『シン・ゴジラ』はできたけど、『シン・ギララ』は…!?幻の怪獣“宇宙怪獣ギララ”を語る!

『シン・ゴジラ』のDVDが出て、劇場では新たな『キング・コング』が公開。今回は日本の幻の怪獣をご紹介。

キング・コングの誕生は1933年、追って1954年に日本でゴジラが誕生。以降50年代~60年代は空前の怪獣映画ブームが起きました。東宝からはゴジラ・モスラ・ラドンが登場。大映からはガメラ・大魔神、日活からもガッパが続きました。

そして、日本映画の老舗の松竹も怪獣映画に挑みました。それが「宇宙怪獣ギララ」です。

(C)1967 松竹株式会社

公開されたのは1967年の3月25日。ちょうど50年前の出来事です。その50年後の同じ日付に日本で「キング・コング 髑髏島の巨神」が公開されるというのもなんだか不思議な縁ですね。

STORY

日本宇宙開発局、富士宇宙飛行センター(FAFC)は探査のため火星へとロケットを発射する。そのロケットから離脱に成功したアストロ・ボート、AABγ号は順調な飛行を続けるように見えた。

ところが突然、謎の飛行物体の妨害に遭い、月ステーションへと一時着陸することになる。再び火星へと出発、しかしまたもや妨害をかけてくる飛行体。そして、隕石と接触して光を放つ未知の胞子が船内に侵入する事態が発生。クルーがその胞子を地球に持ち帰ったところ、恐るべき怪獣へと姿を変えてしまった!宇宙大怪獣ギララ登場!地球のエネルギーを食い荒らし、火の玉となって空を飛ぶ。あらゆる武器をもってしても歯がたたない最強の怪獣を前に、地球の運命は?人類の未来は!?危機が迫る!

映画の前半は謎解きとラブコメを混ぜたSFで始まり、中盤になってついにギララが登場します。月面シーンの描写など今見てもそんなに見劣りのするものではありません。オール日本語吹き替えですが国内外混成キャストというのも当時としては斬新でした。

そして、満を持していよいよ登場するギララ。ネーミングは大々的に一般公募されて決定しました。その外見はUFOを模した頭部をもった巨体で、それまでのほかの怪獣が古代生物から発展したデザインであったのに対して、ギララは海外の宇宙人のイメージを巨大化したような一線を画した怪獣に仕上がっています。

口から火を噴いたり、自分も火球になったりしますが、基本的な戦い方は徒手空拳でアグレッシブ。戦車は足で踏みつぶし、飛び交う戦闘機は手で払い落します。しまいには港に止まっていたタンカーを持ち上げて、そのまま港湾施設に投げつける暴れぶりです。

対して、人類側はギララを抑える手がかりを見つけると月面に向かったりしたりして、構える側もスケールが大きいです。

(C)1967 松竹株式会社

クライマックスはカギとなる物質の手配が間に合うか?ギララが迫る中、宇宙センターの中でトラブルが起きたり、時間稼ぎのためにギララと車が追いつ追われつのチェイスを展開したりとタイムリミットサスペンスの色合いも強く、なかなかハラハラさせられます。

ギララが原子力エネルギーを求めてきたり、ギララの活動を休止させる物質を発見して対抗策にしてみたりと、今見ると「シン・ゴジラ」を思い起させる展開だったりもします。

ちなみにオープニングとエンディングは松竹らしく富士山の遠景が登場します。残念ながら松竹の怪獣映画はこの「宇宙怪獣ギララ」一作で終わってしまいました。ただし、その後も「男はつらいよ」にも一部シーンが流用されたりもしています。

[本作を見れる動画配信サイト](2017年3月24日現在配信中)
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(文:村松健太郎)

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    ライタープロフィール

    村松健太郎

    村松健太郎

    村松健太郎 脳梗塞と付き合いも10年目に入った映画文筆家。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在NCW配給部にて同制作部作品の配給・宣伝、イベント運営に携わる一方で各種記事を執筆。

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