『ブラック・スキャンダル』、静かに恐ろしいジョニー・デップは必見!

シネマズ編集長の柳下修平です。「編集長の新作映画レビュー」、今回は第5弾。ジョニー・デップ主演でFBI史上最高の懸賞金をかけられた実在の凶悪犯ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーを描いたクライムドラマ『ブラック・スキャンダル』をご紹介します。

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(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., CCP BLACK MASS FILM HOLDINGS, LLC, RATPAC ENTERTAINMENT, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

 

あり得ない実話がここに

この映画は史実を元にした映画です。

ギャングとFBIが手を組んで共通の敵でイタリア系マフィアを排除していく話。そのギャングというのがジョニー・デップ演じるジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー。不正も厭わないFBI捜査官コナリーをジョエル・エドガートンが演じます。

ギャングであるジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーの弟が政治家であるのもまた興味深いです。この弟ビリー・バルジャーをベネディクト・カンバーバッチが演じます。

『ミスティック・リバー』も髣髴とさせる幼き頃の絆が大人になっても切れずに暴走していく様。気付いた時には後戻りができないところにまで達しているカオスさ。静かに、静かに、しかし着実に破滅への道を辿る主人公たちの末路に魂が震えます。

ジョニー・デップ演じるジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーが二つの「別れ」によって暴走していく様はドラマとして非常に見応えがあります。

それ以上に見応えがあるのがジョエル・エドガートン演じるFBI捜査官コナリーの暴走。イタリア系マフィアを排除でき、出世街道を突き進むも人生はそううまくはいかず。彼のドラマはこの映画の大きな見どころの一つです。

そしてもう一人、ベネディクト・カンバーバッチ演じる政治家ビリー・バルジャーの「描かれていない部分」がまた見どころです。ビリーの出演時間は短いですが、物語の傍観者であっても他人ではなかったとわかるラストに唸りました。

 

こんなジョニー・デップは見たこと無い!

ジョニー・デップがシリアスな作品に出演。最近のフィルモグラフィーを辿っていくと、2009年の『パブリック・エネミーズ』まで無いのではないでしょうか。あれも実在の人物ジョン・デリンジャーを演じていました。

ジョン・デリンジャーも犯罪者でした。彼は愛する女を守る熱い男的な側面も見せ、人間味も感じました。

同じ犯罪者でも今回のジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーは真逆。冷徹で、取り乱さない、キレて病院の椅子を投げる時も静かに。しかし、その静けさの中の恐ろしさは半端ないです。

息子に喧嘩の極意を教えるシーンに始まり、妻に「俺の息子だ」と厳しい目で怒り狂うシーンも恐ろしいです。

そんな中でも最も恐ろしいのがFBI捜査官コナリーの妻の体調を気遣うシーン。熱がないかに気遣いを見せるシーンですが、これがとんでもなく恐ろしいのです。

おそらくこの文章だけでは何を言っているかさっぱりわからないでしょう。どういう意味かは、是非劇場であなたの目で確かめてみてください。

静かに、静かに。しかし着実に恐ろしい話が進んでいく『ブラック・スキャンダル』。クライマックスの実話解説には鳥肌が止まりませんでした。

『ブラック・スキャンダル』は1月30日より全国公開です。

(文:柳下修平)

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