スパイダーマン(トム・ホランド)が出演したサバイバル映画『インポッシブル』

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マーベル映画が世界的大ブームと化して久しい中、最新作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が6月28日より世界最速公開されます(マーベル・ヒーローをクロスオーバーさせたマーベル・シネマティック・ユニバース・シリーズ第23作)。

主人公のスパイダーマンことピーター・パーカーを演じるのはトム・ホランド。明るくちょっとやんちゃなところが可愛い魅力となっています。

1996年生まれのトム・ホランドが初めてスパイダーマンを演じたのは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)からで、これによって一気にブレイクした彼ですが、今回は映画デビュー作『インポッシブル』(12)を紹介しましょう。

実話を基にした大津波の惨禍と
家族の奇跡的再会

『インポッシブル』は2004年にインドネシア西部のスマトラ島沖で起きたマグニチュード9.1の地震による大津波に巻き込まれたスペイン人一家の実話を基にした作品です。
(ちなみに、この津波で映画監督リチャード・アッテンボローは孫娘などを亡くしています。またクリント・イーストウッドが2010年に監督した『ヒアアフター』も、この大津波を背景にしたファンタジー映画でした)

監督は『永遠のこどもたち』(07)で注目され、本作の後も『怪物はささやく』(16)『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(18)と順調にキャリアを進めているスペイン映画界の雄J・A・バヨナ。

ストーリーは、マリア(ナオミ・ワッツ)とヘンリー(ユアン・マクレガー)のイギリス人夫婦と3人の子どもたちがタイのリゾート地を訪れてバカンスを楽しんでいたところ、突然の地震と大津波に巻き込まれ、マリアと長男ルーカス(トム・ホランド)、ヘンリーと下の息子2人が離れ離れになってしまいます。

まずは津波の描写がすさまじく、大自然の猛威による恐怖が強調されます。

次に重傷を負ったマリアが病院に収容されますが、異国の地で言葉の通じないがゆえの不安や恐怖などもさりげなく描かれています。

こういった中で家族は無事に再会できるのか? が焦点となっていきますが、まあ奇跡の実話の映画化なのでそのあたりはご想像にお任せするとして、やはり東日本大震災の惨禍を目の当たりにした日本人として、この映画が訴えるメッセージは他人事とは思えないものを感じてしまうことでしょう。

トム・ホランドがもたらす
新旧の陽性の魅力

本作では当時まだ子役といった雰囲気も濃厚なトム・ホランドの健気な陽性の可愛らしさが、この手の映画に貴重ともいえる明るさをもたらしてくれています。

彼自身、映画デビューでナオミ・ワッツやユアン・マクレガーといった芸達者と共演できたことは、よき体験になったことでしょう。
(ちなみに彼はその前年、スタジオジブリのアニメ映画『借りぐらしのアリエッティ』英国吹替版で、翔の声を担当しています)

この後、彼はシアーシャ・ローナン主演の近未来ドラマ『わたしは生きていける』(13)や、メルヴィルが小説『白鯨』を記すきっかけとなったエピソードを描いた『白鯨との闘い』(15/主演のクリス・ヘムズワースもマーベル・ヒーローのひとりマイティ・ソーを演じてますね)などを経て、スパイダーマン役に抜擢されるのでした!

この夏必見の話題作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ともども、トム・ホランドの新旧の活躍ぶりをぜひお楽しみください。

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(文:増當竜也)

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ライタープロフィール

増當竜也

増當竜也

増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画レビュー・コーナー『戯画日誌』を連載中。近著に『映画よ憤怒の河を渉れ 映画監督佐藤純彌』(DU BOOKS刊)がある。

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