『鴨川ホルモー』のようなサークルにぜひ入りたい⁉

「今度の週末は映画でも……。でも、何を見ればいいのかな?」

そんな風にお悩みのかたへ。 デジタル配信で見られる映画をご紹介する「金曜映画ナビ」が、流行や話題性を捉えながら、あなたの映画選びをお手伝いします。

では早速、今週も始めましょう。

春が到来し、いよいよ新学年新学期を迎えましたが、学生のみなさん、部活動やサークルはもう決めましたか? 新社会人のみなさんも、社内外の集いやら、アフター・ファイブを何か実りあることに使おうなどと考えているかたも多いのでは?

そう、春だから心機一転、何か面白いことを始めたい。そんなアナタにお勧めしたいのが……本木克英監督による奇妙キテレツ抱腹絶倒の大学部活動ファンタジー・バトル映画、『鴨川ホルモー』です!

鴨川ホルモー

オニを使って大学対抗試合を行う
謎の競技ホルモー!

『鴨川ホルモー』は、2006年に万城目学が記した同名デビュー小説を原作とした、2009年度の作品です。

二浪の末、ようやく京都大学に入学した新入生の安倍は、ひょんなことから「京大青龍会」なるサークルの新勧コンパに参加したところ、そこで絶世の美女・相良京子に一目ぼれし、入会してしまうのですが、この「京大青龍会」の正体、鬼や式神を駆使して戦う謎の競技「ホルモー」のサークルだということがわかってきます。

そんなアホなと思いつつ、神社で儀式を済ませた安倍たちは、何とその直後からオニが見えるようになってしまいます。

そして安倍たちは京都の他大学のホルモー・サークルの面々と戦う羽目に……!

つまりはこの作品、伝統の古都・京都を舞台に、ちょっとダサめの主人公青年たちの大学部内における友情や確執などを露にしつつ、ライバル校と熾烈なバトルを繰り広げるという、ある意味まっとうな青春映画なのです。

ただし、陰陽道の要素を取り入れたオニたちを駆使した戦という、何とも奇想天外な設定を除いては!

巾着寿司のような
キモカワなオニたち!

このオニたち、いわゆる鬼のイメージではなく、体長20センチの4頭身、顔はどことなく茶巾寿司を連想させる小さくキモカワなキャラクターで、彼らは群れを成して、あたかも戦国合戦のように(っていうか、ピクミンみたいな感じ?)敵と集団で戦い合います。

また、ホルモーにはさまざまなルールがあるのですが、オニ使いはオニ語で彼らに命令せねばならず(たとえば「ゲロンチョリー(潰せ!)」といった感じで)、またなぜかいちいち奇妙なポーズをつけながら命令しなければいけないので、はたからみると滑稽でしかありません。

しかし、やっているほうは真剣そのもので、演じる主演の山田孝之をはじめとする若手キャスト陣もみな大真面目。だからこそ、こちらも思い切り笑いながら、バトルの行く末をスリリングに見守ることができるのです。

『超高速!参勤交代』をはじめ、コミカルな映画的活劇に定評のある本木克英監督ですが、ここでは古都・京都の歴史の重みみたいなものにもさりげなく目くばせしながら、かわいくもスケールの大きなファンタジック青春スポーツ(いや、スポーツではないか⁉)コメディを構築し、第1回沖縄国際映画祭“Laugh&Peace”コネペティション部門長編映画部門でゴールデンシーサー賞(つまりはグランプリ)を受賞しています。

日本の古き伝統(?)によって紡がれた全く新しいテイストの作品でもあります。ぜひご堪能のほどを!

 

[この作品を今すぐ観られるサービスはこちら](2016年4月15日現在配信中)
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(文:増當竜也)

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    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou

    鹿児島県出身。映画文筆。

    朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。

    取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。

    編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊)

    その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。

    ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊)
    現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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