『七つの会議』の「7つ」の魅力

©2019映画「七つの会議」製作委員会 

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開会式・閉会式の総合演出統括にも選ばれた野村萬斎の主演作『七つの会議』。

本サイト編集長が評した“日曜劇場総決算”という言葉がぴったりの社会派エンターテイメントであり、娯楽大作であり、謎解きの要素もある贅沢な映画『七つの会議』の“七つの魅力”を厳選してご紹介します。

魅力1:“日曜の夜9時がギュッと濃縮”安心の池井戸潤原作映像化の集大成

昨年『空飛ぶタイヤ』でついにスクリーンに登場した池井戸文学。

本作が映画としては2作目ですが、すでに「半沢直樹」「下町ロケット」「ルーズヴェルト・ゲーム」「陸王」などテレビドラマではヒット作連発。

そんな中で公開される『七つの会議』近年の“日曜日の夜9時”がギュッと濃縮された作品です。

予告編を見て、その顔並びに思わず鳥肌が立ち、本編を見たあとはその熱さと切なさに胸が締め付けられました。

魅力2:初めてのサラリーマン役に挑んだ野村萬斎の主演として存在感

人間国宝の父親野村万作とともに650年の歴史を持つ狂言という伝統芸能狂言の至宝として長年活躍してきた野村萬斎。

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映画『陰陽師』『のぼうの城』などの時代劇の主人公、群像ドラマ「オリエント急行殺人事件」「黒井戸殺し」の名探偵勝呂武尊役などで抜群の存在感を見せてきてくれました。

近年ではさらに、オリンピック・パラリンピックの演出総括に就任したり、フィギュアスケート羽生結弦選手の陰陽師の演技プランのオリジナルになったり、モーションアクターで『シン・ゴジラ』のゴジラを演じるなど狂言の枠を大きく飛び出してグローバルな活躍を見せています。

魅力3:狂言、歌舞伎、演劇、音楽、演芸…日本の芸能から集まったキャスト

そんな、彼を野村萬斎曰く“ロイヤルストレートフラッシュ”と表現する贅沢すぎる名前が囲みます。その陣容はまさに“日本の芸能がそのまま映画にやってきた感”すらあります。

歌舞伎界から香川照之(市川中車)、片岡愛之助がそれぞれ物語のキーパーソンで登場します。同じ古典芸能で言えば落語界から立川談春と春風亭昇太が出演。

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お笑い繋がりで言えばオリエンタルラジオの藤森慎吾が嫌なやつを好演、名バイブレイヤーの木下ほうかの出自は吉本新喜劇から始まっています。

演劇界からは劇団四季出身の鹿賀丈史、蜷川幸雄門下スタートの勝村政信、文学座から主催する円まで舞台にこだわる大ベテランの橋爪功もいて、これに“日曜日の池井戸潤には欠かせないTEAMNACS”からは音尾琢真が参戦します。

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映画を通して探偵役を演じる及川光博はご存知“ミッチー”としてアイドル的なJPOPシンガーでもあり、岡田浩暉はTo Be Continuedのボーカリストでもありました。外様の副社長として鹿賀丈史や橋爪功と対峙する世良公則は70年代後半から活躍するロックミュージシャンでもあります。

©2019映画「七つの会議」製作委員会 

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そして、映画の中での絶対権力者“御前様”を演じるのは大御所北大路欣也。ラストの広大な会議室での“御前会議”の目力合戦は息をのむ迫力です。

©2019映画「七つの会議」製作委員会 

そんな面々と野村萬斎との“百人組手”のような演技合戦は自然と映画の熱量も圧力を凄まじいレベルに押し上げています。この演技合戦がこの映画の醍醐味ですね。

魅力4:土屋太鳳、吉田羊、溝端淳平、小泉孝太郎、ワンシーンの登場でも豪華

さらにさらに、油断すると見逃すようなわずかな出番のキャラクターを土屋太鳳、小泉孝太郎、溝端淳平、吉田羊といった主役級俳優が演じています。

零細ねじ工場の音尾演じる三沢社長の妹、奈々子役で土屋太鳳。

主人公の八角の元妻役で吉田羊。

若き八角の営業先の息役で溝端淳平。

商品開発部の社員役で小泉孝太郎がそれぞれ出演しています。

それぞれワンポイントでの出演でありながら重要な役どころで誰一人として欠けてはならない物語のキーでもありました。

©2019映画「七つの会議」製作委員会 

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魅力5:大きな発見、文字通りの紅一点朝倉あき

メイン処にオーバー40の大物男優陣が並ぶ中で文字通り紅一点という形で素晴らしい輝きを見せたのが、及川光博が演じる原島とともに謎解き役の浜本優衣を演じる朝倉あきです。

©2019映画「七つの会議」製作委員会 

昨年の主演作『四月の永い夢』が国際的に評価されて一気に注目を浴びた女優ですが、意外な秘密と鍵となるアイテム“ドーナツ”を片手に八面六臂の活躍を見せます。

元々、原作ではワンポイントの登場でしかない優衣役が映画に合わせてボリュームアップされ、大きな役割を果たすキャラクターに変更。その大きな役を見事に演じ切りました。

魅力6:視点がバラバラなオムニバス形式の原作を見事にアレンジした脚本
&魅力7:地味な会議をダイナミックなエンターテイメントにした福澤監督演出

今回メガホンをとる福澤克雄監督以下、本作のスタッフ陣は『半沢直樹』『ルーズヴェルト・ゲーム』『下町ロケット』『陸王』と日曜劇場の池井戸潤原作ドラマの演出を手掛け続けてきた、言わば“池井戸潤文学の映像化の達人”です。

そんな製作陣が手掛けた映画『七つの会議』。

池井戸潤の原作小説は今までの映像化作品と違い、視点がその都度変わり、八角に迫っていくオムニバス形式の小説でした。

今回、映画化するにあたって、探偵役を原島と優衣に集約させる形で視点をまとめ一本筋の通った物語になっています。また視点が一つになったことでより八角という人物の陰と陽の魅力が際立つ形になりました。

凄まじい熱と圧をはらんだ“正義を問うドラマ”のラスト、野村萬斎が一人語りで“日本の会社社会の正義”について語るシーンを受けて流れる主題歌がノーベル文学賞受賞者にまでなった現代音楽の探究者ボブ・ディラン『メイク・ユー・フィール・マイ・ラブ』。

アコースティックギターの素朴さが逆に際立ち、爽やかな“物語の締め”になっています。

(文:村松健太郎)

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