『アナと世界の終わり』が最高すぎる「3つ」の理由!その魅力にハマる人続出!

© 2017 ANNA AND THE APOCALYPSE LTD.

世界中の映画祭で上映され、多くの映画ファンたちを熱狂させた話題作『アナと世界の終わり』が、5月31日から遂に日本でも公開された。

突然ゾンビに襲撃された世界を舞台に、女子高生VSゾンビ軍団の対決がミュージカルで描かれる!

映画を観た後で思わず口ずさんでしまう素晴らしい楽曲に加えて、『ショーン・オブ・ザ・デッド』と『ラ・ラ・ランド』の出会い! と評価された作品と聞けば、これはもう期待するなという方が無理というもの。

実際、予告編で観た楽曲やダンスシーンはどれも素晴らしく、個人的にも期待して鑑賞に臨んだ本作。果たして世界中の観客を魅了したその内容と出来は、どのようなものだったのか?

ストーリー

イギリスの田舎町リトル・ヘブン。高校生のアナ(エラ・ハント)は、幼い頃に母を亡くし父トニー(マーク・ベントン)と二人暮らし。学校では、ダサい幼馴染のジョン(マルコム・カミング)、暑苦しいほどラブラブなカップルのクリス(クリストファー・ルヴォー)&リサ(マルリ・シウ)、嫌がらせが止まらない元カレ・ニック(ベン・ウィギンズ)、SNSでソウルメイトを探し続けるステフ(サラ・スワイヤー)など、くだらない連中ばかり。このパッとしない生活から抜け出したいアナは、大学に進学せずに世界を旅することを計画していた。クリスマスの翌朝、アナはジョンと一緒にいつも通り学校へ向かう。その途中、スノーマンの着ぐるみを着た血だらけの男が突如現れ、ジョンに襲いかかる。なんと、男の正体はゾンビだったのだ! 果たしてアナとジョンは、クリスマス学芸会のために学校に取り残された父とクラスメイトを助け出し、この町を脱出することはできるのか―!?

予告編

理由1:鑑賞後も耳に残る楽曲が素晴らしい!

世界中の観客を虜にして、遂に日本に上陸した話題の青春ゾンビ・ミュージカル映画『アナと世界の終わり』。

可愛い女子高生が歌って踊る、明るく楽しいミュージカルシーンと、ゾンビ退治シーンの派手な残酷描写の対比が独特の味わいを残す本作が絶賛される要因は、何と言ってもその楽曲の素晴らしさにある。

ヒロインの女子高生アナの心情が伝わってくる様な楽曲の数々は実に覚えやすく、観終わって劇場を後にする頃には、すっかり頭の中で繰り返し再生されてしまうほど!

例えば学校の食堂を舞台に生徒たちが歌い踊るシーンは、ディズニーの『ハイスクール・ミュージカル』を思わせるクオリティの高さであり、このシーンで歌われる「Hollywood Ending」がまた名曲なのだ。

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更に高校卒業後の夢が破れそうな自身の心情を乗せたアナの歌声に、それぞれ悩みや人に言えない想いを抱えているジョンやステフの歌声が重なって、最高の盛り上がりを見せる名曲「Break Away」など、本編中に登場する楽曲は、どれも観客の耳に残るポップでキャッチーな名曲揃いとなっているのが凄い!

実際YouTube上にも、各楽曲を使ってファンが編集したPVや、一緒に歌えるように歌詞が表示される「Sing along」動画が続々アップされているので、万が一、鑑賞を躊躇されている方は、まずこれらの楽曲を一度聴いてみることを強くオススメする。

もちろん楽曲だけでなく、ミュージカルシーンでのダンスの振り付けも見事な本作だが、実は今回ダンスの振り付けを担当しているのは、ステフ役で出演もしているサラ・スワイヤーその人!

短い撮影期間にも関わらず、演技とダンスの振り付けの両方をこなした彼女の才能は、是非今後とも注目したいところだ。

今回鑑賞して思い出したのが、やはり十代の女の子の自分探しを描いた2015年日本公開のミュージカル映画『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』だった。

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スコットランドの人気バンド“ベル・アンド・セバスチャン”のフロントマンであるスチュアート・マードックが、2009年にリリースした同名のソロアルバムを、自らの監督・脚本でミュージカル映画化した本作。日本でも公開当時、女性を中心に大きな話題を呼んだので、きっと覚えている方も多いのではないだろうか。

物語の背景は大きく異なるが、こちらの作品も一度聴いたら忘れられない名曲揃いなので、『アナと世界の終わり』で青春ミュージカル映画に興味を持たれた方は、是非チェックして頂ければと思う。

理由2:実は女性の自立と旅立ちを描く感動作だった!

楽曲の素晴らしさと並ぶ本作の魅力は、ゾンビ映画とミュージカル映画の融合という、秀逸すぎるそのアイデアにある。

実は本作の基になったのは、17分の短編映画として製作された『Zombie Musical』という作品。この短編が話題を呼んだことで、後に長編映画『アナと世界の終わり』として製作されたというわけだ。

突然ゾンビが人々を襲い始めるという絶望的な状況下にあっても、自身の将来や父親・友人のために敢然とゾンビ軍団に立ち向かうアナの活躍が、派手すぎて笑ってしまう残酷描写と共に描かれる本作は、確かに予告編やポスターの印象通り、一見明るいコメディ映画に思える。

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特に映画の序盤では、アナの閉塞的でやり切れない日常生活や、外の世界への強い憧れが描かれるのだが、突然街を襲ったゾンビとの戦いを経て、本作は次第に主人公アナの成長や父親との関係性を描く感動の物語へと、大きくシフトしていくことになる。

実はゾンビが出現する以前の世界でも、退屈な日常や父親との窮屈な生活によって既に腐った日常を送っていたアナ。そんな現状から逃げ出すかの様に、卒業後の海外旅行を計画していたアナが、ゾンビとの戦いによって初めてリアルな死と直面し、本当の意味での自立と旅立ちを迎える成長物語へと着地する展開は実に見事!

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もちろんアナ以外の登場人物にも重要なシーンが用意されており、成就することの無い片思いの気持ち、そして恋人同士の愛の強さや自身のセクシュアリティへの悩みなど、アナと一緒に危機を乗り越えてきた仲間たちにも、ちゃんと彼らに合わせた見せ場が用意されている脚本からは、キャラクターに対する深い愛情を感じずにはいられなかった。

ゾンビ映画や残酷なシーンのある映画は、ちょっと苦手。そんな方でもミュージカルシーンや優れた楽曲が一緒に楽しめる本作なら、きっと満足して頂けるはず!

特に日常への不満や、自身の生活・環境に悩みを抱えている女性が観ると、確実に勇気と元気を貰える作品なので、全力でオススメします!

理由3:実は過去の名作映画のオマージュ満載!

前述した通り、17分の短編映画『Zombie Musical』を基に長編映画として製作された本作には、過去の名作ミュージカルやゾンビ映画へのオマージュが散りばめられており、その辺りも映画ファンにとっては堪らない魅力となっている。

例えばアナとジョンが学校へ行く途中、墓地で初めてゾンビに襲われるシーンは、現代ゾンビ映画のルーツである『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を思わせるし、アナが名曲「Turning My Life Around」を歌いながら街の通りを踊り歩くシーンでの、ゾンビに襲撃されている街の様子は、『ゾンビ』のリメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』での序盤の描写を思わせるものとなっているのだ。

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その他にも、ラストに展開する体育館でのステージシーンや楽曲の歌詞の内容に、名作ミュージカル映画『ロッキー・ホラー・ショー』からの影響を強く感じる本作。

もしも時間に余裕がある方は、これらの元ネタ作品と見比べてみると、また新たな発見があるかもしれない。

ちなみに本作の基となった『Zombie Musical』は、現在でもYouTubeで視聴が可能となっており、更に元祖『ハイスクール・ミュージカル』を製作したディズニーも、2018年に『ゾンビーズ』という、ゾンビ青春ミュージカル映画を世に送り出しているので、『アナと世界の終わり』を観て”ゾンビとミュージカルの融合”にハマった方は、是非これらの作品にも触れてみて頂ければと思う。

最後に

確かに海外での高評価も納得できるほどエンタメ要素満載の作品でありながら、実は一人の少女が抱える将来への不安や、父親からの自立・旅立ちを描いた感動的なドラマが展開する本作。

ゾンビの出現によって、いきなり絶望の世界に放り込まれてしまったアナだが、実は彼女が父親との生活や街での暮らしに退屈していて、既に将来に対して希望が見いだせない生活を送っている点も、現実離れした設定にリアリティを感じさせて実に見事なのだ。

このまま退屈な街で腐って暮らすことに耐えられず、高校卒業後は海外へ旅立とうと計画していたアナを突然襲った世界の終末。その混乱の中で父親と友達の無事を確かめるため、ゾンビを蹴散らしながら学校へと向かうアナは、その過程で多くの大切なことを学ぶことになる。

アナの他にも、熱愛中の恋人たちや片思いの気持ちを伝えられない者、そして自身のセクシャリティに悩む者など、それぞれの問題を抱える魅力的なキャラクターが、果たしてどう行動しゾンビ軍団に立ち向かうのか?

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「これは子供たちが成長し、高校を卒業して人生に責任を持つと同時に、親の世代が残した社会にどう向き合うかを問う映画だ」。

監督のジョン・マクフェール自身がインタビューで答えている様に、父親と友人を救うために自分自身の手でゾンビを倒し、同時に自身の将来をも切り開いていくアナの姿には、親の庇護から離れて自身の人生を歩む困難さが、実によく表現されていると感じた。

ミュージカルや青春ラブコメ映画としても、絶対にハマることは確実な上に、思わず口ずさみたくなる最高の楽曲と見事なダンスシーン、そして魅力的な出演キャスト陣の演技に、鑑賞後に友達に勧めたくなることは確実な本作。

『ボヘミアン・ラプソディ』の様に絶対に応援上映で観たい作品だけに、まずは劇場に足を運んで頂いて多くの観客と一緒に鑑賞するのがオススメです!

(文:滝口アキラ)

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