『ライブリポート』レビュー:警官とメディアが組んで驚異の捜査生配信!

(C)2019 LIVE MOVIE LLC

SNSの発達が今や日常社会を変え、ニュースのありようから現代を描くドラマツルギーまで大きく変えていっていることは周知の事実です。

誰もがスマホを持ち、誰もがスクープを撮影して発信できてしまう現代社会の中、そこから有名になろうとする者もいれば、そういう人々を利用しようとする者、さらには迷惑をこうむる者もいることでしょう。

本作『ライブリポート』もまたポリス・サスペンス・アクションというジャンルにSNSを導入しての新風を吹かせ得たプログラムピクチュア的な作品です。

ここでは誘拐された少女の命を救うためのタイムリミット64分を……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街477》

何とSNS生配信しながら描いていくという、秀逸なアイデアで綴っていくノンストップ・アクションなのでした!

誘拐された少女を救うための
追跡調査が何とSNS生配信!

『ライブリポート』の主人公警官ペニー(アーロン・エッカート)は正義感が強く、人当りも良さげなタフガイですが、ある日たまたま、ひとりの男の大捕り物に出食わして、執拗な追跡の果て、抵抗する男をやむなく射殺してしまいました。

しかしこの男、実は警察署長の愛娘クローディアを誘拐した犯人だったのです。

娘の居場所は分からずじまいのまま焦る警察に対し、もうひとりの犯人から連絡。

何と彼は仲間を殺された復讐として、クローディアをあるところに閉じ込めて水責めを始めたのでした。

水が溜まって溺れ死ぬまで、64分。

捜査から外され、しかも発砲した警官は2日間の停職となり、その間は銃を所持できないという規則によって丸腰となったペニーは、孤軍奮闘して少女の居場所を突き止めようとします……が、そこでたまたま出会ったのが、配信サイト“ザ・ピープル.com”の新米熱血レポーターのエイヴァ(コートニー・イートン)。

何とかスクープをものにしようと張り切るエイヴァは、なかば強引にペニーと取引し、追跡捜査の生配信を許可させてしまいます。

しかしこのことによってSNS配信されていく映像の数々は、漁夫の利を得ようとするTV局によってどんどん拡散されていき、同時に虚実ないまぜの情報が次々と飛び交い、すぐさま野次馬は集まり、さらにはそこに犯人がショットガンをもって単身現れて街は修羅場と化していき……と、もうハチャメチャな状況へと追い込まれていくのでした。

果たしてペニーは全米が興味と興奮のまなざしで見守る中、たった64分のタイムリミットで少女を救出できるのか?


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画レビュー・コーナー『戯画日誌』を連載中。近著に『映画よ憤怒の河を渉れ 映画監督佐藤純彌』(DU BOOKS刊)がある。

    ピックアップ

    関連記事

    新着記事

    WP Facebook Auto Publish Powered By : XYZScripts.com