「GODZILLA 怪獣惑星」は予想を裏切るアツい映画!全てを奪われた男の復讐戦に燃えた観客続出!

(C)2017 TOHO CO., LTD.

実は今回のアニメ版ゴジラに対して、多くの観客の方々と同様に余り興味を引かれなかった。予告編の印象からは、キャラクターの絵柄が余りにあっさりし過ぎていて、全く熱量が感じられなかったからだ。

そもそも、昨年の『シン・ゴジラ』大成功を受けて、何故今「ゴジラ」をアニメで描かなければならないのか?その点も自分の中で全く納得出来ずにいたため、当初は劇場での鑑賞をスルーしようと考えていた本作。

ところが既に観た人たちの余りの熱狂と高評価に、急遽初日の最終回で鑑賞して来たというわけだ。果たして、その出来は評判通りのものだったのか?

ストーリー

突如地球上に出現した怪獣達とゴジラ。彼らを相手に戦ってきた人類だが、ゴジラの猛威の前に次第に力を失い、遂に地球を脱出する計画が実行に移される。
人工知能によって選別された人々が、恒星間移民船・アラトラム号でくじら座タウ星eにたどり着くが、そこは人類が生存するには過酷な環境であることが判明する。アラトラム号に乗る青年ハルオは移住の道が閉ざされたのを機に、地球に帰還して両親の敵でもあるゴジラを倒そうと決意。長距離亜空間航行で2万年の歳月が流れた地球に戻るが、そこは地上の生態系の頂点に未だゴジラが君臨する世界だった。

予告編

予想外にアツい内容と、最強のゴジラに驚いた観客続出!

結論から言うと評判通り、いや、これは予想以上に面白かった!

鑑賞前の印象とは真逆、まさかそこに展開するのが余りにアツい男達の挑戦の物語だったとは!これこそ正に実写では描けないスケールと内容であり、確かにアニメで制作する価値のある作品だと言える。

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もちろん、実写では制作費が莫大になり、それだけの集客に繋がる有名俳優を起用することでイメージが固定するなど、予想されるリスクを避ける目的も大きいだろう。
ただ、今回のアニメ化で間違い無く成功している点、それは肝心の「ゴジラ」の描写にあった。

今回映画館に足を運び、期待と不安でスクリーンを観ていた全国の観客達は、おそらくこう思ったはずだ。

「このゴジラ、怖い!」 と。

実際ネットに寄せられる高評価の中にもこうした意見が多く、中には「今までで一番怖く、凄いゴジラ映画だった」との声も。正直ここまで圧倒的な存在感と迫力で、スクリーンを突き破らんばかりに暴れ回るゴジラは初めて見た気がした。

スーツ使用による人間的な動きや感情表現、CG技術で描かれるリアルで生物感のあるゴジラももちろん良い。

だが、ここで登場する「アニゴジ」の不気味さと異質な感じはどうだ!劇中のセリフでも語られる通り、正に「破壊神」そう、ある種の神か動く石像の様なその姿。そもそも、その正体が生物なのか植物なのか、それとも鉱物なのかさえ判断出来ない、その外観と質感は見事!

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特に印象的だったのは、何回かアップになる「ゴジラ」の目だ。盛大に暴れまわるその行動とは真逆の、余りに静かで悟りを開いたかの様なその眼差しは、正に「神」。この圧倒的な存在感があればこそ、あえてこの「神」殺しに挑もうとする人間達の決意と悲壮な想いが観客の胸を打つ。

そう、この巨大過ぎる破壊の神に挑む者もまた、全てを奪われ復讐に燃える男なのだ。

己に付きまとう過去への精算と人類の未来のために、絶対に倒さねばならないゴジラという存在。嘗て地球を投げ出して宇宙に逃げた人類が、2万年の時を経て挑むそのリターンマッチは、正に壮絶の一言!

戦力やパワーでは到底太刀打ちできない人類が、その知恵を頼りに挑む殲滅作戦は果たして成功するのか?

そして、多大な犠牲の果てに得た勝利の先に待っていた、余りに過酷な現実とは何か?

更に、絶望的な状況に立たされた彼らに残された、新たな希望とは?

全てを飲み込んで第二部へと続く物語の結末は、是非劇場で!

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最後に

実際に鑑賞された方々の口コミにより、本作が大ヒット中なのは非常に喜ばしいことだ。

冒頭で、「何故今、アニメでゴジラを描くのか理解出来ない」と書いたが、今回鑑賞に臨んだ劇場の客席に、若い女性のお一人での来場が目立ったのを観て、その理由の一端が理解出来た気がした。人気声優の起用とアニメでの表現により、今までとは違う観客層の取り込みを狙うという意味で、確かに今回のプローチは非常に価値があったと言える。今はただ、この難しい賭けに見事に勝利した制作陣に、心から拍手を送りたい。

ただ、前評判の低さの中で封切られた本作に比べ、ある程度の期待と1作目以上のクオリティを要求される中での公開となる次回作。

果たして来年5月に公開されるこの第2部が、どのような展開を見せてくれるのか?

もはやゴジラのアニメ化に対する不安が消えた今、より大きな期待を胸にその時を待ちたいと思う。

(文:滝口アキラ)

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    ライタープロフィール

    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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