絶対観た方がいいです。

皆様に山内監督作品、またご報告します!

(文:南川聡史)

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