新たなる“デビルマン”対“マジンガーZ”!?2018年は永井豪イヤーだ!

(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

2017年が終わり、いよいよ2018年が始まりますが、この年は長年カリスマ的な人気を誇り続ける伝説的漫画家・永井豪の画業50周年にあたります。

これを記念して正月早々、老若男女を問わず映画ファンおよびアニメ・ファン(特に1970年代に少年時代を送った人たち!)に実にビッグなプレゼントが贈られます……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街vol.279》

そう、あの永井豪原作の二大名作『デビルマン』と『マジンガーZ』が、時代を越えて甦るのです!

湯浅政明監督ならではの
『DEVILMAN crybaby』

(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

まずは1972年に「週刊少年マガジン」にて連載が始まるや、悪魔と人間の壮絶なる最終戦争=ハルマゲドンの地獄絵図に当時の少年少女たちを驚愕(というよりも、もはやトラウマといったほうがふさわしいかも)させた衝撃作『デビルマン』が、2018年1月5日からNET FLIXで全10話の新たなアニメーション『DEVILMAN crybaby』として全世界独占配信されることになりました!

これまで『デビルマン』の映像化は、まず72年から73年にかけて製作された全39話のTVアニメ・シリーズがありますが、これは原作から逸脱した純粋なヒーローものとして割り切って作られたもので、これはこれとして楽しめますが、原作とは別物と言ってもいいでしょう。

87年には原作に忠実なOVAシリーズがスタートしましたが、こちらは第1部『デビルマン誕生編』(87)および第2部『同 妖鳥死麗濡編』(90)で中断したのが惜しまれます。

その後番外編『オレは悪魔だデビルマン』(『CBキャラ永井豪ワールド』内収録)を経て、2000年には原作の結末部分に焦点を当てたOVA『AMON デビルマン黙示録』が作られましたが、どこかダイジェスト的で消化不良。

2004年には実写版『DEVILMAN』が作られましたが、これはもう“武士の情け”でそっとしといてあげましょう……(そうしないと、もう何を言い出すかわからなくなる!)。

2015年には石ノ森章太郎と永井豪の夢のコラボ『サイボーグ009VSデビルマン』全3話が製作されましたが、これは意外に美味で、このままデビルマンのハルマゲドンまで突入したエピソードを見てみたくなる欲求に駆られるものもありました。

そして今回の『DEVILMAN crybaby』は初めて永井原作の最初から最後までを一気に描いたものとして注目を集めています。

ありがたいことにマスコミ用に特別試写会が開催され、銀幕で第1話から第3話までを見ることができましたが、一言で申しますと、これはすごい!

今回の監督は『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』で2017年のアニメ映画界を牽引した才人・湯浅政明。

そもそもエッジの利いたアーティスティックな作風でマニアックな人気を博してきた湯浅監督ですが、今回その味わいが悪夢的なまでに炸裂!

正直、原作とはかなりキャラクターの絵柄も違いますし、ストーリーもオリジナル要素が含まれていますが、これはもう見事なまでにエロくグロく、そしてアバンギャルドにとんがりながらもどこか哀しみを帯びた(しかも、それとなくTVシリーズ版にまでオマージュが捧げられている!)湯浅監督版“デビルマン”として屹立しています。

原作至上主義者の間では賛否になるかもしれませんが、原作をリアルタイムで読み続け(当時は小学校中学年でした)、その最終回を初めて読んだときのトラウマから未だに抜け切れてない私としては大いに納得(もっとも、まだ3話までしか見てませんけどね)。

このクオリティは正直ネット配信のテレビモニターの枠で収めるにはもったいなさ過ぎる! ぜひとも再編集なり何なり施しての映画館での大画面上映を強く望みたい次第です!

TV版から10年後の世界を描いた
『マジンガーZ INFINITY』

(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

さて、『デビルマン』同様に70年代前半の少年少女を熱狂させ(原作漫画は1972年に「週刊少年ジャンプ」で連載開始)、ロボット・アニメの金字塔を打ち立てた『マジンガーZ』(72~74)は、その後『グレートマジンガー』(74~75)『UFOロボ グレンダイザー』(75~77)とシリーズ化されていきましたが(ちなみに、こちらもその後リメイク版OVA『マジンカイザー』などいろいろなヴァージョンが作られてきています)、それからおよそ10年後の世界を舞台にした『マジンガーZ INFINITY』が1月13日から全国の映画館でお目見えとなります。

何せ10年後ですから、みんな大人になっています。

『マジンガーZ』の主人公・兜甲児と弓さやか、『グyレートマジンガー』の剣鉄也と炎ジュンの仲はどうなっている?

甲児の弟・シローもかなりのイケメン青年になって登場しますし、また当然ながら、ボスボロットでおなじみのボスとムチャとヌケのトリオも大人になっていますが、はてさてその職業は?
(あと、光子力研究所所長だった弓博士の現在の職業にも仰天!)

対する悪役ですが、今回は『マジンガーZ』のマッドサイエンティストDr.ヘルやあしゅら男爵、ブロッケン伯爵など、こちらも懐かしい顔ぶれが復活。

もうこうなると、70年代当時の血沸き肉躍るロボット・バトルの再現をひたすら楽しむしかありません!

もちろん水木一郎アニキの主題歌も流れます!

TV版から時が経ち、作画が妙に立派になっていたり、また善悪の定義や新エネルギー利用の是非など、今どきのモチーフが挿入されているあたりは意見が分かれるかもしれませんが(あと正直『グレンダイザー』のデュークフリードも登場させてほしかった! もし続編が作られるのなら、是非に!)、少なくともマジンガーが必殺技を叫びながら敵の機械獣の群れを一網打尽にしていくさまは、もう快感そのもの!

久々に童心に戻って楽しめる点で、これは親子(いや、もう親子三代にわたる家族もいるかも!)でぜひ劇場に足を運んでいただきたい作品です。

なお、このように2018年は1月からデビルマンとマジンガーZが相まみえます(かつて『マジンガーZ対デビルマン』なんて夢の企画の映画もありました。これが今も続く東映アヴェンジャーものの原点になっているといっても過言ではないですね)。

そしてこの後、何と『キューティハニー』も新たなアニメ化『Cutie honey Univerce』の製作が決定! まだ詳細は明らかにされていませんが、永井豪原作の不滅の人気作品3本が一挙に集う2018年は、まさに永井豪イヤーと呼ぶにふさわしいものがありますね。

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(文:増當竜也)


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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